ホリーダ・ケイ

作曲家です。これからえらいことになります。

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最近の記事

ヒルナンデス!非公式テーマソングができるまで(6)

最終回。 ウキウキ感に欠かせないあの音について書くのを忘れていた。 ハンドクラップ(手拍子)。 曲中でルーターズ「Let’s Go」に類似したリズムを叩き続ける、という発想は、懐かしの「慎吾ママのおはロック(作編曲はピチカート・ファイヴの小西康陽)」のオマージュだったりする。もしくは小沢健二「流動体について」。 「おはロック」に関しては、「あふれるスマイル」の部分のアレンジもオマージュしている。 オマージュ繋がりで言うと、たとえば「ようこそジャパリパークへ」からの影

    • ヒルナンデス!非公式テーマソングができるまで(5)

      音楽面の話。 いわゆる「渋谷系」的なサウンドを作ると決めたわけだが、なんといってもメインテーマは「みんなで笑おう」なので、おしゃれすぎるのもちょっと違う。 渋谷系のコピーではなく、エッセンスを取り入れつつも、あくまで楽しい現代のポップスとして成立させるべきだと考えた。 この辺のバランスはアレンジの腕の見せ所であり、考えていて本当に楽しい。 まず根幹となるドラムとベースだが、これは完全に現代的なロック・ポップスのサウンドにした。 そして、メインのコード楽器にはピアノを

      • ヒルナンデス!非公式テーマソングができるまで(4)

        つづきです。 実は歌詞にはもう一つの、ちょっとしたこだわりがある。 日テレの過去の昼番組のキーワードを入れたこと。 まず「おもいッきり笑えたら」。 元ネタはかつての日テレお昼の情報番組「午後は〇〇!おもいッきりテレビ」。”ッ”がカタカナになっていることで、ピンときた方もいるかもしれない。 二つ目は「今日はナンの日になるかな?」 「今日は何の日」はおもいッきりテレビの名物コーナー。ヒルナンデス!と掛けたいので”ナン”はカタカナにした。 あと、「”どん”より重い」。

        • ヒルナンデス!非公式テーマソングができるまで(3)

          つづきです。 コロナ禍での思いは、前述の2行のみならず、この曲全体を貫いている。 それは、「会えなくても、バラバラに生きてても繋がっている」ということ。 それはテレビだからこそ言いたいこと。 ヒルナンデス!の現在の視聴率は5%前後らしい。視聴率1%で何人が視聴しているのかは定かではないらしいが、ざっくり40万人くらいと言われている。 相当少なく見積もっても、100万人くらいが観ている。 「今はネットの時代」は間違っていないし、再生回数がモノをいう時代だけど、それは

        ヒルナンデス!非公式テーマソングができるまで(6)

          ヒルナンデス!非公式テーマソングができるまで(2)

          つづきです。 曲調に関しては既に決まっていた。 ヒルナンデス!のイメージといえばとにかく、明るくて楽しくて、華やかでおしゃれだ。 これを表現するには、「渋谷系」しかない! 渋谷系とは、ざっくり言うと、洋楽のいろんな要素をふんだんに含んだおしゃれミュージック。80年代末期から90年代前半にかけて形成され、フリッパーズ・ギターやピチカート・ファイヴがその元祖とされる。 単純な明るいロック・ポップスでは「おしゃれ感」は表現しづらく、ブラックミュージック的アプローチだとおし

          ヒルナンデス!非公式テーマソングができるまで(2)

          ヒルナンデス!非公式テーマソングができるまで(1)

          ホリーダです。 日テレ「ヒルナンデス!」の新テーマ募集に際し、シンガーソングライターの中村千尋をボーカルに迎え「LUNCH TIME RAINBOW」という楽曲を制作しました。 応募総数2664曲の中からトップの10曲にお選びいただきましたが、最終選考には残ることができず敗退、非公式テーマソングと銘打ってTwitterで発表、という運びになりました。 これは2ヶ月の期間をかけて制作した渾身の一作でして、別に期間はどうでもいいのですが、とにかく2分弱に様々な思いと音楽への

          ヒルナンデス!非公式テーマソングができるまで(1)