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*花(植物)って本当は何なんだ?(大先輩から学ぶこと)


花は誰の為に、何の為に咲くのでしょうか?花は、人間を豊かにするために咲く、と思っていらっしゃる方もあるかも知れません。それは豚や牛が、人間に食べられるために生まれてくるのと同じ発想なのではないのでしょうか?

確かに花屋さんが売っているお花については、人間が栽培したものを販売していますので、人間の延長上にあるものと言えないこともありませんが、植物が花を咲かせること自体は、人間の為ではないのです。植物は自分の子孫繁栄のために、花を咲かせているのです。そういう意味では花屋さんは、「植物生殖器販売業」とも言えます。

花は、植物が子孫繁栄のために用意した、最高の舞台ではないのでしょうか?生命の営み程美しいものはありません。

花を咲かせるために、花粉の媒介を風に頼ってきた風媒花の中から、昆虫の進化と共に大きな花びらをつけ、昆虫や鳥たちが好む色彩を持ち、同時に良い香りを発散し、甘い蜜を出す植物が現れ、動物たちによる花粉の媒介を能率的にし、自分の種族を増やすために進化していったのが、植物の発展の歴史です。


植物から人間を見ると、もっと有意義なものが見いだせるような気がします。動物は敵に襲われた時に、逃げたり、戦ったりしますが、植物は自力で移動できないので、外敵にやられてしまいます。少なくとも土から出ている表面的な部分はそうです。しかし、種子を持っていたり、球根になっていれば、時を経て、再び生き返る「生存能力」は高いと言えます。

人間は水がなければすぐに死んでしまいますが、植物は水枯れにも動物よりは、はるかに強いですし、土と水があれば、生き延びて行きます。植物は種や球根に姿を変え、遠い距離を旅し、プラントハンターによって、人間の移動が盛んになるにつれてさらに世界に広まって行った歴史があります。


さらに、松の花粉は600キロも飛びますし、杉の花粉は1つの花から13000もの花粉が作られています。花は虫たちとギブアンドテイクの関係もありますし、その昆虫と花の間には定花性と云い特定の花は互いにグッドカップル的存在であったり、花が咲くための決定要因は日照の長さによって決まったり、近親的な繁殖を抑えるシステムがあったり、数え上げればきりがありません。

人間はもっと植物を観察し、科学的にも理解し、人間に類比し、メカニズムをさらに解明して、人間に生かしていかなければなりません。

なぜなら、植物の歴史は、人間が発生するはるか昔から地球上に生きている大先輩なのですから・・・。人間高々500万年、植物43億年ですから・・・。
人間の歴史は植物と共にあって、衣服、食物、建築(いわゆる衣食住)をすべて植物に依存して、人間の社会を発展させてきました。このことを忘れ、衣食住を植物の依存から、外れて行ったのが人間の悲劇の始まりで、環境破壊の原点もこの辺りにありそうです。人間にとって植物があまりにも身近で当たり前であったために、そこから学ぶことを忘れてしまったのかも知れません。

植物からいちばん学ばなければいけないことは、「ヒッソリ生きる」ことと「タクマシク生きる」その姿ではないのでしょうか?


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