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旬のおでかけ情報をはじめ、気になる新刊や新商品、見逃せない展覧会や伝統的なお祭といったご当地の話題など、さまざまなトピックをお届けします。
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2023年4月の記事一覧

近代彫刻界の巨匠、平櫛田中美術館がリニューアル(岡山県井原市)

 岡山県井原市出身で近代日本を代表する彫刻家、平櫛田中[1872〜1979]を顕彰する市立田中美術館の改修・改装工事が完了し、「平櫛田中美術館」と名称を改めてリニューアルオープンした。  改修により館内の広さが約2倍に拡大。田中作品を中心とした所蔵品を、ゆったりと展示できるようになった。バリアフリー化された館内は、3階に「平櫛田中記念室」が新設され、田中の生涯を年譜や動画でたどれる。また、数々の名作が生まれた東京・上野に残るアトリエを再現した部屋もあり、愛用の和服や筆、文化

約20年ぶり!アンリ・マティスの大回顧展(東京都美術館)

 20世紀美術を代表する画家、アンリ・マティス[1869〜1954]の大回顧展が約20年ぶりに日本で開催される。  マティスは20世紀初頭の絵画運動であるフォーヴィスム(野獣派)の中心的な存在として活動したのち、84歳で亡くなるまでの生涯を、感覚に直接訴えかけるような鮮やかな色彩とかたちの探求に捧げた。  本展では、パリのポンピドゥー・センターの全面協力のもと名品約150点が紹介されるほか、初期の傑作《豪奢、静寂、逸楽》が日本初公開となる。絵画に加えて、彫刻、素描、版画、

自由で楽しい平安蚤の市で自分だけの宝探し(京都市左京区・岡崎公園)

 毎月10日前後、京都・平安神宮前の岡崎公園には「平安蚤の市」の鮮やかなのぼりが立ち、野外に広げられた様々な品を目当てにたくさんの人が集まってくる。  ヨーロッパの陶器や古道具などを並べる店がある一方で、箱のまま置かれた食器やパーツ類、たくさんの籠、アンティークおもちゃ、1000円台から積み重ねられた着物や帯、古伊万里などの和食器も。常時100店舗以上が出店するにぎやかな蚤の市は、自由で雑多な雰囲気が魅力だ。  もともとは〝不用なものを次の誰かにつなげる場〟として始まった

日本画家・石本正画業の全てを辿る初の回顧展開催(京都市京セラ美術館)

 2015(平成27)年に95歳で逝去した日本画家・石本正氏の生誕100年を記念した回顧展が、氏の活動拠点であった京都で開催される。  石本氏は現在の島根県浜田市三隅町に生まれ、京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)で日本画を学んだ。卒業後は女性や鳥を題材にした話題作を次々と発表。日本だけでなくヨーロッパの中世美術も広く研究・吸収して確立した情熱的でリアリティーあふれる舞妓像や裸婦像は、戦後日本画の人体表現に新風を吹き込んだ。  本展では、これまで門外不出とされてき