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透析とフルマラソンと私

私は腎不全という病気を患っているので週3回の人工透析をしています。
これは私にとって生活の一部でありただの日常です。

そんな私の趣味はマラソンです。フルマラソンを走ります。最近はコロナの影響で自粛をしていますが、状況が落ち着いたらまた朝のジョギングを再開しようかなと思っています。またマラソン大会に出たいなぁ、と思っています。
ということで今回は初めてマラソン大会に出た時の話をしたいと思います。

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私はもともとフルマラソンを一度は走っておきたいと思っていました。
それはシンプルに走るのが好きだったからです。のんびりとダラダラ長い距離を走るのが好きだったので私はマラソンを楽しめると思っていました。
透析導入後はアルバイト生活だったので時間はありました。少しずつトレーニングを積んでチャレンジしようと思い立ったその日から走り始めました。
そもそも大学時代にレスリングでインカレ3位の実績のある元アスリートなのでトレーニング方法や理論的なものはしっかり頭に入ってるし、それなりに経験はあります。リハビリみたいな感じでスタートしたフルマラソンチャレンジも半年後には20キロをジョギングで走り切れるくらいになっていました。
私自身のコンディションは心身ともに順調でしたが、実際にマラソン大会にエントリーする段階になってくると周りの人たちの反応はガラリと変わりました。

「透析患者になんかフルマラソンを走り切れる訳がない」
「体に障害のある奴が何かに挑戦なんてするな」
「他の患者に悪影響だからやめろ」

…などと透析に行くたびに病院のベテランスタッフから罵られるようになりました。でも私はその言葉を浴びるたびに「このチャレンジには価値がある」と確信していました。不可能だと思われている事を可能にしてこそチャレンジですからね。そもそも、やった事がない人から否定されてもまったく説得力がないです。

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フルマラソン初挑戦となった2016年11月の岡山マラソンは中盤でタイムアップでリタイア、2回目の2017年11月岡山マラソンはいいペースで折り返すも後半で失速してタイムアップでリタイアでした。現実はそう甘くありませんでした。透析室は私のことを笑うスタッフばかりになっていました。
そういう状況の中、3回目の挑戦は岡山マラソンから約4ヶ月後の2018年3月の板橋シティマラソン。正直言って後がない状況でしたがどうにか6時間ギリギリで完走できました。人生で初めてフルマラソンを完走しました。夢がひとつ叶った瞬間でした。

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「透析しているのにフルマラソン走っても大丈夫なの?」
と聞いてくる人がいます。そんなの人それぞれです。
元疾患や状況によってそれは変わるので検査は必要です。
特に心疾患のある人は注意が必要です。私も主治医といっぱいミーティングをして必要な検査は全て受けました。主治医の先生とはマラソンを通してコミュニケーションを取る時間が沢山増えるようになりました。私の人工透析に関する知識は爆発的に増えました。これは本当に大きな収穫でした。

私は無策でただ思いつきでチャレンジしていたわけではありません。
準備と段階を丁寧に踏んで積み重ねて到達したわけです。
この方法は面倒くさいやり方ですけど誰にでもできるやり方です。

「そもそもフルマラソンなんて透析患者やるには無茶すぎる」
と言う人達がいます。この考え方は間違っていないと思います。
ただ、本格的な運動経験の無い人やフルマラソンを完走した経験の無い人には42.195㎞走る事がどれくらいの負荷なのかは理解できない事だと思います。
だって走った事がない上に、そもそもマラソン大会がどういうものなのかも知らないわけですから。

フルマラソンを6時間で走るのと3時間で走り切るのでは負荷も運動量も全然違います。
実際のマラソン大会でも、普段は走る事のできないコースの景色を楽しみながらのんびりとゴールを目指すランナーもいっぱいいます。
岡山マラソンなんて途中でラーメンを食べる所があるくらいですからね。

実際にフルマラソンを走ってみるとわかる事ですが、のんびりと制限時間を目一杯使って走ってみるとそれほど大変な事ではありません。基本的に通常健康な人なら誰でも楽しめるものです。フルマラソンをいきなりハイスピードで走り切るのは無茶だと思いますが、42.195㎞を楽しんで走る事は誰にでも出来ます。

そもそも、他のスポーツに比べてシャントをぶつけて傷つけるリスクも少ないし、自分のペースで出来るし、むしろ透析患者向けのスポーツだと私は思っています。私のフルマラソン挑戦の物語はこれでおしまいです。
これからも私は走ることを楽しみ続けると思います。

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この時の私にとって挑戦してみたいものはフルマラソンでした。
本音を言うと別にフルマラソンじゃなくてもいいんです。
何かに挑戦する事に価値があるんです。何かに本気で打ち込んで夢中になる事に価値があるんです。馬鹿にされても自分の信じる未来を諦めない事に価値があるんです。

そうやってバカみたいに頑張る透析患者がひとりくらいこの国にいてもいいじゃんって思って今日もワクワクしながら生きています。

本日は以上でございます。ありがとうございました!

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#透析 #透析患者 #マラソン

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