小さな花壇

家の道路側に

小さな花壇がある。

駐車場脇に設けられた

小さな細長い花壇。

最初はサツキを植えた。

春には赤い花を咲かせ

見る人を和ませた。


小さな花壇は

地面より少し高く

作られているからか、

土に水気がなくなる。

天気が続くうちに

少しずつ枯れてしまい、

僅か数枝が残るだけだった。


やがて隣の家の

ドクダミや笹が浸食、

サツキを凌駕した。

寂しく哀しい小さな花壇。

通りがかる人は誰も

振り向きもしない。

よもや荒れた花壇だった。


晴れた日曜日。

僕は意を決し

切なく小さなサツキを

庭に移し雑草を抜き

園芸店に向かった。

パンジーやデイジーなど

綺麗な花を咲かせていた。


数々の花から僕は

マリーゴールドを選んだ。

黄・橙・暗赤など

色とりどりに5株選び、

小さな花壇に植えた。

とても可愛く美しい。

たっぷり水をあげた。


マリーゴールドの別名は

「聖母マリアの黄金の花」。

花言葉は「変わらぬ愛」

「健康」「予言」など。

通りがかる人の目を

愉しませてくれ、

癒やしてくれたら嬉しい。