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著…山崎ナオコーラ『文豪お墓まいり記』

 「織田作之助の作品、すごく面白いですよ。ほんの一行先もどうなるかわからなくて。本って、読んでいるときに、どうしてもページ全体が目に入ってきちゃうじゃないですか。だから、手で先を隠しながら読みたくなるんです」

(単行本版P28から引用)

 これは、著者と津村記久子さんが織田作之助のお墓参りに行った時、津村さんがおっしゃった言葉。

 最高の賛辞ですよね!

 一文字、一文字を、大事に大事に読んでもらえるなんて…。

 宝物ですよね、本って。

 作家にとっても、ファンにとっても。

 愛される本は幸せです。

 そういう本は、誰かの人生を変えるかもしれない物凄いパワーを持っています。

 だから作家は本を書くのをやめられないし、ファンも本を読むのをやめられないのでしょうね。

 津村さんがおっしゃったこの言葉、織田作之助まで届いていると良いなあ…。

 あの世で、織田作之助が他の作家たちから「いいなぁ! 俺もそんな風に言ってもらいたいよ」と羨ましがられているかも!

 さて、この本は、現代の作家である著者が今は亡き文豪たちと会いにお墓参りをするという本。

 まるで、お墓参りを通してあの世の世界までファンレターを届けているみたいで素敵!

 中島敦、永井荷風、谷崎潤一郎、太宰治、堀辰雄、遠藤周作、夏目漱石、芥川龍之介といった作家たちのエピソードが載っているので、この本を読んでいると、まだその作品を読んだことのない作家たちにも興味が湧いてきます。

 著者の作品も改めて読み返したいです!

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