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創刊一周年を迎えて

「ほんのひととき」は本日、創刊一周年を迎えました。昨年、緊急事態宣言の中で「旅と本のサイト」としてオープンし、右往左往しながらもコツコツと記事を公開してきました。その度に読者の皆様から「いいね」や「スキ」をいただき、温かいコメントに励まされ、ここまでくることができました。心より厚く御礼申し上げます。

 この度、ほんのひとときの人気連載「終着駅に行ってきました」が5月に書籍化されることになりました。今後もこうした書き下ろしのオリジナル連載を充実させて参りますのでどうぞご期待ください。

「ほんのひととき」はオリジナル連載のほか、月刊誌「ひととき」や弊社書籍関連のコンテンツで成り立っています。この一年間でとくに多く読まれた記事がこちらです。

 旅雑誌「ひととき」は今年で20周年を迎えますが、今の状況は長い年月の中でも大変な時なのではないかと思います。編集部のメンバーもイベントが中止になったり、取材が難しかったりする状況の中、毎号懸命に考えをめぐらせ、雑誌を発行しています。こうして生まれた記事を「ほんのひととき」に掲載するときは、まさに宝物をもらうような気持ちでおりました。

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 昨年、「ほんのひととき」がオープンした時に一人のひととき読者のツイートを紹介しました。

 このコメントを見つけて、嬉しくなったことをよく覚えています。この時は、翌春には奈良の桜を観に行ける状況になっているのではと思いましたが、残念ながらそれは叶いませんでした。一年前に比べれば大分先行きが見えてきたように思うのに、なかなか霧が晴れない。長く続く今の状況にモヤモヤした思いを抱えている方も多いのではないでしょうか。「こんな状況になる前に旅に行けばよかった」「あの人に会いに行けばよかった」と後悔している方もいらっしゃるかもしれません。

 でも今、街を歩けば新緑は青々と美しく、ツツジの鮮やかな色彩に目を奪われます。「ほんのひととき」では四季折々の写真をご紹介していますが、私たちには日本の美しい自然がそばにあります。

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 旅をすればこれまでに見たことのない景色を見て感動する一方で、見知らぬ土地で迷子になることもあるでしょう。土砂降りで楽しみにしていた絶景を見られないこともあります。

 それでも、私たちは旅に出ます。スケジュール通りにいかず途方に暮れつつも、一日に数本しかない列車を待ちながらガイドブックをめくってこれから向かう場所に思いを馳せる。振り返れば、そんな時間も楽しい旅の思い出のひとつになっていたりします。

 私たちは今、いつくるかもわからない列車を待つ時なのかもしれません。でも、きっといつか霧は晴れ、列車は来ます。その時に備え、一緒に旅へ出る準備を整えましょう。

 今後ともご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

 2021年4月17日
 ほんのひととき編集チーム

四季折々の写真を集めてみました。音声をONにしてお楽しみください。

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