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「無神論」終演

 表現集団式日 旗揚げ公演「無神論」、3日間5公演が無事に終演致しました。誰一人欠けることなく走り抜けたことがまず有難いことでした。
 関わってくださった全ての皆様、本当にありがとうございました。

 例のごとく、そしてご時世柄もあり、今回は約2年振りの舞台出演となりました。
 「出てくれない?」と言って貰えるのは本当に嬉しいことだなぁと改めて。誘ってくれてありがとう。

 台本を頂いたのが7月頭だったんですけども、そこまでに私生活の方でも実は色々あって。その時に得た気持ちやらなんやらが、なんでか本の中にも詰まっていて。これのための経験だったの? とでも言わんばかりで。勿論、全く関係ないけど。でもね。

 今だから言うけど、本当に嫌でした。笑

 気持ちが新鮮過ぎたんだよね。
 だって、起こって欲しくなかったし。だから、経験しなくていいならしたくなかったし。
 同時に、エゴを声に出してしまうことが怖くて。

 でも、起こったことは変わらないし、暗い気持ちとか、喜びとか、どんな気持ちも、不謹慎だけど使ってしまえるのが役者というものかな、とも思って。
なので、存分に活かしたつもり。
 そうすることで、経験に意味を持たせて、私は私を正当化しました。
 これって多分特別なことじゃなくて、あるある、って言ってくれる人も多いと思ってる。そうやって、自分の心を守ること。どうかな。臆病なのかな。

 もちろん、言わせてもらえることを同時にありがたいとも思ってました。ちゃんとね。

 脚本の展さんは今回が初めましてだったのですが、言葉は変えてくれていい、というタイプの作家さんでした。
 なので、演出 兼 相手役だった啓さんとも話をしながら、色々と変えさせて頂いたり足させて頂いたり。これは私だけではなくて、みんなそうだったな。柔軟かつ頼りがいのある演出と作家のお二人の存在がとてもありがたかったです。

 そうこうしていたら、初見で似ているところが多いかもしれないと感じた「神谷マナ」という子は、どんどん遠い存在になりました。不思議だよね。だけど、納得もした。自分ではない他人だから。
 同一視していたつもりは元々ないけれど、そういう時間を経て、自分の中で彼女がきちんと個として確立したような気がしました。
 
 結果として、実は私、彼女の主張すべてを受け入れることはできないし、彼女の価値観すべてに納得もできないです。彼女に対してだけではないけれど。
 登場人物それぞれの考え方や価値観が、どこか分かって、どこか分からない。納得できたり、できなかったり。人同士ってそんな感じよねって思います。
 その距離感はきっとそれぞれ違うだろうけど、それでも一緒に居ることはできるし、仲良くもできるし、それでいいんだろうなって。

 あと、依存が知覚できるし、したくないと思ってるタイプなので、盲信はしないです。尊敬はするけどね。絶対的なんて思わない。人からはどう見えてるのか分からないけど。

 あんまり作品の中身に触れることはしたくないので、あくまで感想のみですけれど、こんな感じかなぁ。
 あ、ひとつ言うなら、私ずっとこの作品を手向けであり、はなむけだと思ってたんですよね。という余談。

 あと今回、個人的に共演してみたかった皆さんと一気に共演できて嬉しかったです!
 絡めなかった方はまたご一緒できたらいいな。
 当日パンフレットにも書いたんですけど、本当に私には珍しく「人と話した」2ヶ月でした。どんな印象を持たれたかは分からないけれど、色々聞かせて貰えたのも嬉しかったから、まあいいかな。

 最後になりましたが。
 ご来場くださいました皆様。
 支えてくださった、スタッフの皆様。
 共演者のみんな。
 啓さん、展さん、聡達さん、三木さん、すず、美音ちゃん、永瀬くん、めいちゃん、片山ちゃん。

 本当にありがとうございました。
 またいつか。

2022.10.4  穂南綾音

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