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名作古典文学に触れようー「100分de名著」とはー

前回、ラジオスキーを公言した私ですが、実はとても好きなテレビ番組があります。

「100分de名著」

毎週月曜日、22:25~22:50までの25分間、NHK Eテレ(昔でいう教育テレビ)で放送中の教養番組です。

コンセプトは、

一度は読みたいと思いながらも、手に取ることをためらってしまったり、途中で挫折してしまった古今東西の“名著”。
この番組では難解な1冊の名著を、25分×4回、つまり100分で読み解いていきます。
プレゼン上手なゲストによるわかりやすい解説に加え、アニメーション、紙芝居、コントなどなど、あの手この手の演出を駆使して、奥深い“名著”の世界に迫ります。
公式HPより抜粋)

とのこと。

この3文が番組の全てを端的に現しているので、もはやわたしから説明することは無いのですが、あえて説明させて欲しい・・・!

まず、「名著」と一口にいってもイメージが沸きにくいと思うので補足すると、番組で紹介される本に共通するのは「古典」と「世界中で読まれている」の2つの特徴です。

過去に取り上げた本は、

永遠の児童文学「星の王子さま(サン=テグジュペリ)」、哲学書「饗宴(プラトン)」、日本最古の歴史書「古事記(太安万侶編纂)」、物理学の革命書「相対性理論(アインシュタイン)」、世界で最も有名なSF小説「ソラリス(スタニスワフ・レム)」、「中原中也詩集」・・・中国古典の金字塔「三国志(陳寿」・・・!などなど!

様々な分野、種類を扱っていることは魅力的です。まさに人生で一度は読んでおきたいと思う名著が揃っています。

しかし、元々古典を読むのが好きな性分なわたしのような人間は番組の趣旨にもろ手を挙げて喜んでいるわけですが、正直興味がない人は一生手に取らない本かもしれません・・・。

ずばりそんなあなたにこそ見て欲しい「100分de名著」

理由は先に引用した通り「プレゼン上手なゲストによるわかりやすい解説に加え、アニメーション、紙芝居、コントなどなどあの手この手の演出を駆使」していることです!

NHK先生による完璧な自己紹介のおかげで、またもわたしの説明が入り込む余地がありませんが、もはや後には引けません。

■この人に語らせたら右に出る人はいない!ゲスト解説
いや、毎度のことながらゲストの解説がとても深い・・・!

それもそのはず、できるかぎり日本におけるその分野の第一人者を呼んでくれるNHK先生。ゲストは本当にこの本が、著者が大好きなんだね・・・と目を細めたくなるほど情熱的かつ、論理的に解説をしてくれます。

ちなみに今は脳科学者 茂木健一郎氏の解説のもと、先週から「赤毛のアン(モンゴメリ)」を取り上げています!

■アニメで見せる!役者で魅せる!語りで聞かせる!あらすじ
番組冒頭で本の基本情報をインプットしたら、早速内容に入ります。

アニメーションや再現VTR、映画化されている場合はその映像を使ってあらすじを紹介してくれるのですが、この導入が本当に分かりやすい。難解な内容でも短時間で概要が理解できます。

そして特に重要なシーンは役者による朗読劇になります。朗読って演劇やドラマなどの演技とはまた違う魅力がありますよね。深い心理描写であればあるほど、朗読の良さが発揮されます。普段とは違う役者の一面を発見したような気もして、ドキドキします。

■理解が深まる!公式テキスト
さすがNHK先生。お家芸の公式テキストも忘れていません。

正直、番組を見るだけで十分に理解できるのですが、公式テキストにしかない豆知識や関連書籍の紹介がされていて、気に入った本があれば購入をお勧めします。原典と併せて保存版です!

■これを語りたい!現代にも通じる普遍的なテーマ
古典が古典たる所以。

それこそが「どの時代にも例外なく存在する普遍的なテーマ」を題材にしていることです。番組内でその橋渡しをしているのがMCの存在。今は伊集院光氏と安部みちこNHKアナウンサーのお二人です。

古典の内容に対して自分の考えや身の回りの出来事を引き合いに出してコメントや質問をしてくれるので、視聴者側も自分ごとのように考えることが出来ます。

たとえば赤毛のアンがコンプレックスの赤毛を男の子にからかわれたことで、学校へ行かなくなるエピソードとか、自分の子供のころの心理と比べながら考えることで、不登校やいじめの問題を考えることも出来ます。

どんな内容でも、自分ごととして考えることができるかどうかで社会との関わり方は大きく変わりますよね。

■ファン垂涎!連続100分スペシャル
通常放送ではひとつの古典に対して深く掘り下げるのに対して、スペシャルはひとつのテーマについて複数の古典から考えるという内容です。もちろん古典の数だけ解説ゲストも出演し、さらに4回に分かれている100分を1回の100分へ変更して、じっくりがっつり議論します。

直近では、「石ノ森 章太郎スペシャル」を9月に放送していました。漫画家石ノ森 章太郎といえば、仮面ライダーやサイボーグ009の原作者として有名ですね。

著作を通じて、著者が何を世間に問いかけていたのか?という目線で楽しめます。「手塚治虫スペシャル」も過去にあって、治虫ファンのわたしはどちらも目を輝かせながら見ていました・・・!

すでに次のスペシャルのテーマはなんだろうか・・・!と、心待ちにしています。

■さいごに
「100de名著」で紹介されるものに限らず、古典にはたくさんの大切なことが語られていると思います。

もちろん大切なことは人それぞれで、古典のなかに絶対的なひとつの答えがあるわけでもありません。ときには全く理解できない内容であることもあります。

だからこそ想像力を掻き立てられるし、理解したいという気持ちが沸いてくるのだと思います。

このよく分からないけどじわじわくる面白さと考えさせられる奥深さにわたしは魅了され続けています。

たくさんの人が古典に触れて、共有できるといいなと思います。その入り口に「100分de名著」は最適な番組だと思います。

「100分de名著」を見て古典を読んでもいいし、自分でマイナーな古典を発掘して読んでみてもいい。そしてぜひおすすめの古典をあなたの感想とともに知りたい。

そんな風に思います。

編集:円(えん)


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