子どものほめ方

こどもを認める。
家庭でも学校でも,難しいですよね。
怒りたくなくてもつい口出ししてしまう。
気になるところばかり目についてしまう。

そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
どのようにして子どもと向き合っていくのか,考えましょう。


1 はじめに



日本人は自尊感情が低いと言われます。
どんな人が自尊感情が低いかというと,


成功体験が少ない
認められた経験が少ない


などが考えられますが,日本人は成績が優秀であっても自尊感情が低いということがよく言われます。
自尊感情がどんなときも高ければ良いというわけではありません。
どんなときも自尊感情が高いというのは人間関係のトラブルになりかねませんから,もちろん浮き沈みがあるのは当然です。
しかし,自尊感情が常に低い,自分に自信が持てないというのはチャンスの芽をが出なかったりしかねません。
幸福感が高い人は自尊感情も安定して高いことを考えれば,子どもには自尊感情を高くもてるようにしていき,挑戦できる人になってほしいですよね。



2 「ほめる」は意図した行為にできる



まず,大村はまさんの言葉を紹介します。
教育に携わる人であれば,一度は名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか

ほめることが出てくように,ほめる種をまいていく
子どもはほめることが大切です。
いいことがあったらほめるのではなく,ほめることが出てくるように,ほめる種をまいていくことを考えたいと思います。
そうせずに,いいことがあった子,よくできた子だけをほめていくと,まんべんなくほめるというわけにはなかなかいきません。
少し学年が上になりますと,ほめるに値しないことをもめられたときは,喜ぶよりも,むしろいたわられているような辛い気持ちになるのではないでしょうか。
教師は,子どもをほめることが大切ですが,ほめる種をまくほうにより重く心にとめておきたいものです。


『灯し続けることば』より


ほめるというのは,意図的な行為であるとより効果を発揮するのだと感じさせられることばです。
クラスにお手本となる子どもはたいがい一人はいます。
できるだけ叱り飛ばすのではなく,よいところを認めていこうという先生がずいぶん増えて温かい雰囲気が醸成されているように感じます。
しかし,よい子(悪い子なんていません)をほめて,全員にその行動を価値づける,というのには限界があります。
アンテナを張って気になる子の輝いた瞬間を見つけるのももちろんですが,ほめるためにしかけを作っておくというのも教育的には大変有効です。



3 効果的な認めかた



絶大なる効果を発揮する褒め方があります。

・他人を通してほめる
・掲示する
・みんなの前でほめる


「〇〇先生が言っていたけど,集配物率先して配ったんだって? 人のために動けるやさしさを尊敬するな~」
「〇〇さんが日記に書いていたんだけど,体調の悪い時に保健室に一緒に行ったの? 頼りになるな~。喜んでいたよ!」

直接褒められるよりも,誰かが自分を認めてくれている,それがつながっているという感覚は大きな効果を発揮します。
第三者という立ち位置を意識すると客観的にほめることができます。
もちろん,先生や親として嬉しかったことを直接伝えることも大切です。

良かったことや嬉しかったことを,書いたり通信に載せたりすることで共有することができます。
保護者の方が,わが子のやさしさや活躍を通信で知ることができます。
そのことは,安心感やわが子を認めることにもつながります。
「他人を通してほめる」にもつながりますが,ほかの人が「〇〇さんが~~してくれてうれしかった」という文章も掲示します。
そして「その行動も立派だし,そうやってありがたいという感謝の気持ちが素直に持てることも立派なことだ」と双方を認めてやります。
教室の中でお互いを認め合う雰囲気も醸成されます。
学級経営はいろいろなこととつながっていますね。

そして,基本中の基本
ほめるときはみんなの前で,叱るときは個別で短く
鉄則ですね。
たまに,辱めて見せしめのように叱り飛ばすことを見かけますが,それは教育ではありません。
期待を込めて短くしかりましょう。
褒めるときには全体の前です。
子どもの様子や一人一人に合わせながら
名前を示して行動を称えることもあれば,あえて名前は挙げずに行動を褒め称えることもあります。
この感覚は担任としての自分の感性を信じるしかありませんが,使い分けて全員が認められている雰囲気を醸成しましょう。


4 おわりに



教室にはさまざまな子どもがいます。
全員が,学級に対する安心感を持ち,自分に自信を持ってほしいですよね。
認め合える雰囲気を作り,自尊感情を育める環境を作りましょう。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?