HOSHIDO
毎日毎日小説やら漫画やらアニメやら特撮やら何かしらを摂取しているHOSHIDOの店主がぼそっと一言感想を呟く日記です。
織姫の祈り ロクエヒロアキ むかしむかしあるところに、織姫と彦星という若者がいた。ふたりは毎夜のようにメールを交わし合う仲だったが、あるとき織姫は、昨晩も彦星と遅くまでメールをしていたせいで仕事中居眠りをしてしまい、たまたまとおりかかった天帝にそれを見とがめられてしまう。事情を知った天帝は、激しい怒りに駆られ、織姫からiPhoneをとりあげると、織姫と彦星の間に天の川と呼ばれる広くて深い海をつくってしまった。そうして、1年に1度しか海の両岸を結ぶ橋は架けないことにした。天帝
高校一年生の夏休み。 家の大きな廊下の突き当たりに座椅子を置いて、 麦茶とおやつをのせたお盆を床に置き、 「あ」から五十音順に並べられた百科事典を ペラペラとめくっていた。 目を閉じて「はいっ」と開き、 ページを指でなぞって「ここ!」と止める。 そこに書かれた言葉を読む。 そういう遊びをしていた。 暇だった。 知らない単語や名前を知ることがおもしろくて 蝉がうるさく鳴きわめくのも気にせず ページをめくることに没頭していた。 ある知らない名前の説明を読んでいると、 そ
こんにちは。はじめましての方も、そうでない方も。 私は、福井県福井市という日本海が美しい北陸の小さな町で、本をつくる小さな本屋を営む「HOSHIDO(ホシド)」の店主・佐藤実紀代と申します。 福井県は人口75万人にちょっと上乗せするぐらい、福井市は25万人にこれまたちょっと上乗せするぐらいのコンパクトな街です(ちょうど山形市と同じぐらい)。そして、福井市の中心部にある福井駅前から徒歩3分ほどにある雑居ビルの中で、暗〜い灯りの中で小さな本屋を開いています。 福井駅前には、