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デザイナーからエンジニア、そしてマネージャーへ - キャリアの中で考えたこと

この記事は、株式会社マネーフォワード 福岡開発拠点 が主催している Money Forward Fukuoka Advent Calendar 2024 の 12/19 の投稿です。 前回の投稿は こばやし さんによる 「悩みまくっている2024」 でした。

こんにちは、Pay事業本部のナカザトです。「マネーフォワード Pay for Business」というサービスを中心に開発しています。

久しぶりに記事を書くのですが、その間に私はフロントエンドエンジニアから、エンジニアリングマネージャーにチェンジしていました。開発部の副部長という肩書きもありまして、たまに混乱します。

今回は、新米エンジニアリングマネージャーとなったいま、私のこれまでのキャリアを通して、考えたことや気づいたことについて書いていきたいと思います。デザイナースタートでエンジニアリングマネージャーになった人はなかなかマイナーだと思うので、なんらかの話のネタになれば幸いです。

私のキャリア変遷

私のキャリアについて少し整理しますと、まず新卒から7年ほど複数企業でデザイナーを経験したのち、株式会社マネーフォワードにフロントエンドエンジニアとして入社。そこから3年間エンジニアとして開発・運用業務を行い、約半年前にエンジニアリングマネージャーとなりました。

せっかくデザイナーからジョブチェンジをしたのだから、スペシャリストのエンジニアとしての選択肢もあったのだろうとも思います。もっとコード書きたかったんだろうお前、ということもたまに思います。ただ、自分の特性と組織のタイミングが合致して、マネジメントの方向に進むことを決めました。

とはいえ、なにが自分をマネージャーたらしめたのか?ということについて考えることがあります。機会があったということはもっとも大きなファクターですが、適性とモチベーションがなければ、その期待に応えることができません。それらについて、デザイナーであった背景を踏まえながら自分の考えを書いてみたいと思います。

どんな適性があったのか?

デザイナーからフロントエンドエンジニアへとキャリアが移行した時に、それまでのデザイナー経験の多くを活かせるなと感じました。アプリケーションの設計・開発という面で職務領域が近かったこともありますが、それに限らない分野でも、そしてエンジニアリングマネージャーになった現在でもその経験に助けられており、私の強みとなっています。とりわけこの記事では、「考える力」「伝える力」「進める力」という3つのキーワードを扱いたいと思います。

1. 考える力

なにが問題・原理なのか?と本質を捉えていくことは、とりわけUXリサーチなどの調査を通して、デザイナー時代に培ったことのひとつです。
これは開発だけでなく、組織の問題解決のアプローチとしても有効です。例えば、なにかチームや個人がうまくいかなかった時に、表層や個人の責任ではなく、根本的な原因を追求するスタンスと、その問題への論理的なアプローチは、どんな役割であっても役に立ちます。

2. 伝える力

情報をうまく設計すること、そしてそれを適切に表現することは、デザイン業務全般で求められることです。
これらもまた、さまざまな分野で役立つことですが、とりわけマネジメント領域としては、チームとメンバーの適切な目標値を設定してパフォーマンスを引き出したり、複雑な状況を可視化することでステークホルダーの現状理解を促進したり、厳しいフィードバックをしなければならない時にも相手に寄り添ったりなど、チームに貢献するための手段を豊富に持つことができる利点があります。

3. 進める力

デザイナーは、さまざまなステークホルダーや制限などの条件のもと、プロジェクトのハブとして立ち回らなければなりません。大規模小規模自社受託、さまざまなプロジェクトに取り組んだ経験が、マネージャーとしてのファシリテーション力・実行力、いわゆる「進める力」に繋がっています。
よいサービスはよいチームから生まれる、これは原則だと思っています。なのでプロジェクトの推進力として、よいバイブスであり続けることは前提条件であり、特にその空気の醸成には特に気を遣っています。メンバー同士が建設的な関わり方ができるようにするのもマネージャーの役目だと考えています。また、プロジェクトの勢いを出すためには、課題やアウトプットのスコープを小さくしたり、リフレーミングしたりすることで、1歩でも何か前進できたような手触りを感じてもらうことも重要で、これもある種の業務プロセスのデザインと言えるかもしれません。

どんなモチベーションがあったのか?

言い換えれば、なぜエンジニアリングマネージャーになりたかったのかということになります。振り返ってみると、最も大きな理由としては、開発を含めた組織のさまざまな課題を解決し、よいサービスを作っていきたいと思ったからに終着します。
エンジニアの業務は、開発以外にも多くの要素から成り立っていますし、開発組織を維持・拡大させていくことも運営上必要です。それらに関連する業務は多様かつ複雑で、正解がありません。だからこそ、デザインという広範囲な解決手段に出会った私は、周りの人よりもうまく解決することができるのでは、と思いました。根拠のない自身のようなものですが、チャレンジできるかも、と感じたのです。
プレイングから離れる不安ももちろんありましたが、マネジメントという新しい手段と役割であった方がうまくいくなら、そしてその分、仲間たちが開発に専念できることでチームとしてよいサービスを作ることができるなら、自分のやりたいことが実現できるのではと思った、というところも背中を押してくれました。

今後どうなりたいのか?

エンジニアリングマネージャーという役割であることについて、不安だったり失敗だったりというものは、もちろん日々キリがないのですが、同時に表現できないおもしろさとやりがいを感じています。
なんというか、もともと綺麗な仕組みを作ることと、それが人や社会のためになることが好き&憧れで、このITという業界に飛び込んだのですが、デザイン→エンジニアリング→マネジメントと手段は変われど、やっていることと目指していることはそんなに変わらないという気づきがありました。まだまだできないところもたくさんありますが、今後数年かけて、より強いエンジニアリングマネージャーを目指して、日々努力していきたいと思っています。

終わりに

自分の役割を変えることについて、最初は不安だったとしても、これまでの経験がきっと掛け算のようにはたらいて、自分を救ってくれたり、視野を広げてくれたりするはずです。凹むときは凹むし、うまくいく時はうまくいきます。異業種・異職種へとチャレンジしたり、もしくはプレイヤーからマネージャーへの転換にチャレンジしたりと、大きな決断をする人たちにとってこの記事が参考になればいいなと思います。

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