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「フラジャイル 病理医岸京一郎の所見」第20巻 感想

たぶん、いろいろネタばれしていると思います。大丈夫な方はご覧ください。


コミックスの帯に

高度1万メートルの旅客機内で急病患者が意識不明に。設備と時間に制約がある状況でも、岸の仕事は乱れない。

とあったので、岸先生大活躍か?!と思ったら、そういう感じではありませんでした。これがとてもフラジャイルらしくて好感を持ちました。


第79話 英雄志願


医者を呼び出す機内アナウンスを聞いても、自分以外に医者がいると分かると、すぐには行こうとしなかった岸先生。患者を直接診ることから離れてから長く、一日中顕微鏡を覗いている自分は、加わらなくてよいのではないかと思ったのかもしれません。

岸先生は、テキパキと診断のための材料を集めていく内科医に、自分にはないセンスを感じ認めていたと思います。しかし・・・



ブドウ糖の投与は待てと岸先生が言ったのに、内科医は飲み物用の砂糖を、患者の上唇の裏から入れてしまっていました。

これは内科医の重大なミスです。このことが判明したときの岸先生の厳しい表情が物語っています。

内科医の行為によって患者は意識を取り戻しましたが、これは偶然の結果にすぎないことを岸先生はよく分かっていましたね。



ヒーローになりたくて医者になったと言う内科医。この動機では、自分のために医者になりましたと言っているようなものです。勘違いもはなはだしい危険な人のようですね。

正しい診断でなければ適切な治療は行えない。岸先生だけが患者のことを一番に考えていたのではないでしょうか。

なんと、危うい内科医は岸先生と同じ病院に勤めるそうな。岸先生の苦虫を噛み潰したような表情がなんともいえません。



第80話 転校生


バイクがドドドドドドドド、えっ、誰?と思ったら、病理医を目指している布施さんでした。以前、楽器にも名前つけてました。バイクにも名前あるんですね。

岸先生不在。最近、出張が多いらしい。今日は沖縄?なんか、そばのことばかり考えているようなのですが、何の出張?



ヒーローを目指す内科医・朝加先生が、元気いっぱいで自己紹介しています。なんか違うような・・・。



患者を診ないで薬は出さないとか、二日酔いで点滴を希望する患者の腎損傷を予測したり、内科医としては優秀?なのかもしれないですが・・・。また、やりましたよ、見切り発車。

診断が確定していない患者にキシロカインを注射。痛みはなくなったようだけど、これ治療じゃないから。

看護師から報告を受けた指導医が頭を抱えています。当然ですよね。これから、指導医として、どう対処していくのか・・・。



担当する入院患者を指導医から紹介されて大喜びする朝加先生。責任重大ですよ。分かっているのか心配になります。



「僕に任せてください!」とT細胞リンパ腫の16歳の少女・天羽(あもう)さんを紹介された時に、きっぱり言いました。この自信は、どこから来るのでしょうか。

朝加先生と天羽さん

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朝加先生から「天羽さんから緩和は外れてくれ」と言われた稲垣先生が、岸先生に泣きついたの分かります。

緩和ケアは治療の術が無くなってから必要になるものではありません。がんと診断がついた時から緩和ケアは始まります。

朝加先生は、もっと、がん治療のことを勉強したほうがいいのでは?



第81話 検討と検証


だれでも参加できる病理医の症例検討会「若乱会」

この会の症例は亡くなった患者さんのものばかり。「死を次の治療に生かすための訓練」宮崎先生良いこと言いますね。

いきなり勝手にまとめて発表者から怒られる岸先生。すごく分かるわあ。



岸先生の発表は、細胞を顕微鏡で見て遺伝子変異の形態的な特徴を発見した可能性があるというもの。遺伝子は肉眼では見えないので、顕微鏡で見て分かるのは信じがたいことですが。

それが可能になったら最短で翌日に結果が出せるようになるだけでなく、腫瘍が成長する仕組みの解明につながり、特定のがんにだけ聞く抗がん剤の開発の糸口になる。

岸先生の出張は、この伏線だったのですね。仕事は定時で終わってもその後の時間を研究に使っていた。すごい人ですね。

宮崎先生が「ちゃんと見てなくちゃ」と改めて思ったのも頷けます。



「何もわからず何もできずに人が死ぬのを減らしたい」岸先生が頑張っているのは、この思いから。

若き日の自分の非力さ・苦い思い出が、病理医となり10割の診断を出すと言い切る彼へと変えたのだろう。



医療事故申し立てをしたことがある患者遺族の三雲さんが倫理委員になっていました。岸先生が真正面から対応したからですね。

稲垣先生と協力して治療にあたるよう朝加先生に提案した岸先生。緩和ケアの重要性と一人で突っ走る朝加先生のことを考えての提案だと思います。

三雲さんが賛成してくれて良かったです。辛い経験をしたからこそ緩和ケアが患者の力になることを、よく分かっているからですね。



わー、朝加先生、患者さんにプライベートな連絡先教えちゃダメです。稲垣先生、もっと強く言わないと!


第82話 信用と信頼


遺伝子変異がある標本を宮崎先生が見てみるが、どうなっているかさっぱり分からず、岸先生にコツはないかと尋ねると、毎日顕微鏡に向かう以外ないとのお答え。

そうですよね。宮崎先生は新米病理医。まだまだ経験不足ですもの。何においても日々の繰り返しが大切です。



稲垣先生が朝加先生を懸命に説得してます。朝加先生が絶対電話に出ると言い張るけど、それ無理だから。

患者と距離をとって自分を守る医者がどうの言っているけど、そうなのかな。患者を守るために距離を置くことが必要な時もあるんじゃないでしょうか。



骨髄移植をすることになっている天羽さん。移植前処置で抗がん剤をがん治療の10倍量入れる。

岸先生が言っていた移植より前と後が大変というのが分かった。10倍って、生きていられるのでしょうか。

私はがん治療で抗がん剤をした時「終わるまで体がもつのか」思わず先生に訊いちゃった。「あなたよりも高齢の方でも大丈夫だから」ということでした。

10倍量の抗がん剤を入れたらどうなるのか想像がつきません。無菌病棟で治療するのは当然ですよね。めちゃくちゃ抵抗力下がりますよ。



無菌病棟で着替える天羽さん。ゴミ箱の中にツケマツゲがあるのがリアルです。

抗がん剤で全身の毛が抜けます。眉毛やまつ毛も。実際、治療中にツケマツゲをしている人は大勢います。

私はウイッグをかぶるだけで精いっぱいだったから、ツケマツゲはしなかったけど。



張り切っていたが、だんだん不安になっていく朝加先生。病例としては面白いなど無神経なことを言う先輩に切れた朝加先生。

何かあったのでしょうか過去に。朝加先生の患者を救いたいという気持ちは尋常じゃない。

稲垣先生が言うように理想を患者に押し付けてはいけない。そんなことしないと朝加先生は言うけど・・・。



朝加先生は、やっぱり、自分のために医者をやっているんじゃないかな。そんな気がします。



え、朝加先生が昔の稲垣先生そっくり?










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かなり年増の兼業主婦です。趣味でアニメ・コミック・ドラマ等の絵を描きます。うつ、乳がん経験者。がんサロンでピアサポーターとして活動しています。お絵かき掲示板、メールフォーム→http://coloration.starfree.jp/