【これからを生きる力】要約と所感「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」新井 紀子 著 Part1
みなさんは、AIについてどのような認識をしているか?人々の生活を豊かにするもの、人間より高度な知能をもったもの、はたまた最終的にはSF映画のように人間に危害をもたらすもの、など様々な認識があるだろう。
本書では、AIについての正しい認識、そしてこれからの若者・我々がどのように意識して生きていけばよいか気づかせてくれる内容となっている。
ちなみに私もAIを提供する仕事をしているが、この本を読んでかなり衝撃を受けた。バズワードであるAIについて理解することはもちろん、生きてく上でのヒントもたくさん詰まっているのでおすすめだ。
では、さっそくこの本の結論をまとめる。
★本書の結論
①AI=人工知能が、人を超えることはない(シンギュラリティが近いうちに起こることはない)
②暗記や計算などはAIに代替される。ということはホワイトカラーの仕事は、AIが担うようになってくる。
③読解力を養わなければ、やがてAI大恐慌が訪れるかもしれない。
ここからは、少しずつ本書のポイントに触れていってみよう。
①AI=人工知能が、人を超えることはない(シンギュラリティが近いうちに起こることはない)
①-1 AIなど存在していない
AIを略さず言うと、Artificial Intelligence ”人工的な知性” = ”人工知能”である。コンピュータがあたかも人と同じように判断・意思決定ができたりするものを指すのだろう。
ここで確実に言えることが一つある。現在、AIは存在していない。
ん?となる人も多いだろう。携帯はもちろん、お掃除ロボットにも、エアコンにも、身の回りにAIがたくさんあるじゃないか!と思う人は多いだろう。
しかし、それらで動いているのはAIではない。
では、なんなのか。
正体は、AI技術である。
んー、、、ピンとこない。と思うだろう。
もう少しこの点について触れていきたい。
①-2 AIとAI技術
我々が普段から耳にしているAIと呼ばれているもの、それらはAIを実現するために開発された技術のことであり、AIそのものではない。
そして、この技術のことを "AI技術" と呼ぶ。
OK!Google!, Hey ! Siri!, Alexa!と声をかけている正体。昨今、様々な場面で耳にするようになったAIという言葉。残念ながらそれらは全てAIではなくAI技術である。(若干ややこしくなるので、AI⇒人工知能と読み替えるとわかりやすいかもしれない。)
試しに1日中、SiriやAlexaなどのAIと呼ばれている彼らと会話をトライしてみてほしい。ものの10分で、彼らとは噛み合わないだろう。むしろ彼らに合わせて、こちらがワードをチョイスして話かけているのではないだろうか。そんな相手を知能と呼べるだろうか?
では彼らはどういう処理をしているか...
彼らは人間が発した言葉を、機械側で保存されている大量の音声・文字データから統計的な処理で意味解析し、すでに用意している回答パターンから最も合致していそうなものを決定し、答える。といったところだ。(なんだか採用面接のようである。)あくまで彼らが行っているのは 高度な情報処理技術=計算技術でしかないのだ。
ここは結構ポイントになってくるかと私は考える。なぜなら人間は、そんな計算以上に高度な処理を行うことができるからである。(人間すごい!)この点は、また後ほど。
そして著者は、そんな計算でしかないAI技術が人間の知能に到達/超える可能性(シンギュラリティ)は極めて低いと言い切っている。つまり、現在・近い未来においてAIが完成する/存在するということはないのだ。
ターミネーターなどで予習された方もいると思うが、AIが人間を超えAIが統治する世界。残念だが、近い未来に訪れることはない。ご安心あれ。
しかし、決して油断できない状況であることには間違いない。これについても後ほど記述していく。
★Part1 まとめ
・AIなど存在していない
・現在、AIと呼ばれているのはAIを開発するための技術 = AI技術である
・AI技術は計算を超えた処理はできない
・AIが人を支配する、SFのような世界が訪れることはない
ということで、Part1は以上である。ぜひ、まとめを読みながら考察していただきたい。
それでは、また次回。
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ぜひ、一読をおすすめします。
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