豆富と一緒に飲むビール!?HOPPIN’ GARAGEビール第15弾、あくやんさんの『晴れときどき豆富』乾杯レポート
**この記事は、2019年12月に実施したイベントレポートの、note転載記事となります**
こんにちは!キッチハイク編集部のRenです。
2018年10月に始まった『HOPPIN’ GARAGE』。
「こんなビール、あったらいいな」という熱い想いを持った人が、つくりたいビールをサイト上で応募して、HOPPIN’ GARAGE事務局の審査の上で選ばれた人がサッポロビールのブリュワー(醸造責任者)と一緒にオリジナルビールを製造するという、ビール好きにはたまらないプロジェクトです。
12月12日は「とーふの日」!豆富好き大集合
今回のお披露目Pop-Upが開催されたのは、12月12日。読み方的には「とーふの日」!お披露目会場には様々な種類の豆富や、豆富を使った料理が盛りだくさん!あくやんさんをはじめとした豆富好きたちが、会場に集いました。
「あくやんと申します。普段はデザイナーをメインにフリーランスをしていて、趣味で豆腐マイスターとして活動しています。大好きなお豆富に合うビールが作りたいと思って、応募したところ、ホッピンガレージで選んでいただいたので、今回オリジナルビールを作りました。」(あくやんさん)
「今回は、会場にお豆富屋と大豆問屋の方にも来て頂いています。私が普段一緒に活動をしている、三善豆腐工房のオーナーの平田慎吾さんと、株式会社丸金の代表の金原慶幸さんです。」(あくやんさん)
「三善豆腐工房の平田と申します。あくやんには、いつも豆富のイベントを手伝ってもらっているので、今日は応援に駆けつけました。私は普段、手作りの豆富を作っています。皆さん、手作りの豆富って食べたことありますか?かつては豆富屋さんは全国に5万軒あったんですが、イメージでいうとコンビニが6万軒ほどなので、コンビニと同じ様な感じだったんですね。ですが、今は豆富屋は全国にたった5千軒だけ。年間500軒ずつ店が減っています。そんな中で、その流れに抗いながら、手作り豆富を作っています。今日は豆富作りを皆さんに実際に披露して、食べて頂くので、一緒に皆さんと楽しめたらと思っています。」(三善豆腐工房 平田さん)
「皆さんはじめまして。私は、墨田区で大豆問屋をやっている丸金の金原です。あくやんとは豆腐マイスターの同期で、よく一緒に豆富のイベントを開催したりしています。平田さんの豆富をイベントで使うのですが、本当に平田さんの手作り豆富は美味しいんです。豆富屋が毎年500軒ずつなくなるというのは、大豆問屋としてはかなり厳しくて、大豆の売り先がなくなるということなんです。もっと大豆の価値や魅力を届けて、豆富を作る人を増やしたり、自分でも豆富を作ったりして色んなことに取り組んでいます。今回は干し大豆の原料を4種類持ってきました。大豆の食べ比べは皆さんやったことがないと思うので、その味の違いを今日は楽しんでもらえればと思います。」(株式会社丸金 金原さん)
豆富に合うビールが飲みたい!
「ホッピーン!」(あくやんさん)
「ガレージ!」(全員)
あくやんさんの掛け声で、全員で乾杯!いよいよ『晴れときどき豆富』をごくり。
大豆の風味がしっかり残っていて、香ばしい!大豆らしい味わいなのに、ビールの苦みと旨みも活きていて、絶妙なハーモニー!『晴れときどき豆富』を片手に、会場は大盛り上がり。まずは、今回の企画者のあくやんさんに初めて飲んだ感想を伺いました。
「やっと初めて飲んだんですけど、すごくおいしくて嬉しいです。私は豆腐マイスターで、ただの豆富好きで。お豆富に合わせて飲むお酒って、日本酒とかが多くなりがちなんです。大好きな豆富を、大好きなビールで楽しめたら…そんな思いで作りました。」(あくやんさん)
「もともと豆富に合うビールを作りたいと思っていたわけではなくて、きっかけとなったのはHOPPIN’ GARAGEのオリジナルビールのアイデア募集です。実は私、両親がサッポロビールの社内恋愛で…(笑)いつか、サッポロビールと何ができたらと、昔から虎視眈々と狙っていました。企画を見つけて、そこでせっかくなら豆富に合うビールが作れたらという想いをまとめて送りました。サッポロービルさんに作りたい想いを伝えるためにイラストも描きました。私はビールが大好きで、豆富が大好き。なのに一緒に食べて飲むことはない。日本酒はあるのに、と。それが悔しいなと、ビール党として思ったんです。」(あくやんさん)
「意外と知らない人もいらっしゃるんですが、大豆はもともと枝豆です、枝豆とビールはよく合わせますよね。枝豆はもちろんビールと合うし、ということは同じ植物の大豆も豆富とも合うはず!ということで、豆富に合うビールをテーマに、大豆を使って作りました。液色にもこだわりがあって、赤味がかった色で絶対に透明が良いと。自分のイメージするビールが、どうしても透明が良くて、サッポロビールさんとの打ち合わせの時にブリュワーさんにお願いしました。なので、ビールの素材として使う豆乳は最初の方に入れて、他の素材と一緒に発酵してからろ過し、きれいな色のビールができあがりました。大豆の味と香りを、両方楽しめるビールです。」(あくやんさん)
続いて、平田さんと金原さんにも感想を頂きました。
「すごく味があって、尚且つ後味が良いですね!」(三善豆腐工房 平田さん)
「普通に、美味しいビールを飲んだなって感じです。売ってたら普通に飲みたいくらい、美味しいと思いました。」(株式会社丸金 金原さん)
参加者の皆さんからも、次々と「美味しい!」の声が!
さらには!ビールの醸造を担当したサッポロビールのブリュワーの成瀬さんから、会場にビデオメッセージが届きました。
「ブリュワーの成瀬です。HOPPIN’ GARAGEが始まってから、様々なビールをこれまで醸造してきて、ぶっ飛んだものから色々作ってきました。今回は豆富マイスターのあくやんさん、豆富だけでなく大豆の知識がすごくて驚きました。サッポロビールの焼津工場で打合せをした際に、あくやんさんが数種類の大豆を持ってきてくださって。食べ比べをして、その違いと種類の豊富さに驚きました。今回のビールは、飲みごたえのあるラガータイプです。材料として、大豆やきなこ(炒り大豆)を使用しています。濃厚なコクと香ばしい香りがありつつ、キレの良い味わいとなりました。液色も醤油を連想するような色で、まさに豆富のためにあるようなビールに仕上がりました。ビールと豆富のマリアージュを楽しんで、あくやんさんの豆富への深い愛情を感じてください。」(サッポロビール 成瀬さん)
あくやんさんのこだわりは、ビールの中身だけに留まりません。デザイナーと頭を抱えて考えに考え抜いたというビールのラベルは、大豆から精進料理を連想し、お坊さんというモチーフを採用するに至ったのだとか。そしてそんなお坊さんが豆腐にあわせて禁止されているビールを飲みたくなるほどおいしいビールになるように、豆富が空から降ってきて、お坊さんが驚いている様な絵柄にしたそうです。ビールの名前は、「今日はビール日和だなぁ」と思うくらいのいい天気に、ビールに加えて豆腐を楽しんでもらえたらという想いから『晴れときどき豆富』を採用したのだとか。
「普段から大豆や豆富を食べているお坊さんが飲んでも、美味しいと思うような、そんなビールに仕上がってほしいという期待を込めて、このデザインにしました。」(あくやんさん)
味わうほど奥が深い!豆富の世界
今回は豆富に合うビールのお披露目Pop-Upということで、会場ではキッチハイクの人気COOKである金井姉妹さんが、お豆富に合う料理をたっぷりご用意してくださいました。
「姉妹でナチュラル食堂という名前で、ケータリング活動をしています。今回は全てお豆富に合う料理ということで考えました。おからをビーツで着色したピンク色のサラダ、平田さんのお豆富を使った肉豆富、ケジャンスパイスを使った海老マヨナッツがのったいなり寿司。それから、サッポロビールに漬け込んだフィッシュアンドチップス、お野菜のマリネ、木綿豆腐です。豆腐に合わせる白い味噌が柚味噌で、大豆を使っています。ビールのおつまみとして、お豆富に合うお料理もぜひ楽しんでください!」(COOK 金井姉妹さん)
会場には色とりどりの料理の他に、大豆と豆富の食べ比べコーナーも!お店では手に入れるのが難しい貴重な大豆や、初めて聞くバジル豆富などなど。豆富の世界は奥が深い!豆富の魅力を存分に楽しめるお料理に舌鼓を打ち、様々な味わいの大豆と豆富を食べ比べながら、ビールを片手に会場は大盛り上がり。
そして、いよいよ!三善豆腐工房の平田さんによる、手作り豆富ショーが始まりました。
「豆乳をあっためて、にがりを加えて、そのまま出来立ての豆富を作ります。手作りの豆富には、このにがりと、豆乳が必要になります。豆乳はいわば大豆の生ジュースで、薄いものだと豆富にはなりません、今回はとても濃いものを持ってきました。」(三善豆腐工房 平田さん)
「豆乳を混ぜて温めながら、そこににがりを加えます。もっとも緊張する瞬間です。にがりと豆乳が反応するのはすごく早くて一瞬です。なので、かき混ぜ方で、反応を調整して、柔らかくしたり硬くしたりします。豆乳の温度は70~80度、今日は温度計がないので、勘でやってます(笑)」(三善豆腐工房 平田さん)
豆乳は純粋な豆乳で、濃度が濃いものでないと豆富にはならないのだとか。混ぜすぎても美味しくなくなるそうで、その繊細なかき混ぜる工程に思わず見入ってしまいます。
にがりと豆乳が混ぜてから数分後、いよいよ完成の時が!ちゃんと豆富になっているのか、ドキドキしながら開けてみると…豆富が出来上がっていました!!
会場には大きな歓声が。
「ぜひ皆さん、召し上がってください。」(三善豆腐工房 平田さん)
まずは、あくやんさんが一口味見。
「めっちゃ美味しいです!!!」(あくやんさん)
あくやんさん、思わず笑みがこぼれます。あくやんさんに続いて、参加者の皆さんも一口。うん、なめらか!まるでクリームの様になめらかで、甘みがあって、普段の豆富とはまるで違います。今までの豆富の概念が覆るくらい、できたて豆富って、美味しい!!
美味しい豆富を食べてほしい。応援してほしい
楽しい時間もあっという間、Pop-Upも終わりの時間が近づいてきました。
「豆富って好きな方は多いんです。けど、いつも食べるのはスーパーやコンビニのものになってしまうという話もよく聞きます。お豆富屋さんで売っている豆富と食べ比べすると、全然味わいが違うのにそのよさがなかなか伝わる機会が少ないんですよね。お豆富屋さんが減ると、美味しいお豆富が減る。そうすると美味しい大豆も減ってしまいます。皆さんのお家の近くのお豆富屋さんを探して、応援してくれると嬉しいです。」(あくやんさん)
最後に、あくやんさんから本日のPop-Upの感想を頂きました。
「春頃に応募して、夏頃に打ち合わせがあって、今回いよいよこうして形になって幸せです。味はしっかりしてるけど飲みやすい、私好みの味になってすごく嬉しいです。皆さんはおいしかったですか?今日は皆さんに、美味しいビールとお豆富と料理を楽しんで頂ければと思っていたので、満足頂けたなら何よりです。その他でも機会があれば、またぜひよろしくお願いします。」(あくやんさん)
たくさん飲んで、たくさん食べて、豆富の魅力にどっぷりと浸かった参加者の皆さん。最後にもう一度、ホッピンガレージ恒例の掛け声をあくやんさんの合図で行います。
「ホッピーン!」(あくやんさん)
「ガレージ!」(全員)
HOPPIN’ GARAGEのオリジナルビールは、これからもアイデアを募集しています!皆さんもぜひ、あくやんさんの様に自分の想いをぶつけてくださいね!