学びと振り返り

授業や単元での学びをどのように評価していますか?
学習後に行う振り返りについてまとめました。


1 はじめに

振り返りは何のためにするのでしょうか。
それは,

子どもが分かったことを可視化するため,そして,教師自身が指導を顧みるためです。
ただ書かせるだけでは目的が果たしにくくなります。
効果的な振り返りの書かせ方や,振り返りシートについて考えてみましょう。


2 めあてと振り返りは必要?



小学校先生は特に,板書も丁寧でめあてと振り返りがカチッとはまっている印象があります。
こどもの発達段階や雰囲気を鑑みても,小学校は振り返りをていねいに行いやすいですね。
しかし,そもそも

黒板に必ずめあてと振り返りを書きなさい。

という指示は正しいのでしょうか。
めあてと振り返りは必要なのでしょうか。
私個人の感覚では,あったほうが一時間がすっきりするように収まり,何をしたかが入っていきやすいです。
しかし,めあてと振り返りが直接的に学力向上につながっている。
直結しているとするのは横暴なように思えます。
学力に直結するという言い方をするならば,もっと根本的なところを改善すべきだとは思いますが,そのことについてはまたまとめたいと思います。

めあてと振り返りは,板書としてあればよいぐらいの感覚を持っています。
なぜなら,一時間でめあてに対する学習成果にまで到達することは難しいことがあることと,時間を気にするあまり,よく理解していると思える子を指名して,

〇〇さん,今日の振り返りを言ってください。

と言って指名された子の振り返りを写すことにどれくらいの効果があるのでしょうか。
振り返りの記述は,子ども一人ひとりの中にあるべきです。
ノートに書かせるのなら指示,振り返り用のシートを作成するならポイントを押さえたものにしましょう。


3 振り返りシートの工夫


めあてと振り返りに重点をおいて取り組んでいる学校の中には


うちはこの様式で全教科振り返りをしましょう。

と決めて取り組んでいる学校もあります。
正直,首をかしげたくなります。

その振り返りにはどのような意図があるのか
どのように活用するのか

まったく見えてきません。
やらなければならないから,書かなければならないからが先行して,子どもも指導者も自己を内省するには程遠いように思います。

では,どのような振り返りをしていくのが効果的か。


一つは,ルーブリックを活用することです。
授業や単元で,

どのような力を付けさせたいのか
何を評価しているのか

このことは,ぜひ子どもが見えるようにしてやりましょう。
何を,何のために学んでいるのかがわかっていること,何をどのようにして評価されているのかが分かると,安心感や見通しを持つことにもつながります。

また,めあてに対して,学習前に考えていることと,学習後に考えたことが比較できるスペースを作ることも単元によっては可能です。
学びの跡が細分化されます。


さらに余裕のある場合は,単元ごとに時数がわかる振り返りシートにしましょう。
めあてを書く欄を作ると思いますが,一時間目の授業と,単元の最後の授業のめあてはこちらで記入しておいてあげると,だいたい何時間の単元で,最後の授業ではどんな活動をするのかが見えてきます。(単元を貫く言語活動につながっていきます。)


4 振り返りシートの使い方



振り返りシートの効果的な利用方法は二つあります。
一つは評価です。
当然すぎるような気がしますが,振り返りを書かせたものの,評価が難しいからしないという声も意外と多くあります。
これは,ルーブリックを取り入れることで解決されます。
ぜひ,子どもの学びと自分の指導を評価するのに使いましょう。

二つ目は,授業の導入で取り上げることです。
前時の振り返りで書いたことを取り上げて考えることから始めると,復習にもなることと使い方によっては理解のずれを修正できます。
これは振り返りを個人の言葉でまとめさせるからこそできることです。
誰かの振り返りを移すことに振り返りの意味はありません。
この取り組みの面白いところは,当時の単元構想とはずれてくるところもありますが,

授業が生きたものであることを実感させライブ感がある
読みが深まる
発言が苦手な生徒のも思いを中心に授業を進行させることができる

という点です。
ぜひ,前時の振り返りから授業を始めてみてください。


5 おわりに

振り返りをするなら,子どもにも指導者にとっても意味のあるものにしたいですね。
実際にどのようなものを使っているか希望が出てくれば掲載したいと思いますが,検討中です。
みなさんはどのように振り返りを仕組んでいますか?

ぜひ,共有しましょう!

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