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ライブってそういえば『生きる』って意味だ。

8月16日、福岡PayPayドームにて。
Stray Kids 5-STAE Dome Tour 2023 に参戦してきました。
Snow Manのライブレポを書いたのがつい1ヵ月半前とは思えない。なんだこのスピード感。コーナーで差を付けろどころの話ではない、直線でぶっちぎってるレベルだ。日々の儚さを感じる…もっと大事に1日1日生きていこう。

決意を新たにしたところで、私が書くレポは己の感情メインでしか語れていないという点に留意していただきたい。要するに心構えとして読む詳細レポなんてものは書けないので、そういうものを読みたいのなら他の人のものを読んだ方がよろしいと思うのです。

といってももう2週間経とうとしているので(何ならバンテリンドーム公演の方が近い?そうでもない?)、とれたてピチピチな感想はお届けできない訳です。それでもなんかしら書き連ねときたいので、頑張って当時の感慨を絞り出し、濃縮ジュースにして煮凝らせておきたいと思います。つまり文字数は少なく内容濃い目に書いていくよ!


とりあえずバタバタしていたドーム道中

台風の残り香漂う銀時計前

名古屋のれっきとしたジモティである私は、友人(福岡初日を当てた大恩人。尚彼女が私の身近に現れた最初の"STAY"である。)におんぶにだっこの状態で福岡へ向かった。
選択した行程は陸路。台風7号が猛威を振るいつつノロノロ鈍行で日本を横断していた時は戦々恐々としていたが、日本海側に抜けてしまえば天気予報も覆る晴れ模様。のんびりした心持ちで新幹線に乗ったのです。
珍道中は、新神戸を過ぎたあたりから発生します。珍道中って途中発生するものだっけか。知らんわ。兎も角、岡山に着いたはいいもののそこからちっとも進まない
やっと進んだと思ったら、次に停まるのは新倉敷とか言いなさる。

異様に広島が遠い。

実は私らはラッキーな方で、関東から西へ向かう方々、西から関東へ向かう方々はもっとえげつない遅延の被害に見舞われていました。台風の残り香、線状降水帯のせいですね。残り香なのかはわかんないですけど。

そんなこんなで途中、新下関に降ろされて別の新幹線乗れ!などと言われつつ、2時間以上の遅れで博多に着いた我々です。思ったより開演まで時間がない、と思う反面、この程度の遅れで良かったあ…と胸を撫で下ろしてました。
ちなみに新幹線内の待機時間(と書いて虚無タイムと読む)でいちばん鮮明に覚えているのは、岡山駅前にシャトレーゼができたのでぜひお土産に、という電子広告を読んで、岡山くんだりまで来てシャトレーゼかい!とツッコんだことですね。シャトレーゼ貴族の発想でした。

電波との闘い~バトル~

友人(私が初めて見たSTAY)は野球観戦でドームに訪れたことが何回かある猛者です。バフ強すぎてデバフ(遅延)かかったかな?と思うくらいには、地の利があったのが幸いしました。
チェックインをし、参戦グッズを持ち博多駅に舞い戻ってバスを待ち、臨時バスが混み過ぎなため普通のバスに揺られること三十分ほど、気付けばドームの目の前でした。
流石に公演会場を目の前にするとテンション爆上がりますね!
ころっせおみたい!とはしゃぎ散らかしていた私。母にドーム写真を送ると『ころっせおみたい!』と返信がありました、血はまったく争えない、むしろ和平。

ここからは開演前の所感を箇条書きで述べていきます。

  1. やることが多い → 物販(グッズ、CD、ファンクラブくじ)など回りたいブースが多すぎて目が回る。死ぬかと思った。

  2. 服装がわりとばらっばら → ジャニーズのライブに初めて行った時とは逆の感想でした。ジャニーズは「似たような服の人が多い…」と慄いていたのです。コスプレっぽい人がいたのもテンション上がりましたね!

  3. 名古屋よりは暑くない → 名古屋よりも南にあるのに!緯度低いのに!

とまあこんな感じです。
そして表題のバトルは箇条書き①の物販で起こりました。
CD列に並んでいる最中、QRコードを読み取り空メールを飛ばして予約画面にいってね!という方式でCDを購入するのですが、QRコードを読み込んでからまったく進まない。ここでも遅延かよ。
流石に画面真っ白は笑えない。前に進んでくださいというスタッフさんの言葉に反応できず、にっちもさっちも動かない画面のまま生垣に座り込みました。そこで私は気付きました、右も左も似たような状態の人ばかりだと──ここ、docomoの電波弱いんだ!と。
電波が弱いと何が起こるか、そう最悪の場合チケットの表示ができないんです!CDなんか買えなくてもしょうがないで済みますけどね、ライブに入れないは生涯に残るドデカ後悔ですよ⁉
やっべーと思いました。端的にやっべーでした。友人(CDをさっさと買って物販に行った。)との再会すら危ぶまれてます。でもさっきLINEの通知入ってたし、……ああ、弱いところと普通のところがあるんだ。

結局何とかなりました。

普通に使えるところを酔っ払いの如くうろつき探し、見つけたポイントで予約画面まで行ってその状態で列に突っ込むというアメフト式購入方法でなんとかCD(というかトレカですね)をゲットした私。
そして件のポイントまで戻り、友人(マジで心配してくれていた。ごめん。)と再会しファンクラブくじを引いて何とか一時離脱できました。

こういうハプニングが起こると、一気に最悪の状況まで脳内連続再生もとい一挙放送されるのが私の悪い癖!
友人(トレカ交換の助けもしてくれた。神。)の協力もあり、チケット表示もクリアして何とか中に入ってこれました。さてあとは開演を待つのみです。


彼らも生きている

驚きに次ぐ驚きの3時間弱

※ネタバレ含みます。注意。※
開演前に流れてきた曲からまずビビってました。Questionじゃないだと…。
そこからの新アンセム、バリかっこいい。ペンミで事前に聴いてましたけど、生で聴くと周りの人の体温が上昇した感覚、歓声、アンセム自体の音圧でとんでもない勢いでテンションが上がっていくのが分かるんですよ。
かっこいいアンセム』が『ライブの始まりを知らせる、盛り上がらせるための一曲目』っていう風に付加価値をつけて会場中に熱狂を伝播させていく。この時点で超楽しい、やばい。

そこから始まるOPムービー。そして1曲目。
正直セトリ予想とかなーんもあてにならんかったですわ!
そもそも、日本アルバム収録曲は何曲かやるだろ、5‐STARなんだから本国アルバムからも何曲かはやるだろ、……あとは?って感じだったんで、予想も何もなかったんですけどね。個人的にはCHILLとマイペ、Hall of Fameが聴けただけで我が生涯に一片の──まあ死ぬまでにヘレベは聴きたいかな…って感じでした。

あとびっくりしたのが、ソロ!
個人活動期も想定したのかなと少ししんみりしつつ、どの曲も本人のやりたいこと/STAYが見たいもの、の良いバランスでパフォーマンスを披露していたと思います。最初、8人中6人が新曲ってことに気付かず「まだまだ勉強不足だな~」とか思ってたら普通に新曲で度肝を抜かされました。(実妹曰く「アイドルマスターSideMのライブでもよくある」とのことです。よくあっていいのか…?)

フロートに関しては近すぎて、近…以外の感想が消え失せました。直線距離で10m離れてたか?ってくらい近くて、"""実在"""を死ぬほど感じました。美術の副読本に載ってる美術品を直で見た感覚とほぼ一緒。個人差はあります。すごーいかっこいー!じゃなくて、本物だああああ!って感じ。わかるかな、わかんないよね、私もわかってません。

突き動かされるもの

体感10秒かそこら。
めくるめくセットリスト、惹きつけるパフォーマンス構成、ムービーもひとつひとつ強烈なこだわりを感じさせ、MCが入れば2月のアンコンよりもっと流暢な日本語でSTAYを盛り上げる──すっごい人たちなんだなあ、と思いました。陳腐というか、簡単な言葉で申し訳ないけど、すごい人たちだと。

ちょっと真面目な話をします。
アイドルのライブを観に行ったのは7月が初めてなんですけど、それ以前にも色々なライブを観に行っています。どんなジャンルでもステージに立つのはプロフェッショナルで、プロフェッショナルとして誠心誠意パフォーマンスを披露していたと思います。

だけどもStray Kidsは何かが違う気がします。
単純に私がK-POPという文化・界隈に疎いだけかも知れません。日本のエンターテイメントしか見てこなかったので、土台にある『在り方』からして異なる彼らに違うものを感じるのは当然と言ってもいいくらいです。曲も洋楽チックで、と言われますが洋楽だってほとんどまともに聴いたことがないので音楽の在り様にも良い意味で違和感を覚えているのかなとも。

ひとつ思うのは、Stray Kidsと出会ってから現実をよりクリアに見ることができている、ということです。

アイドルというものは夢を見せる存在です。
だからこそ恋愛沙汰で強烈なバッシングを受け、社会的な言動で揶揄をされ、一挙手一投足をファンに向けた博愛に染めなければいけない。そんな職業だと思います。正直、滅茶苦茶しんどいと思います。

私がアイドルという職業が好きだけれど、アイドルだけを最推しに置きたくない理由はそこら辺が原因です。
別に私のことなんて微塵も知らないし、呟く感想だって見られていないに決まっているけれど、どういう感情であっても『大きな感情』というそれを向けられるだけで苦しんでしまうことは往々にしてある、生身の人間ならば。常々そう思って生きています。それは職業アイドルの人間でも変わらないと思っているのです。

Stray KidsだけではなくK-POPアイドルは非常に、彼女ら彼らの私生活に近いところまで私たちにさらけ出してくれます。日本のアイドルより私生活に踏み込まれやすいリスクはありますが、だからこその没入感はあるし、強く感情移入してしまう部分は当然あります。
そのおかげなんですかね。自分と同じ人間だと思う(当たり前の話ですが、生物的な話です。)ことで、良い意味でメリハリがつけられるようになりました。

"あれだけ汗をかいてるんだ、ダンスも激しいし歌もいつも以上に頑張ってくれている、このあとのスケジュールも詰まっているのに日本ツアーを敢行してくれて本当にありがたい。"

──そんな感想が、ライブ終わりに普通に出るようになりました。
ライブに盛り上がっていた自分と、シームレスで。

良いことなのかなあ、正直微妙ですけど。
でもなんていうか、今までのハマり方とは違うんですよね。もっと近しい人に尊敬の念を抱いているのと似た心の動き方をしているというか、同じ職場で部署が違うシゴデキ人間を遠目で見ているというか…どんどんわからんくなってるな。

毎日ライブなら楽しいけど、ちゃんと仕事しないといけないし、でも仕事をすればお給料でまたライブに行けるし──そんな当たり前の経済の循環機構に自分がいて、そしてスキズも同じように循環機構の中にいる。
国籍も年齢も立場も異なるけど、同じ人間として共に生きていると感じられるのは、社会に身を置いているからこそなのだと。個人の感想ですけど。

やっぱりライブ終わったあとに考えることって変わらないんですよ。
生きることって働くことだなと。
あと新しいことしたいなあって思いますね。


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