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【サブカル】ラヴクラフトとクトゥルフ神話

こんにちはマスター、蓬莱です。

今回は、クトゥルフ神話で有名な作家、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトのお話です。

クトゥルフ神話は彼の小説の代表作の一つ「クトゥルフの呼び声」から名付けられた、ラヴクラフトと彼に賛同した作家たちによって作られた、創作作品による架空の神話体系を指します。

しかし、「クトゥルフの呼び声」を書き上げたラヴクラフトはその神話体系を殆ど知らない可能性があり、ひょっとしたら彼は「クトゥルフ神話」という言葉すら知らないまま亡くなっているかもしれないのです。

一般的にクトゥルフ神話の作者として有名な作家、ハワード・フィリップス・ラヴクラフト

ハワード・フィリップス・ラヴクラフトは、1890年の8月20日にアメリカ合衆国の北東に位置する小さな州、ロードアイランド州プロヴィデンスに生まれました。

彼の父は彼が3歳の時に神経症を患い、その5年後に精神病院で衰弱死しています。その際に身体が自分の意志に反して動く舞踏病や、一部の麻痺が見られ、ハワード自身にも父と同様の症状が出ていたそうです。

幼少のラヴクラフト。英国風の子供向けのドレスを着ているため幼女にしか見えないがラヴクラフトの母親が「女の子が欲しかった」と発言をしているため、女装させていたとも言われている。

彼は後に祖父の家に引き取られ、そこで物語や古い書物に触れて幼少期を過ごし、6歳の頃にはギリシア神話の影響を受けた物語を書くようになり、キリスト教以外の神々に興味を抱き、また、度々怪物にさらわれる悪夢に悩まされるようになりました。8歳のときには科学に興味を持ち、化学と天文学に惹かれたようです。

16歳の時には新聞に天文学の記事を投稿し、大学進学の勉強にも励んでいましたが、神経症が悪化、祖父の事業も振るわなくなり、高校を中退、まるで隠者の様に人を避けて暮らしていました。

神経症が良くなったのは30歳の頃で、アマチュア文芸家の交流組織の参加をきっかけに、創作を再開し、1916年から短編小説を発表し始めます。

同時にアマチュア作家の作品の添削を行い、そして1919年に最初のクトゥルフ神話と呼ばれている「ダゴン」を完成させ、1920年に「ニャルラトホテプ」及び「這い寄る混沌」、「無名都市」を発表し、今日のクトゥルフ神話の土台になる作品群を構築し始めました。

また、彼は手紙を盛んに出す手紙魔でもあり、様々なアイディアや著述方法を提案し、友人に沢山の影響を与えたそうです。

その後、1924年に彼はソニア・グリーンと結婚するも、1933年には離婚。そして、1937年3月15日に癌によって46歳でこの世を去っています。

ラヴクラフトの構築した恐怖の世界は、彼が学んだ神話と、科学、そして、彼が嫌悪していた海洋生物の影響を色濃く受けており、地球の外には人類の価値など微塵も顧みない巨大な存在があり、また海底深くにもその様な存在が眠っていて、いつ人類の滅びが来るのか判らないし、いつでも滅びが起こり得るというものでした。

難解でもあり、また想像の余地が大きく、深海や宇宙からくる人知を超えた存在やその影響を描いており、ラヴクラフト自身が、その世界観を「宇宙的恐怖・コズミック・ホラー」と名付けています。

ところが、彼が生きている間に出版された単行本は1936年の「インスマウスの影」、たった一作のみでした。

そこで彼の死後、その作品群を放っておくのはもったいないと、彼の手紙友達だったオーガスト・ダーレスとドナルド・ウォンドレイが発起人となり、彼の作品を出版するという目的で、アーカムハウス出版社を創立したのです。

ラヴクラフトの友人オーガスト・ダーレス(左)とドナルド・ウォンドレイ(右)

そして、彼の世界観を踏まえた上で、彼の手紙友達や、添削で世話になった作家がそこに作品を寄稿するようになったのです。やがて、そういった宇宙や異世界や深海に棲む人知を超えた存在は体系化され、クトゥルー神話体系とされました。

ラヴクラフトの作品、及びその作品世界をベースにした他の作家たちのオムニバスの本はゆっくりと確実に売れ始め。また、ダーレス自身も作家として成功していった為にアーカムハウス出版社は細々とでありながら経営を続けることが出来ました。

そして、ダーレスの死後も彼の子のエイプリルとウォルデンによってアーカムハウス出版は引き継がれ、SFブーム、ファンタジーブーム、ロールプレイングゲームのブームによって、クトゥルフ神話は世界中に段階的に広まって行ったのです。

今ではハワード・フィリップス・ラヴクラフトを美少女化したファンタジー小説が、史上最年少で学研の主催するクトゥルフ神話賞を獲得した日本の作家、黒・史郎さんによって発表されており、そのタイトルは「未完少女ラヴクラフト」。クトゥルー神話を上手く組み込んだ、本格的なファンタジー小説だと評判のようです。

でも、まさか、当のラヴクラフト自身は、自分の作品が沢山の作家の寄稿によって膨らんだ末に、神話になり、体系化され、ゲームになり、映画になり、コミックになり、更には彼自身が美少女化されるなんて想像もしていなかったでしょうね。

未完少女ラヴクラフト - 黒 史郎(著)

今回はブログ:ウィキペディアの「ハワード・フィリップス・ラヴクラフト」「クトゥルー神話」「オーガスト・ダーレス」「アーカムハウス」「黒史郎」などの項目からお話しました。

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それではまた、らいら〜い🖐

蓬莱軒【水曜20時 不思議・科学・都市伝説】
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