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2024年11月にクリアしたゲーム

 11月にクリアしたゲームたちです。10本。


異夢迷都(イム・メイト):果てなき螺旋

プレイ時間:29.5時間(全実績解除)
 依頼を受けてある物品を調査しに行った探偵が異空間に飛ばされ、謎の道士に助けられるところから始まるターンベースのJRPG。
 街中での調査は探偵が、異空間での戦闘は道士や仲間達が担当する。役職は「探偵」だけど推理ADVみたいな証拠集めや推理などはなく、StSモドキなカードゲームで相手の口を割らせるシステム。あまり良いバランスのカードゲームではないかも。
 ダンジョンは色んなギミックが用意されているものの、そもそもの作りが単調なので飽きやすい感じ。
 ゲーム全体から「やりたいこと全部詰め込んだ!」という一生懸命な荒削りさが感じられて、わたしには微笑ましかったんだけど多分疲れちゃう人も多いだろうなと思う。
 シナリオについて。見慣れない用語が多くて取っつきづらいものの、翻訳の質は良かったと思う。一部ムービーやマンガのシーンだけ怪しさ5割増しだったかも。会話中キャラ達がキレやすく見えたのは翻訳の都合なのかシナリオがそうなのか不明なところ。
 序盤は大半のイベントから「こういうシーンがあるものだから入れた」ぐらいの粗さを感じてしまっていたんだけど、全9章中の6章、時間でいうと19時間ぐらいやったところで結構デカめの新情報が来て、そこからは怒濤の展開にワクワクしながら一気に進められた。SFだったしちょっとだけメタだった。
 わたしは世界がぐちゃぐちゃになるややこしい展開が大好物なのでこういう感想になっているけれど、人によっては逆にそこで振り落とされることもあるだろうなと思う。後半楽しいから是非やって、とは言いづらい感じの展開。
 おすすめはできない……でも好きなんだ! という気持ちが募ってこんな文章になった。退屈さに飽きる人の気持ちも展開について行けない人の気持ちも想像できるから本当におすすめできない。でも好きなんだ……。


Hidden Cats in New York

プレイ時間:100分
 ニューヨークでネコを見つける探し物ゲーム。日本語非対応だけどネコを探すだけなので問題なし。
 ステージはニューヨークを舞台にしたノーマルとアドバンスド、あとはちょっと気の抜けたネコを探す簡単なオマケステージが6個ある。
 ネコを見つけきったエリアだけ色づいたり、画面内に見つけていないネコが入ったら鳴き声が聞こえたり、細かいサポートのおかげで遊びやすいシリーズ。今作もリラックスできた。猫探しはいいぞ。


寄居隅怪奇事件簿 Hermitage Strange Case Files

プレイ時間:15時間
 謎めいた過去を持つ古書店店主が、仲間と共に怪奇事件を解決していく推理ADV。日本語非対応。中国語(簡体字)のみ。
 店主が都合により店から出られない安楽椅子探偵もの。店の存在をどこかで知った人が事件を持ち込み、店主は経験や書籍の知識から起こりそうなトラブルを予測し、仲間の弁護士やハッカー、私立探偵に外での捜査を依頼する。気まぐれに現れて事件に関係する書籍を置いていく家主もいる。
 会話などで手がかりを得ながら進め、向き合った謎に対して集めたものから3つ選んで提示するシステム。書籍を読むことでも手がかりが得られたり、会話で得た情報を補強できたりするの、古書店店主が推理してる~~って感じが強くて良かったな。
 登場人物が増えるたび、物語がより鮮やかに広がっていく描き方が見事で、最初から最後までずっと夢中になって読み進められた。キャラクター同士のやりとりも軽快で良き。ずっと見ていたい。
 中国神話? とクトゥルフの要素が混ざった事件は不気味で、対決シーンは息をのむほど緊張感に溢れていて、向き合う登場人物たちは理知的で読んでいて心地良い。
 めちゃめちゃ面白かった。このメンバーが好きすぎるので終わってしまったことが悲しい。店主、もう一回トラブルに巻き込まれてくれ。


The Cub

プレイ時間:2.5時間
 富裕層が火星に逃げたのち、荒廃した地球で生き抜いてきた少年が、研究材料として自分を捕まえようとする火星人たちから逃げ回る横スクロールのパルクールアクション。
 Golf Club Nostalgiaの続編にあたるもので、前作のんびりゴルフしていたおじさんも良い感じの役柄で出てくる。前作よりも語りが多く、世界観をより深く理解出来たように思う。
 アクションとしては初見殺しの多い死にゲー(多分)。死にゲーというジャンルの中では簡単なんだと思うけど、わたしには難しくて大変だった。火星人、ひとの心ないんか。
 終盤はとくに難しいし、リスタートのポイントも遠くてつらかったな。なんか慣性のかかるジェットパックで弾よけするフェーズもあったし心が折れそうだった。
 次回作とも話が繋がっているらしいので、そのために頑張った節がある。どうにか最後までやれてよかった。


Freaky Trip

プレイ時間:80分
 ニワトリといっしょに不思議な世界を旅するポイント&クリックADV。
 日本語非対応表示だけど実は対応済み。とはいえストーリーに文字はないのであんまり関係ないかも。
 世界観が不思議なので謎解きの解法も不思議な感じ。クリック出来る場所をクリックしていればそのうち解ける……と言いたいんだけど、まだ使えるはずのアイテムがクリック不可になる進行不能バグや、クリック位置の座標ズレで無駄に悩まされるなどあったので、あまりよろしい体験ではなかったかも。それでもポイント&クリック欲は満たされたのでヨシ。


Yog-Sothoth’s Yard

プレイ時間:33時間
 借金を背負った青年が、養父の遺した邸宅と人造人間を継承してホテルを経営するノベル&経営シミュレーション。
 プレイする前は経営シミュにちょろっと会話パートが付いているのを想像していたんだけど、やってみたらノベルメインで経営がオマケだった。
 経営パート、序盤は色々間に合うか不安だったけど、終盤は強い神託のおかげで色々と無茶が出来て楽しかった。序盤に失敗したあれやこれやは神と錬金の力でなんとかした。
 シナリオとっても良かったな。進行が丁寧で、クトゥルフの絡む謎あり冒険ありの物語を存分に楽しめた。自身を取り巻く謎を一つずつ紐解きながら、従業員達と心を繋ぎ、時には大立ち回りをしてだいじなものを守って生きる。メリハリがあって最後まで飽きずに読み進められた。
 従業員たちがとってもかわいかったのも良き。立ち絵だけじゃなくて性格もかわいい。みんな大好きだよ。ハッピーエンドがハッピーに終わったので嬉しい。ホテルのみんな、永遠に幸せであれ。

 日本語未対応なので「Yog-Sothoth’s Yard 日本語化」で検索して出てきたMODのお世話になりました。(何かご迷惑になったら申し訳ないのでリンクは避けておきます)
 文章量の多いこの作品を、魅力的なキャラクターを描き分けながら、最初から最後までとても丁寧に翻訳下さっていました。深い感謝。


Mouthwashing

プレイ時間:2.5時間
 極限状態の宇宙船で過ごす5人の船員達を描いた一人称視点のサイコホラー。
 ジャンプスケアすこし有り。追われる場面もすこし有り。
 ストーリーについて言いたいことはたっくさんあるんだけど、自分がプレイ前にうっすら情報を手に入れてしまっていたせいで制作意図通りに受け止められなかった部分があるので、ここでは多くを語らないことにする。ザッピングされながらも最終的には筋の理解出来る物語で、だからこそ思い返して考えたくなることがたくさんあった。
 短くまとまった良いゲームだと思う。演出など、ホラーゲーム不慣れな者としてはけっこう怖かった。じっとりした嫌な緊張感を味わいながらプレイした。


LAPIN

プレイ時間:7時間
 ニンゲンの工事によって住処を追われたうさぎさんたちが、楽園を目指して冒険する2Dプラットフォーマー。
 かわいらしい絵柄とやさしいお話とは裏腹に、難度はけっこうしっかり高い。
 難易度ノーマルとカジュアルがあり、カジュアルにすると罠が少し減るという丁寧な作りをしてくれているんだけど、それでも難しい。プレイ中何度こんなの無理だと嘆いたか……追われるステージや強制スクロールステージが気持ち多めだったのも辛いところ。
 プラットフォーマー慣れしてる人にはそんなにかもしれないけれど、不慣れな自分は今までやったことないレベルの繊細な方向キー入力を要求されてとっても大変だった。なんでジャンプの最中に別の方向キー入れなきゃいけない……?
 やさしい物語とかわいいうさぎさんたちのおかげで最後までがんばれた。うさぎじゃなかったら途中で諦めてたと思う。収集要素を埋める気力はないけどエンディングまでいけて満足。かわいいは最強。


BoardLand

プレイ時間:1時間
 かわいい絵柄でサクッと遊べるターン制のボードゲーム。無料。
 ターンの始めに5つのサイコロを振り、それらを移動に使ったり攻撃・防御などのアクションに使ったりして中央のボスを倒していく。同じマスで何度もアクションを起こしていくと魔法が使えるようになったり、ボスを倒すとサイコロが得られてちょっとしたデッキ構築要素になってたり、カジュアルながらもよく作り込まれていて楽しかった。


She and the Light Bearer

プレイ時間:90分
 小さなホタルちゃんが森の奥深くにいる「マザー」を探して冒険するポイント&クリックADV。
 あまり見ない感じの色合いが特徴的な、絵本みたいなアートワークが素敵。お話も、登場人物(植物?)のホタルちゃんへのアタリが強いのが少し気になるけれど、全体としてはやさしいお話だったと思う。難度も相応にとってもやさしかった。


おわりに

 今月のどうか日本語対応してくれゲームは寄居隅怪奇事件簿。なにとぞ……なにとぞ……。
 シナリオ全体としての関連が薄かったから項目では書かなかったんだけど、実は一本目の異夢迷都と世界観を共有している。異夢迷都の方でSFと理解したものに違う部分もあったかもな~と寄居隅をやってから思った。いずれにせよどちらも面白かった。異夢迷都はどの層に向けても好き嫌い分かれそうだけど、寄居隅は推理ゲームが好きな人にはけっこう広く好まれそうな気がする。日本語対応してくれ……。

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