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どこで暮らすか。理由なんて一つでいい。

こんにちは。ちほです。

朝はどんよりなお天気でぱらぱら雨も降っていたけれど
すっかり晴れて、気持ちのいい陽気になりました。

春ですね。

北海道に住んでいた頃は
「立春」なんて嘘だろと思っていましたが
いやあ。立春ですね。

阿武町にも、春がきました。



今日は、北海道に生まれ育ったわたしが東京で5年を過ごして
そしてこの町に移住してきたその理由について残していきたいと思います。

「なんで阿武町に来たんですか?」
「阿武町にした決め手はなんだったんですか?」

この町に来てから、これはものすごい回数聞かれました。
ずっとうまく答えられなかったんですが、やっと最近その答えみたいなものに言葉が追いついてくれたので、せっかくだから残してみようと思います。

これから移住する人、移住に興味がある人なんかに少し届いたら嬉しいです。

阿武町との出逢い

そもそも、わたしと夫りゅうさんは「暮らしを中心にした生活をしたい」と
その拠点を探していました。
そのときりゅうさんが参加したイベントが「移住ドラフト会議」。

簡単に言うと
移住したい人と、移住してほしい地域のマッチングイベントのようなものです。野球のドラフト会議に見立てた楽しいイベントでした。

そこに、阿武町がその移住してほしい地域として出ていて
初めて阿武町を知りました。

その出会いで阿武町へ足を運んだタイミングで
今の「えのん」と出逢います。

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もちろん、
萩まで車で20分で、観光地へのアクセスがいいことや
その萩にはとても頼れる、そして心の許せる存在がすでにいたこと

そこから海沿いを走って阿武町に来ると、
萩とはまた違った、優しく流れる時間や空気
すれ違う時に当たり前の様に挨拶を交わし合う町の人
日によって顔色の変わる美しい海、見たことのない狭くてわくわくする路地

そんな全てが重なってわたしたちの移住への背中を押したことは間違いなかったのですが

何よりこの「えのん」の物件の
ちょうどいい大きさのお庭に出入りできる憧れの縁側
玄関の堂々として、でも偉そうでない門構え
この家を抜ける気持ちのいい風

「ここでなら、わたしたちが目指す暮らしができるかもしれない」

二人でそう感じていたあの日の直感は間違っていなかったみたいです。

暮らしの箱となる「家」というもの

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みなさんにとって、「家」ってどんな存在ですか?

寝るところ
それだけの存在となっている人もいるかもしれませんね。

わたしは、今
家という存在を「暮らしを囲う場所」だと思っています。

暮らしを囲うなんて、わたしも今初めて言いましたが
安心を守る場所であり
寝食を担う場所であり
何があっても帰ることのできる場所
なのかなと思っています。

その「家」は、やっぱり居心地のいい存在であるに越したことはないと思うのです。

わたしが春に修行させてもらった「マスヤゲストハウス」はまさに
宿なのに家みたいな場所で
1泊でも何泊でも
その人の暮らしそのものを守ってくれる優しい存在でした。

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「お帰りなさい」「おはよう」「おやすみ」「行ってらっしゃい」。

初対面の人ともそんな挨拶を交わす
自分の日常と、少しいつもとは違った日常をつなぐその不思議な空間に魅了されながら

わたしもいつかこんな風に自分の暮らしを共有できる場を作れたらな、
と思うようになっていたのかもしれません。


「移住」ということ

なんどもなんども、ここに来て

「こんなところで宿をやっていても来る人いるの?」
とか
「観光スポットってあるの?」
とか
かなり言われました。
(今思うと宿をやるために移住すると言っていたので、周りからすると当然疑問に思うところだと思います)

でも、それを言われるたびになぜだか少しの違和感があって

というのは、わたしたちは「宿をやる」以前に、「暮らす場所」を探していたからだったと思います。


「ここでなら自分たちの目指す暮らしが出来るかもしれない」

そんなことを思うのって、
簡単なようですごく難しいことだと思います。

観光地に行って、そこで暮らしたいと思うでしょうか?
非日常を味わうようなところでの生活はわたし達が望んでいたものとは少し違っていて


四季の流れを感じたり、「生きる」ことと向き合う暮らしがしたかったようなわたしにとって
都会のあまりに早く流れていく時間の流れでは、それはちょっと難しいのかもと思っていました。

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「生きる」ってどういうことだろう。

看護師として働いて、なんども最期の時を看取りながら
人の人生と向き合っているようで、いつも自分の今までやこれからの人生について考えていました。

まだ、その答えにはたどり着きませんが、

この家で過ごしている間に感じるあたたかい春の風や
夏の厳しい日差し
止まらない風に自然の脅威を感じる秋の台風
厳しくも優しい冬の寒さ

この家にいると
それを自然と身体が感じ取ってくれて
「ここにいると気持ちがいいな」
随所にそう心から思える場所があります。


午前中に縁側の戸を開けた時の気持ちのいい風や
そこから見える青空
チュンチュンと聞こえてくる鳥の声


これだけで
阿武町に決めたというより

「ここに暮らすことを決めてよかった」

と思うんです。わたしがここで暮らす、そして移住してきた意味なんて、それでいいかなって思えるようになりました。

わたしの暮らしのその名前

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「古民家暮らし」「丁寧な暮らし」。

今やこの類の生活をしている人はおそらく珍しいことではなくて
インスタグラムのハッシュタグで見てみてもものすごい数の投稿数だったりすることに驚きます。

わたしたちの暮らしも、いわゆるハッシュタグにくくるとそれだけのものになってしまう気がしますが、
あえて自分の言葉を探すなら

「心と身体が喜ぶ暮らし」

とでもいうのかな。
今の友達やこれから出逢う人だけでなく
昔からの友達や家族にも
「わたし、こんな気持ちのいいところで暮らしてるんだよ」
って伝えたいです。

この家は冬は寒かったり、隙間風が冷たかったり
風がちょっとでも強いと家はガタガタ言ったりするけれど

それでもわたしはこの家が本当に好きです。

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不自由なところは自分たちで手を入れればより良くなっていく
そんな余白があるところもすごく気に入っています。


こんな素敵な物件に出逢えたこと、そしてそれを繋いできてくれたここまでのご縁に感謝して
また今日もこの家と気持ち良く過ごしていきたいと思います。


今年は庭作りするんだ。
きてくれた人と、もっともっと
この大好きな場所を共有していけますように。育てていけますように。


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