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ちょっといいハナシ

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2021年6月の記事一覧

炭鉱町に住んだ人々 ~ リリー・フランキー著「東京タワー」より

扶桑社刊、リリー・フランキー著の「東京タワー」はお気に入りの一冊ですが、その中でも最も好きな部分は、著者炭鉱町に育った頃のエピソードなので、少し紹介したいと思います。それが、このテーマのイントロとしてふさわしいと思いますので・・・。 (↓映画「東京タワー」より。CGですが、ボタ山の角度が、いくらなんでも急すぎますね。これだと炭車を引き上げるのが無理ですし、作業上も危険すぎます・・・・) 福岡県・小倉に産まれた中川氏(リリー・フランキー)は家庭の事情により、4才の頃、母と共

哀しい目を忘れられない ~ 動物の遺棄は、途方もない巨悪で、人の心に深い遺恨を残す

昨日、2021年6月15日、長崎新聞に衝撃的な記事が掲載された。 ​「悪質だ」子猫4匹をごみ袋に遺棄 長崎の集積所で発見 里親探す 6/15(火) 10:31配信 ごみ袋から救出された4匹の子猫=長崎市江川町(R&G長崎の保健所の命を救う会提供)  ”長崎市江川町のごみステーションで13日朝、生まれて間もない子猫4匹がスーパーのレシートなどと一緒に市指定可燃物のごみ袋に入れられ、捨てられているのが見つかった。同市のボランティア団体「R&G長崎の保健所の命を救う会」(浦川

学校教育に決定的に欠けているものの一つ ⑤  学習者を主体とした教育へのアプローチと、そのシステム

教師時代のこと。不思議なもので、研修会のようなものに”招集”されると、とたんに受け身となる。 通常は一斉聴講という形となる為と、そもそもテーマ・内容が自分の興味と合致していない場合がほとんどなので、無理も無いのだが。 現在の「学校」も、「いかなければならない」というカラーが強いので、児童・生徒が小学一年生の時から、延々と受動的な学習者という立場を取るのも無理からぬことである。 2021年の現在でも「テストや入学試験があるから、やらなければならない」というけっして高くない

命の木

馬は、一日中草をかじっているという性質があるため、仕事先で切ってきたキンモクセイの幹を放牧地内に置いていた。 対州馬ひん太は、やはりその気が気にいって、結構ガリガリになるまでかじっていた。 「かじる」という行為が、馬の歯のためにも必要なのだろう。 元々、仕事先の家には犬がいて、その犬が遊ぶ庭にキンモクセイは立っていたのだが、その犬が急死してしまったらしい。 しばらくすると、その木にキジバトが巣を作り、ヒナをかえした。 依頼者の方は、ヒナが巣立ったのを機に、木の伐採を依頼

学校教育に決定的に欠けているものの一つ ④  トライ&エラー

この歳になってもまだまだ、未知の領域は途方も無く広く、初めて挑戦することは失敗だらけです。 ここで「トライ&エラー」が試されるわけですが、考えてみれば何らかの商売であっても人間関係でさえも、人生はこの「トライ&エラー」の連続ではないかと思うのです。 全てを学校教育のせいにするわけでは無いのですが、学校という場所はこの「トライ&エラー」が十分に学ぶ機会を提供していないと感じます。 エラーをすれば、エラーをした児童、生徒だけが分けられ、正解に至る公式を反復・復元するトレーニ

とっても九州なCM ~ 大分むぎ焼酎 二階堂

今、私は酒をまったく飲まないが、かつて寒い冬の夜、ちょっと飲んでいたのが「大分むぎ焼酎 二階堂」。 そして、二階堂のTV/CMは無意識的に自分の中ににじわじわと染みていたなぁ、と感じます。 九州各地がロケ地として使われ、コンセプトもひとりの中年男子?の心象風景を綴るというのが共感をよびます・・・。 考えてみれば、拙著「僕の子ども絵日記 ~ ながさきの四季」の中の取材記の中に出てくる自分のイラストは、この「二階堂」のCMに出てくる男性と何となく似ている気がします。 知らず