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デンマークのジレンマ2@フォルケホイスコーレ

毎週木曜日の2時間目は、デンマーク ビギナーという授業がありデンマーク文化について学んでいました。ここで学んだデンマークのジレンマその2について書きます。

いきなりですが、デンマークは国の宗教が決まっているってご存知ですか?
同性婚が認められていたり、王室のあり方について自由に議論できるといった自由な国なのに、国の宗教が決まっているなんて意外でした。

もちろんデンマークでも個人の宗教の自由は守られています。国教が決まっている背景には下記の歴史があります。
デンマークは元々はヴァイキングの国で独自の宗教をもっていたようですが

965年にハラール1世が国家を統一しキリスト教に改宗
1536年の宗教改革でルーテル派(プロテスタント)
になり、現在に至ります。

デンマーク大使館 websiteより改変 
https://japan.um.dk/ja/info-about-denmark/denmark/history/

・デンマーク国教会の長は国王と決まっている
・国教会員は国へ収めるのとは別に教会へ税金を収める必要がある
・毎週教会へ行く人は5%ほどなのに、生誕式、洗礼式、結婚式、13歳で    行われる堅信式などキリスト教と深く関わる行事には積極的だ

といった事象を授業で学んだ後、自国の事情も交えて対話しました。

キリスト教の代表的な行事ともいえるクリスマスはデンマーク人が心から楽しみにしています。1年がクリスマスを中心に回っているといえそうなくらい、大事な行事です。その伝統は続いているのに、信仰は薄れてきているというのも興味深い話です。

日本でも宗教離れが進んでいて、仏教だとお葬式の時にしかお坊さんと接する機会がないという話もよく聞きます。神社へは初詣、子供が生まれたらお宮参りや七五三の時だけ参詣するのと似ていますね。

日本では国の宗教が決まっていませんが、デンマークは決まっている中での教会離れ。都市部で特に進んでいるそうで、デンマーク国教会に属している人は国全体で74.5%、その後徐々に減少してきているとのことです。中東からの移民を多く受け入れた時期もありましたので、キリスト教以外の宗教の割合は自然と高くなっているかもしれません。一方で地方ではまだまだ教会へ通う国民が多いとも聞きます。

国民の議論を経て、国の大きな枠組みも変えていくのがデンマーク流。キリスト教がデンマークの国教でなくなる日が来るのか?社会構造がどんどん変わり、高齢化も進む中で生きづらさを感じている人が増えているのも事実です。そういう時こそ宗教が必要、となるのか?

国と宗教の関わりについて、デンマーク人がどのような判断を下すのでしょうか。デンマークがもつジレンマから、国の宗教という別の視点を持つことができました。

#デンマーク #宗教 #国教 #キリスト教 #プロテスタント #議論 #教会税  

1. そんな!いいんですか!? 嬉しいです!! フォルケホイスコーレ作りのための勉強に使わせていただきます♪