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教壇に立ち続ける ㊸ 反転授業×古典【note限定記事】

今日は午前中に起きて、役所で手続きをしたり掃除をしたり、帰りにスターバックスに寄ったりしていました。充実しています。どうも星野です。
久しぶりに教材研究と授業の計画立案をしたので、今回はそのおはなしを。1日1本プロジェクト進行中。いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。minneとFantiaはこちら。

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今回の題材は「無名草子」。授業で重点的に扱うことはないのですが、生徒はこれを課題として現在自宅学習中なので、それを補うならどんな授業になるか構想してみました。テストに出るかは不明ですが、まあ出しても問題ないレベルにはもっていくつもりです。
章段は「清少納言と紫式部」。結構長くて敬語もあるし、助動詞も単語も難しめという、なかなか読みごたえのある文章です。
内容は、並外れた才能を持つふたりの女房・清少納言と紫式部についての人物評です。清少納言は和歌が苦手だったとか、紫式部はぼんやりしている人だったとか、わりと好き勝手に言っているなあという印象ですが、大鏡などをなぞらえた語り方や、主語判定の難しさなど、3年生ならではの発問がしやすい教材だと感じました。私も読んでいるうちに混乱してしまうこともありました。
休校措置の期間中、高校3年生が自習している教材でもあるのですが、彼らにとっては訳出さえ難しいようで、見当違いな解答も散見されています。きみたちはいったいこの3年間で何を学んだのだ。
そこで、反転授業のように解説をネットでやり取りしたうえで、生徒の疑問に答えていくスタイルで授業をするならどうするか、という観点から授業を構成してみました。

まず前提として、生徒は全員訳出・まとめが終わっているものと考えます。そこからの流れとしては①振り返り、②知識の教授、③批評のステップを踏む感じです。
①では訳出が間違っていないか、単語や助動詞の意味などを確認していく時間です。さらっとやります。詳しく板書をするというより、つまずきの多かった箇所を抜き出して板書して開設するイメージです。ノートには好きなように(できるだけ自分が分かりやすいように)メモを取らせます。そして内容のまとめとして清少納言・紫式部の人物評を比較します。清少納言はどんな人で、紫式部はどんな人で……と列挙していきます。ここで②に繋がるように、中関白家の話もちょっと入れておきます。伊周、定子、儀同三司母のエピソードを手短に伝えます。なんせこの授業は一時間構成で、しかも現在分散登校のため同じことを2コマやらないと完成しないので、あまり時間を取れないのです。
②では事前に調べておくように伝えた「枕草子」誕生エピソードや「名前の由来」「それぞれの中宮サロンにおける文化」などを概略だけ伝えます。あまりここに時間を割いていられないので。文学史の知識も入れておきたいから、前述した大鏡との関係性、そしてこの作品全体の特徴を伝えます。できるだけ板書はシンプルに。
③では批評の仕方を現代のものと比べたり、後世(江戸期などのものがいいでしょう、本居宣長の作品などを用意できたらなと考えています)の文学研究・批評をした作品との比較から主発問である「この章段からわかる『無名草子』の批評の方法について」を論じる文章を書かせます。これは宿題でいいかなと。授業時間内に終わる気がしませんし、調べたい子もいるでしょうし、何より私が添削するのにオンラインでやり取りした方が楽というのがあります。

板書計画は1ページに収まるように立てました(5/28に更新)。

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私は古典の授業でも生徒の「批評精神」を養いたいと思っています。だから、言い方は変かもしれませんが「ちょっと斜に構えて文学作品を読む」という癖をつけてもらう授業を展開していきます。それが実際の生活で役に立つと信じているので。何も考えずにただ情報を鵜呑みにするだけの「良い子」を育てたいわけではありませんし。
休校中はオンラインでのやり取りが中心でしたが、だいたい学力の様子や取り組む様子がわかったので、無理をさせない範囲で取り組ませます。目標は「少しだけ背伸び」。
オンラインで学んだことを対面の授業で確認し、さらに深めてオンラインに返すというのは、たぶん今成果を出さないと今年度限りで終わってしまう活動かもしれません。だから私は使えるうちに使い倒して、データを取ろうと考えています。それをもとにより良い授業ができたらいいなと思います。
今回はそんなところでおしまいです。それでは、また。

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