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続・30代のおじさんが流行りを過ぎたタピオカミルクティーを買いに行って見事に失敗した話

先の購入体験で見事に失敗をした私は、少し冷めたタピオカ阿里山ティーを家で飲みながら、貢茶の注文方法について検索をしていた。

スマートフォンの画面に映るのは、私が苦い思いをした注文メニューの写真。

今一度、家で注文メニューを満遍なく見てみる。
すると、店頭では気付かなかった、ある部分に目を奪われた。

「オススメ!!」

メニューにオススメ書いてあったわ。
しかも、一番よく見るタイプの「あの」タピオカミルクティーだわ。
これよ、これこれ。
私が買いたかったのはまさにこれなのよ。

今の時代、親切なもので、これを注文するための注文方法を書いてくれているサイトまである。

そこで紹介されていた、注文時の魔法の言葉を信じるとすると、
「ブラックミルクティーのICED/HOTのS/M/Lを、甘さ〇〇、氷の量は〇〇で、パール(タピオカ)トッピングでお願いします」
とのことらしい。

ふむふむふむふむ。
なーるほどね!
これさえあれば、私もこれを飲めるのね。
よしっ!

ということで私は「リベンジ貢茶」に向かうことにした。

-数日後-

改めて店の前に立つ私。
今日も都合よく注文の列はほぼない。

行こう。

「いらっしゃいませ!貢茶へようこそ!ご注文お決まりでしたらお伺いしま~す!」
おそらく、ほぼ間違いなく、先日のバイトの子とは別の店員が対応をしてくれる。
注文時の魔法の言葉は頭にしっかり叩き込んである。

よしっ。

『はい。えーっと、ブラックミルクティーのSサイズを…』

しまった。
やってしまった。
アイスかホットかを言うのを忘れていた。
だが、まぁいい。これから言えばいいのだ。

しかし、店員はその隙を見逃さなかった。
「アイスでよろしかったでしょうか~?」

その間、約0.5秒。
思いがけない言葉のパンチが繰り出され、少しひるむ私。

『はい。アイスで』

ふぅ。なんとかうまくかわすことができた。
まだいける、まだいける。

「甘さはどうなさいますか~?」

…っ?!なっ?!積極的に聞いてくるタイプの店員!
この想定はないぞ!ぐ、ぐぬぬ。

『えーっと…あみさ…、えー、甘さは…おおめで』

噛んだ。
きれいに噛んだ。
あみさってなんだよ。
新しいカテゴリつくってんじゃねーよ。

「あ、おおめでよろしいですか?」

いや、あかんのかい。
おじさんが甘さ多めで頼んだらあかんのかい。
オススメはたしかに「甘さ:ふつう」だが、この前の阿里山ティーを「甘さ:ふつう」で頼んだ私からすると、少し物足りなかったのだ。
だからこその、今回の「甘さ:おおめ」だ。ここは譲れない。

『はい。多めで』
『で、氷は普通で、パールトッピングでお願いします』

言えた…。
さらっと言ってやった。
どうだ!この頼みなれてる感! ドヤッ

「ありがとうございます!それではこちらの番号札でお待ちください~」


買えた。

結論から言うと、「あの」タピオカミルクティーを無事に買うことが出来たのだ。
アイスを頼んだので、外からもしっかりタピオカミルクティーだとわかるその見た目。持ち帰りの人だけがもらえる、貢茶のビニール袋。

先の失敗で固く閉ざした私の心が、ストローを伝ってくるタピオカミルクティーと共に、ゆっくりと開き始めるのを感じる。


ゴクリ。


甘っ。

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