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【いよいよ】量子暗号でデータを安全に

量子コンピュータの開発が米国や中国を中心に加速しています。

日本においても、昨年(2020年)は約200億円の予算を量子コンピュータの研究開発に支出しています。

量子コンピュータが開発されると良い事も沢山ありますが、良くない事も実はあります。

それは、既存の暗号化技術が容易に破られてしまう事です。

その為、量子コンピュータでも破られにくい(解読の時間稼ぎできる)量子暗号の研究開発も進められています。

この度、東芝は、量子暗号通信を利用してゲノムデータを安全に保管する実証実験に成功したと発表しました。

これにより、個人情報の安全な保管ができるようになっていきます。

一つ気になった点が、東芝が量子暗号通信と「秘密分散技術」を組み合わせた点です。

秘密分散とは簡単に言うと、データを三拠点に分割してそれぞれ無意味化。分割したデータの2つ以上が揃わないと復元ができないといった技術です。

これにより量子暗号通信を使って通信中のデータの安全性を確保し、保管先でもデータの安全が確保できます。

しかし、秘密分散のデメリットは「分散して様々な箇所にデータを配置する必要があるため、(分割拠点の)構築費用が膨大」な点と言われます。

データ分割先を多く持つ企業以外には使い勝手が正直言って悪いでしょう。

または業界がコンソーシアムを立ち上げ、多企業で利用をしていく運用になるのでしょうか。

個人的には、秘密分散と同じ秘密計算を可能とする「準同型暗号」が良いと思っています。計算量が膨大になるデメリットはありますが、構築コストが省けます。

また、グローバルでも秘密分散より準同型暗号が利用されていっています。

東芝さんのターゲット層はどこになるのでしょう。

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