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田んぼの中の地蔵のご利益(日常の不思議ファイル 45)

昭和の高度成長期の真っただ中
私は小学生でした。

田舎では、牛馬から機械、そして大型機械の導入のため
今までの狭い変形の田畑を均し、圃場整備が進みました。

うちの近所は関東平野らしい広々とした田畑が広がる場所で、
遠く10km先も見通せるような田畑の続く田舎でした。

圃場整備が終わって車が行き交う道路ができたのですが、
そんな田畑の真ん中で、よく事故が起こるようになりました。

半径2kmくらいは家一軒もない見通しの良い交差点です。

小学校低学年の私が食卓で親たちの会話から聞いた話です。

もともとそこにはお地蔵さんがあったそうなのですが、
圃場整備の時に撤去してしまったそうです。

だから事故が起こるんだということで、
またその何もない交差点にお地蔵さんを置いたら
全く事故が起こらなくなったということでした。

うちの親はそういう話は全く信じない方なので
呆れるやら偶然だろう、くらいの会話だったのですが
私は妙に心に残っていました。

大人になって自分が車を運転するようになり、
その場所を通るようになると

よく見なければ分からないくらいの目立たない場所に
小さなお地蔵さまが、今も設置されているのを見ました。

いよいよ令和の時代が始まります。
GWで帰省した今日、久しぶりに通ると
お地蔵さまは頭の上の方が欠け、真っ黒になっていました。

(たぶん車でぶつけてお地蔵様を欠けた人は)大丈夫なのかな?と
思いながら通り過ぎたのでした。

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