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ぬいぐるみだけにしてしまったアドバイザーさんの話

■とあるレストランのキッズコーナーにて

地元にある「お子様連れ歓迎」のレストラン。飾り気のない店内ですが、その分、子どもを連れてきても嫌な顔をされないので、子供が小さい頃はよくお世話になっておりました。
そこにはかなり広々したキッズスペースがありました。スタッフさんのご厚意でいろんなおもちゃが置いてありましたので、子供はそこで遊びつつ、大人はゆっくり食事をすることもできます。
スタッフさんとも仲良くさせていただいてたので、ボランティアでたまにそのおもちゃの清掃などもしていたんですよね。

ある日、お伺いしてみると、そのキッズコーナーがやけにこざっぱりしているのです。おもちゃが一掃されており、なぜかぬいぐるみだけが置かれている空間に。

おもちゃが原因の事故でも起きたのか? おもちゃが不潔だとかクレームでも来たのか?
そこを眺めていた私を見つけ、スタッフさんが声をかけてくれました。
なんと、

「とある整理収納アドバイザーさんが、片づけを買って出てくれて、おもちゃを全部処分しちゃったんです…」とのこと。

■他人から見れば不潔で危険な「おもちゃ」

詳しく聞いてみますと、

●子供が舐めたりするおもちゃは不衛生だから置かない方がいい
●子供が転んだり怪我をする可能性のある硬いおもちゃは置かない方がいい
●絵本は子どもが破る可能性があるから置かない方がいい
●ぬいぐるみだけは、まぁ許容範囲だろう!

という話で、キッズコーナーが「ぬいぐるみ置き場」に変わったのだとか。

子どもを持つ親なら分かると思うのですが、男女問わず、子供はどんなおもちゃで遊びたがるか分からないものですよね。電車や車は手指を動かして五感を高めますし、積み木なども創造性をはぐくむ大切な遊び。絵本を読んであげるのをなにより喜ぶ子どももいます。

ついでに言うと、おもちゃなら拭けばきれいになるけど、他人の触ったぬいぐるみは私は嫌なんですよねぇ…。なので、「このスペースでは我が子の遊ぶ場所がない」と即座に感じてしまいました。

そのアドバイザーさん、お子さんがいらっしゃらないのでもしかしたら分からなかったのかもしれませんね。ですが、それならきちんとヒヤリングをして、現場の意向をくみ取るべきでした。どうみても「やりすぎ」な感じ。

そしてそのアドバイザーさん(私もよく知っている人)、押しが強い人なので、誰も意見を言えずに勝手に作業を進められてしまった…とのこと。

自分でも現場に行くときには、この話を胸に、「勝手な押し付けをしていないだろうか、お客様のために行動できているだろうか」と問い直しながら作業しています。

■誤解されやすい、「断捨離」の意味

「断捨離」という言葉がスマホで一発変換できるくらい、世の中に周知されるようになりました。いいことだと思うのですが、かなり誤解もあるようですね。
2009年に爆誕したこの言葉、「不要な物を減らし、生活に調和をもたらそうとする思想」であり、ただやみくもに何でも捨てることではないと、この言葉の生みの親である山下先生も仰っています。

いまでは行き過ぎた断捨離のせいで、家族の大切な持ち物まで勝手に捨てて一家離散になるケースなども散見されており、「断捨離」=「断りなく捨てたら離婚」の頭文字だ、と揶揄する話まで。

ぬいぐるみを見るたびにこのケースを思い出し、自戒に生かす私でした。



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