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2020/12/1更新。リーマンショックから学ぶ!不況時における人材業界サバイバル術【コロナショックへの備えと対策】

皆さんこんにちは。

近年成長を続けてきた人材業界ですが、コロナの影響によりマーケットが大きく動いています。

私自身は2000年前半からこの業界に従事し、好景気も不景気も両方経験してきましたので、このタイミングで過去の知見・教訓を少し共有できれば思います。内容や個人の見解ですので、その点は十分にご理解の上、ご覧ください。※ちなみに私のプロフィールはこちらです

まず最初にお読みください↓

私の周りの人材会社は景気変動の波を受けにくい領域が多いので、おおむね業績は好調ですが、分野や戦略によって業績や株価(HR銘柄)に大きな格差が生じている状況です。

コロナの終息はまだまだ先になると思いますので、HR業界の格差は益々広がると予想されます。格差の要因含め、過去の不景気事例をもとに人材マーケットの今後を予測していきたいと思います。

尚、この記事は、以下の方を対象にしています。

①人材業界に従事する経営者・幹部・フリーランス
②人材業界に従事する会社員
③人材業界を対象にビジネスをしている人達
④人材業界で就活・転職活動を考えてる人達
⑤人材銘柄の今後を見極めたい株式投資家
⑥コロナショックが雇用に及ぼす影響を知りたい人

■突如出現したコロナウイルスの脅威

突如、世界を変えてしまった新型コロナウイルス。当初は中国だけの話だと思っていたことが、今や全人類が未曾有の生命危機に直面する事態に。

現時点で有効なワクチンや対処法は無く、先の見えない感染パニックは長期戦の様相を挺してしました。

■日本経済への影響

そして、僕たちビジネスマンが忘れてはいけないのは経済への影響です。

既に、日本ではインバウンド消費・宿泊・レジャー・飲食を筆頭に、人的接触が生じる産業はショック状態。コロナの影響による経済活動の麻痺があらゆる産業に甚大な被害を及ぼし出始めています。

この状況下、政府は未曽有のパンデミックに対処すべく様々な緊急経済対策を打ち出していますが、コロナショックの影響範囲が不明瞭すぎて、どこまで効果があるか未知数です。

■近年の有事(ショック型不況)

私が新卒で人材業界に入った2001年は、バブル崩壊後の不良債権処理が進む中、金融危機が起こり大卒の就職率は戦後最悪。いわゆる「超就職氷河期」でした。

以後、今回のような世界的なパンデミック(疫病)が不況の引き金になった事例はありませんが、日本経済へのインパクトが大きかった経済ショックと言えば、2008年のリーマンショックと2011年の東日本大震災が挙げられます。

東日本大震災は、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震およびこれに伴う福島第一原子力発電所事故による災害で、直接的な損失は2兆円程度、間接的には20兆円~30兆円と言われています。

地震・津波・放射能汚染の三重苦の中、物資不足・物流寸断・生活インフラの欠損で不自由を強いられた人達も多く、日本国民の記憶に深く刻まれた有事でした。

リーマンショックは2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生、リーマンブラザーズだけで64兆円という莫大な負債を抱える大倒産劇に端を発した世界同時不況です。

天災ではないので実害というよりは雇用・経済へのインパクトが大きかった有事で、間接的には天文学的な損失を産み出しました。

■コロナショックの特徴とは?

同じ有事でも、コロナはどんな特徴があるのでしょうか?

過去の有事においては時代背景や経済規模が異なるので、単純比較はできませんが、個人的には【東日本大震災が世界レベルで継続的に発生して、復興の兆しが見えず、実需の麻痺から、ゆくゆくリーマンショックのような金融危機を招く】といったイメージを持っています。

そして最大の特徴は救済者と被害者の構図が成立しない点です。

東日本大震災の時は、政府や他国からの支援がありました。助ける人(被害者)と助けられる人(救済者)が明確であり、助けられる人の割合が圧倒的に多かったのですが、コロナウイルスは全人類が被害者。

本来、救済する側の最後の砦とも言える国家(政府)でさえ、得体の知れないウイルスの恐怖と脅威を前に、的確な措置が取れない状態です。

よって、みんな自分達のことで精一杯。助けられる人がいません。強いて言うなら中国ですが、二次感染の懸念や世界経済の分断予兆もあり、積極的な支援はできないでしょう。

日本経済は、既にコロナが出現する前から消費増税が原因のリセッション(景気後退)が始まっていましたが、そこにタイミング悪くコロナショックが来て一段と市況は悪化。インバウンドは壊滅的。

唯一の景気刺激策だった東京オリンピックも延期&縮小になり損害額は甚大。まさに泣きっ面に蜂といった状況です。

■コロナショック以降の求人倍率の変化

下記の参考データにあるよう2019年(1月~12月)は1.60と少し下がってはいるものの、引き続き高い有効求人倍率の中、人材業界は活況でした。

参考:https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/shuyo/0210.html

ところが、2020年1月は1.49と急落、2月は1.45倍と2年11カ月ぶり低水準になりました。

参考:2020年2月の有効求人倍率

そして3月は、1.39倍と更に下落。

参考:2020年3月の有効求人倍率

4月は1.32倍とさらに下落。

参考:2020年4月の有効求人倍率

5月は1.2倍とさらに下落。

参考:2020年5月の有効求人倍率

6月は1.1倍。

参考:2020年6月の有効求人倍率

7月は1.08倍。2014年10月以来の低水準に。

参考:2020年7月の有効求人倍率

8月は1.04倍。6年7カ月ぶりの低水準。

参考:2020年8月の有効求人倍率

9月は1.03倍。9カ月連続の悪化で、2013年12月以来の水準。後もコロナショックの影響で下降線を描く可能性が非常に高いと思います。

参考:2020年9月の有効求人倍率

10月は1.04倍。前月より0.01ポイント改善しましたが、雇用情勢は依然として厳しい状況です。

参考:2020年10月の有効求人倍率

■リーマンショックが人材業界に与えた影響

リーマン級、もしくはそれ以上と予想されるコロナショック。では、次にリーマンショック級とはどういうものなのか?

リーマンショック後の回復期に参入してきた人材会社も多いと思いますので、リーマンショック時に人材業界で起こった出来事をマクロ経済の指標と照らし合わせながら、振り返ってみましょう。

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