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「ドラゴン桜」第10話、仲間の輪を広げる

結局のところ、大学受験は「自分」との勝負だ。

「自分」をとことんまで追い込み、「自分」で様々なプレッシャーと対峙する。友人と協力して答案を埋めることはできない。「自分」で回答を埋めて、「自分」で他の受験生を蹴落とさないといけない。

だからドラゴン桜でも、桜木は一貫して個人主義を主張している。

「周りのことなんて気にするな」
「他の生徒のことよりも自分に集中しろ」

東大受験前日にも「受験当日は自分のことだけ考えろ。周りを気にせず自分に集中するんだ」と生徒たちに伝えている。

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だからこそ、桜木が「贈る言葉」として伝えた、最後の激励の内容には驚いた。

お前らいつか俺が言った言葉を憶えてるか?
クソみたいな人生を変えられるの自分しかいねえ。人は誰かを変えることはできねえ。俺はそう言った。

だがよく憶えておけ。
お前らが真っ直ぐな想いで突き進むとき、その姿は、他の誰かを動かす原動力になる。

自分を信じて真っ直ぐ突き進め。
そうすりゃいつかその姿は、人に勇気を与え、希望を与える。お前らの熱意、努力、思いやりは、周りの人間を突き動かす。そしてそれは巡り巡って、いつか社会を変えていくんだ。

人生を切り開け!常識を変えろ!

こっから先の未来を作っていくのは、国でも環境でもねえ。お前ら自身だ。お前らバカは、もうバカじゃねえ。お前らには仲間がいる。その輪を広げていけ。いいか。自分の信じる道を行け!

(TBSドラマ「ドラゴン桜(2021)」第10話より引用、太字は私)

【仲間を作り、その輪を広げていけ】

これまでのメッセージとは真逆に聞こえる。

まずは個人の努力と熱量、次に仲間を作る。その輪が広がっていくと社会が変わる」ということだと僕は解釈している。

その順番が入れ替わってはいけない。

個人の努力と熱量なしに、仲間を巻き込んでいくことはできない。むろん個人がたった一人で孤立しては、社会を変えていくのも不可能だ。何のアクションもせず「この法律はおかしい!」とくすぶっていても意味はない。

起点になるのは「自分」だ。

それは間違いないが、「自分」だけで走ろうとしても社会を生き抜くことはできない。仲間を作り、その輪を広げていくことで、たくさんの価値を生み出すことができるのだ。

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勉強の意味について。

「社会から搾取されないためには勉強をすべきだし、勉強は全ての人に平等に与えられた行為」「記憶力はごく一部の人間を除けば大差はない」と桜木は言う。

勉強以外の分野では、そうはいかない。

甲子園を目指すには持って生まれた身体能力が必要だし、藤井聡太さんのように将棋界で活躍するには天性の才能が欠かせない。

つまり、東大合格を本気で目指すこと(勉強に本気で取り組むこと)は、外部要因や自らの資質に左右されず、「自分」の努力と熱量を引き出しやすいものなのだ。

だから、何かに迷ったら、勉強に没頭するのも悪くない。

だが「自分」と向き合えるなら、勉強でなくても構わない。東大合格を目指さなくても良い。起点となる「自分」をブーストさせる何かが見つかりさえすれば。

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すみません、最終話から1週間以上経っての共有になってしまいました。

TVerでは視聴できなくなりましたが、Paraviではアーカイブ配信がされています。時間とお金に余裕がある方はぜひ!

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各回の振り返りnoteはこちら。(3話からです)


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