ロマンスの現実逃避15
愛について考える新月
月は完全に光を隠し
黒い空を眺めるわたし
愛とは、なんぞや?
愛することは、得るものより
むしろ失うものの方が多いのかもしれない
そんな苦しいことを、なぜ選ぶのだろう
愛とは、幸福だけでできているものでは
ないの?
こんなにも、
こんなにもすれ違うものはあろうか。
私が満たされることと、あなたが満たされることはどこか違う。
でも、あなたがそこにいて、
私がここにいる。
それだけで、
ふたりが笑顔になれる。
それだけは、間違いないのだ。
満月の夜には湧いてこない虚無感を
ひとり窓辺にすわって、
悲しくも嬉しくもない表情であらわす。
この、光のない空に向かって。
愛とはなんだろう?
その答えが見つからなくても
朝はすぐにやってくるのだ。
ああ、人生は短いものね。
せめて物思いにふける時間だけでも、
もっとあったらいいのに。
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