元祖ミニマリスト鴨長明に学ぶ“究極の断捨離”|『超約版 方丈記』(10)
人生の終わりが近づいたら
大きな家・広い部屋は不要~露消えがたの末葉の宿り~
命は永遠ではない。この世に生を受けた瞬間から、あの世へと歩み始めるのだ。私も、いよいよとでも表現すればいいのだろうか、ここに至って、齢六十を迎え、わが人生の露が消え入りそうに心細く感じられるようになってきた。
だから、消えそうな命の露が葉っぱの先にしがみついている“末葉の宿り”のように、わが余生を過ごすのにふさわしい栖となる庵を準備したのである。いうなれば、旅人が一夜かぎりの仮寝の宿を自分自身の