プレゼンの基本的な考え方

当たり前な話ですが、プレゼンには『話し手』と『聞き手』がいます。当たり前すぎだと感じるかもしれませんが、『話し手』が話したい事と、『聞き手』が聞きたい事が異なることがあります(というかそれがほとんど)。
そうすると、最終的に「何が言いたいん?」「私に何をしてほしいの?」というプレゼンになります。

多くのプレゼンターが言っていますが、プレゼンはプレゼントです。相手が聞きたいことを、ちゃんと話す、これが最低限のプレゼン(Presentation2.0)です。

Presentaitionの種類

下図の通り、プレゼンには3つあります。ざっくり書きますと以下の通りです。
Presentation1.0 : 自分が伝えたい事だけを伝える
Presentation2.0 : 相手が聞きたいことを伝える
Presentation3.0 : 相手が行動すべきことが伝わる

Presentation1.0

残念なことに、多くのプレゼンはこれです。話し手が言いたい事ばかり伝えていて、いわゆる「私仕事やってん!」というアピールになってしまいます。
例えば新商品企画のプレゼンの場合、こんなプレゼンです。

  • 市場調査をしましたが、受け入れられそうです。

  • テストサンプルを作り配布しましたが、好意的な反応が多かったです。

  • ターゲットである30歳台女性は80%が好意的な意見でした。

いいやん、と思われるかもしれません。ですが、私が聞き手なら「やり直し」を支持します。Presentation2.0と比べてみましょう。

Presentaiton2.0

これはPresentition1.0の話し手が伝えたい事に加え『聞き手が聞きたいこと』を伝えるプレゼンです。では、Presentation1.0を上に、Presentation2.0を下に書いて比べてみましょう。

  • Presentation1.0 : 市場調査をしましたが、受け入れられそうです。
    Presentation2.0 : 6か月間に渡って市場調査をしました。70歳以上の男性を除いて、批判的な意見より好意的な意見が上回っています。ただ、1つ懸念があるとすれば、私たちの予想では女性の方が好意的と思われていたのですが、10歳台から20歳台では男性の方が好意的でした。

  • Presentation1.0 : テストサンプルを作り配布しましたが、好意的な反応が多かったです。
    Presentation2.0 : テストサンプルを作り、全体の1/3のお客様には想定定価通り5,000円で、1/3は想定の半額である2,500円で、1/3は無料で配布しました。もちろん、無料の1/3からが一番いいフィードバックでした。ですが、5,000円で販売したお客様にも好意的な反応が多く、私たちの想定価格は間違っていないと感じています。

  • Presentation1.0 : ターゲットである30歳台女性は80%が好意的な意見でした。
    Presentation2.0 : 男女別、年代別の意見はこの表のとおりで、ターゲットである30歳台女性は80%が好意的な意見で最も多かったです。私たちの想定外だったのは、同じ30歳台の男性も75%が好意的で、これは誤差の範囲と考えると、男性に受け入れられるデザインにすることで、より売り上げが期待できると考えています。

もう、圧倒的にPresentation2.0 の方がいいと思います!


Presentation3.0

さて、Presentation2.0で唯一の欠点があるとすれば、聞き手が何をしたらいいのかが分からないということです。本当にこういうプレゼンが多いのです。特にコロナ以後WEB会議が多くなり対面での商談ではない場合、「ぷれぜんは良かったんだが、結局この後何をしたらいいんだろう?」となると本当にもったいないのです。

なので、この図の通り、「承認してください。」「ダウンロードしてください。」「4/23までに回答してください。」と明確に伝えることで、相手との『約束』に持っていくことができます。プレゼンの最後で「わかった、承認するわ。」などの言質を取れれば、それは勝ったも同然です。これこそが私が求めるPresentation3.0です。


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