【短編小説】私は、今夜も港区女子。
煌びやかな都会の夜景が見える、赤坂のマンションの一室に、私は今夜もいた。
部屋のあっちこっちに設置されたスピーカーは殺人的な大音量で、EDMの重低音に合わせて震えている。
室内を彩るネオンやパーティーライトの眩しさで、この部屋の良さを引き立てるためにあるはずの夜景は、ただの背景にすらなり得なかった。
決して狭いわけではないはずのこの部屋には、
年商20億円の実業家やら、若手イケメン俳優やら、何とか賞を獲得したスポーツ選手やら、ごちゃ混ぜにして一緒くたに集められている。