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たかが舞茸、されど舞茸。「雪国まいたけ」カット工程自動化開発の意義とは?

TechCrunchで「雪国まいたけ」を目にするとは。

AIと雪国まいたけという組み合わせがキャッチーだなと思いつつ記事を読んでみたら、とても意義深い取り組みで驚きました。

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2014年に東京・文京区で創業した株式会社ロビットは、ものづくりイノベーション・カンパニーとしてAI、ロボティクスなどの専門領域が強みのスタートアップだ。ソフトウェアに留まることなく、ハードとの連携を積極的に模索し、「ハードとソフトの融合」を目指している。

TechCrunchの記事によると、雪国まいたけは「独自技術によって天然同様の900gを超える大きなまいたけ株を生産」することが可能とのこと。それを直接「作業員がカットすることで、50gから500gまでの複数の商品ラインアップを販売」しているが、売れるパッケージングを行なうために、現在は相当数の人員確保が必要になっている。

コロナ禍で人手不足が課題になる中で、白羽の矢が立ったのがロビットによるカット工程自動化開発というわけだ。

確かに、きのこ(特に舞茸)って、もっさりしている。
それを1つ1つ商品ごとに丁寧に梱包するのは、なかなか骨の折れる&自動化しづらいものだよな……と、門外漢ながらイメージはできます。

人工的でないものに対して、AIアルゴリズムがどれくらい機能するのか。ロビットは研究開発を通じて、熟練したスタッフ以上の精度で実装を可能にした。

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与件がそれほど変動しない物事の場合、AI以前のシステム設計でもオートメーションを実現することは可能だった。ただ変数が何次にも積み重なるにつれ複雑度が高くなって。そこからディープラーニングを通じた機械学習が要請され、AIが次々と対処していっている流れだと認識している。 

舞茸の構造を立体的に理解した上で、雪国まいたけらしいパッケージの形に(しかもリアルなもので)処理するというのは相当大変なのではないかと僕は推測する。

たかが舞茸、されど舞茸。

しかも「きのこを加工する」という処理は、他プロジェクトにそのまま応用することはできない。カスタマイズ度が高く、スケールメリットを見出しづらいものでは?と思ったりもする。

だがこのようなソリューションこそ「×IT」の本領発揮であり、ITに馴染みのない人たちが「ITって便利で凄い」と実感するポイントになるのだと思う。

AIというとどうしても情報分野のことだと狭義の意味で捉えられがちだが、誰もが知る馴染みの商品にも良い影響を与えるわけで。こういった事例が、今後どんどん増えていくが楽しみである。

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