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【10分で解説】the four GAFA 四騎士が創り変えた世界(前編)

「ビジネスマンならマスト!GAFAのビジネスとこれから私たちに求められるスキル(前編)」


はじめに

この本はタイトルの通り、「ガーファ」つまりGoogle、Apple、Facebook、Amazonという世界の四騎士のそれぞれのビジネスについて具体的に何がどうすごいのかというところがとてもわかりやすく書かれています。

この著者であるスコットギャロウェイさんはこの本を通じて、現時点での世界最強ビジネスモデルを私たちに教えてくれるだけでなく、これを学ぶことで、平均的な才能しかもたない私たちがこの世界で成功するためにどうしたらいいのかということまで言及しています。今のデジタル時代の先行きを予測し、これから先の自分の人生を安定させるために、この本で得られる知識はきっと大きな力になってくれるはずです。

ちょっとボリュームがあるので、前編と後編に分けたいと思います。
前編は、四騎士のそれぞれのビジネスについての説明をし、
後編では、それぞれのビジネスを理解することで見えてきた四騎士の共通事項、それと、四騎士が支配する世界で平均的な能力しかない私たちが生きるために必要なスキルについてまとめたいと思います。

まずは四騎士のビジネスから。

AMAZONを小売業だというのはもう古い

Amazonといえば、ご存知ネットショッピングですよね。その強みは届くのが早いこと。とてもシンプルですが、到底他社には真似できないほど圧倒的なのです。ロボットの倉庫、専用貨物輸送機とトラック、本国アメリカではドローンまで。それじゃ儲けはないんじゃないの?と考えるのが普通ですが、Amazonのビジネスはネットショッピングで稼ぐことだけではないのです。自分たちのために構築したこの配送システムをFBA(フィルメントバイアマゾン)という名前で他社に利用させる運輸業をやっていたり、ネットショッピングのサービス構築のために作り上げたクラウドサービスをAWS(アマゾンウェブサービス)として他者に使わせたり、これだけではなく自分たちのために作り上げた様々なシステムを二次利用することでさらに収益を拡大しているのです。世間がAmazonを小売業だと思ってライバル視している企業を尻目に、次から次へとビジネスを拡大しているのです。そして、これはハッとしたのですが、”検索”と言えばみなさん当然Googleを連想しますよね?ですが、「あれが欲しいなー」と思ったらGoogleではなくAmazonで検索をしませんか?実は検索のシェアをGoogleから少しづつAmazonは奪っているのです。この事実、ちょっとびっくりしませんか。


Appleは感情を販売している

次にAppleです。皆さんはApple製品をお持ちですか?お持ちの方はなぜそれを選んだのでしょう。色々と理由はあると思いますが、最終的に行きつくのは「カッコいいから」ではありませんか?まさしくそれがAppleの戦略です。確かにAppleはiPod、iPhone、iPad、Macbookなどイノベーションとも言える画期的な製品を出し続けています。ですが技術的な側面からすれば、他社からすぐに追い付かれ、市場はコモディティ化するのが一般的です。Appleがそうならない理由が、その「カッコいいから」なんです。ぜいたく品を持ちたいという欲求は、人間の遺伝子に組み込まれていて、たとえば、18世紀のフランス貴族が美しいかつらを被るのと、サッカーワールドカップに出場するスター選手の多くがAppleのAirPodsを身につけるというのは、人間の本能として変わっていないことを証明しているわけです。Appleは宗教的とも言えるレベルでの徹底的なブランディングで、ぜいたく品として高価格で販売し、高収益を実現しています。この本の中で出てくる「Appleの事業はテクノロジーではない、感情を販売している」というメッセージがとても印象的でした。確かに私もAppleからパソコンではなく、高揚するような感情を買ったといわれれば納得できるような気がします。


Facebookはマーケターの楽園

3社目はFacebookです。Facebookが私たちに与えてくれているのは人間関係です。私たち人間は、人との豊かな繋がりに幸せを感じることがわかっているので、そういう意味ではFacebookは無料で幸せを提供してくれるということになります。そうなれば、爆発的にユーザが増えるのは当然ですよね。Facebookのビジネスはご存知の通り広告ですが、今までの広告との大きな違いは、圧倒的な人数ときめ細かいターゲティングができるということです。これまであった、例えばテレビCMは、圧倒的な人数に見てもらうことはできますが、ほとんどのの視聴者にとって興味がないものです。逆に、興味のある人たちに絞った広告は、規模を大きくすることができません。その点、Facebookは圧倒的な数のユーザを持ち、しかも個人の嗜好まで知っているので、その人にあった的確な広告をしかも超大規模に展開できるのです。それが圧倒的な強みです。そのうえ、GoogleやAmazonと違って、私たちがFacebookを使って日常的に人と繋がろうとするだけで、自分の興味のある情報がどんどん勝手に入ってくるわけですから、マーケターにとってはまさに楽園なのです。


Googleは現代の神

最後にGoogleです。Googleはこの世の全てを知っている神です。私たちが何かを知りたいと思ったら真っ先にGoogleに聞きますよね、そしてGoogleは一瞬でその答えを教えてくれる存在です。Googleによって私たちは物知りということに価値を感じなくなりました。なぜなら、知らないことがあってもGoogleに聞けばすぐ教えてくれるからです。私もよく人との会話でわからない言葉が出てきたりすると手元のスマホですぐ検索したりしますが、会話に遅れることないほどスピーディにGoogleは答えを教えてくれます。物知りじゃなくても、物知りぶることが余裕になったのです。そんなGoogleは、なぜ数ある検索サービスの中から唯一の存在になれたのでしょう。それは検索結果を一番収益になるサイトではなく、ユーザにとってもっともいい答えがあるサイトへと導いたからです。通常、運営側は自分たちの利益になるサイトに誘導したくなるわけですが、Googleはそうしなかった。常に利用者の立場を優先させたのです。これによって圧倒的な信頼を勝ち取ることができ、今ではなんと1日に35億回も人間の質問に答えているそうです。そして私たちがGoogleを使えば使うだけ、日々Googleの検索アルゴリズムは成長していきます。最初の信頼を勝ち取ったからこそ、今となってはだれも追いつけない神の存在になったというわけです。


四騎士それぞれのビジネスについてまとめましたが、いかがでしたでしょうか。
なんとなくわかっているつもりでも、改めて読んでみるとそれぞれがとても明確なビジョンと徹底した差別化を行っているのがわかりました。彼らをそのままそっくり真似できる部分があるわけではないかもしれませんが、ビジネスマンとしてあらゆる側面で彼らの考え方は参考になると思います。

さて、後編ではそれぞれのビジネスを理解することで見えてきた四騎士の共通事項、それと、四騎士が支配する世界で平均的な能力しかない私たちが生きるために必要なスキルについてまとめたいと思います。

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