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vol.2 by the end of summer インタビュー「このバンドをやる上で最も影響があったのは軽音楽サークルであるロックコミューンです。」


京都の大学で結成されたエモバンド by the end of summer
vol.1では結成のきっかけについて詳しく聞きました。
vol.2では彼らの音楽性と彼らの重要なルーツである大学時代に所属したサークル「ロックコミューン」について詳しく聞いていきます。

インタビュアー 植野(HOLIDAY! RECORDS) 2020年4月


バンドの音楽性とそのルーツについて

ーー入手困難のものも多いと思いますが、これまでのリリース作品を教えてください。

デモについては2曲入りのネコのジャケットが2015年リリースで、
その内の1曲目を再編曲して久保くんのボーカルで再録したものを2016年に出しています。

※こちらが最初のリリースVer.

こちらが現在のボーカル久保くんVer.


ちゃんとした音源は2017年の2月に出した4曲入りのLaughing epが初めてです。
一番新しいリリースは静岡のfurther platonicsから出してもらったスプリット(four pitfalls #2 )ですね。(7インチ)
Sinker、Slugger Machine、Turning Centerと1曲づつ出し合っています。


余談ですが、2曲入りのネコジャケの音源を出した直後くらいにヒデアキさんがディストロで取り扱ってくれて、
HOLIDAY! RECORDSがBASEに移る前のブログサイトでめちゃくちゃ良い感じのレコメンド記事を書いてもらえたのがすごく嬉しかった覚えがあります笑


ーー前ボーカル時代のネコジャケのやつが既にかなり良かったんですよね!だからボーカルが抜けて、一時期活動が不透明になった時はかなり残念だった記憶があります。笑

ありがたい事に、ネコジャケのデモをHOLIDAY! RECORDS含めて色んなディストロで扱って頂いたおかげで多くの方々に聴いてもらえるようになりました。
ボーカルが変わるタイミングでバンドを解散するかかなり悩んだのですが、そうしたところで頂けた反応がバンドを継続させる原動力になりました。
みなさんのレコメンドのお陰で次のLaughing epが出たと言っても過言じゃないです笑
本当にありがとうございました。

ーー最初の二曲入りのデモCD「ネコジャケ」と
次に出たepではボーカルだけでなく作風にも少し違いが見られると思うのですが何か理由はありますか?
特にtwinkle emoと呼ばれるバンドに見られるようなテクニカルなフレーズが増えた印象があります。

ギターを弾いたことのある人にしか分からない話で恐縮なのですが……。
2曲入りのデモまではスタンダードチューニングで曲を書いていて、2016年のデモ以降は変則チューニングを使用しています。
所謂エモリバイバルのバンドの多くは変則チューニングを使っているのですが、僕が変則チューニングに慣れていないこともあって、このバンドを始めた頃はスタンダードチューニングで曲を書いていました。
そういう経緯で、エモリバイバルっぽさをスタンダードチューニングで出そうと頑張った結果が2015年のネコジャケのデモです。
ただ、やはり変則チューニング特有の開放弦を含んだ独特のコードトーンに対する憧れが捨てきれず、久保くんが加入したタイミングでそれまでの曲をほとんどボツにして、現在のチューニングで曲を書き始めました。
やりたいことは以前からある程度一貫しているのですが、途中で手法が変わったため作風にも変化があったのだろうと思います。


ーーなるほど!その話は、めちゃくちゃ腑に落ちますね。笑
やりたいことは初めから変わっていないんですね。
久保君の少し枯れた声も曲にすごく合っているので、それも印象が変わって聞こえた要因かもしれない。

やっぱりボーカルが変わるとバンド全体の印象が変わるので、曲作りの面で試行錯誤するのに丁度良いタイミングだったんだと思います。


ーー音楽的なルーツを知りたいので、宮崎くんにとって自分が影響を受けたと思う重要なバンドとエピソードがあれば教えてください。

このバンドをやる上で最も影響があったのは、おそらく学生時代に所属していた立命館大学の軽音楽サークルであるロックコミューンです。
僕が在籍していた期間のサークルはかなりインディー色が強かったのですが、
一方で僕が入学する少し前までThe LionsやThe Tigers、Kirieなどが積極的に活動していてたこともあってメロディックパンクやエモが好きな先輩がとても多く、そうした先輩方から色々なバンドを教えてもらっていました。

※阪神タイガースというバンドが改名してThe Tigersへ。メンバーの一部は現在パラメヒコで活動中。

※The LionsのベースとドラムはそれぞれThe Tigersのギターボーカルとドラムが担当していて、別バンドだがメンバーがほぼ被っている。

※kirieのベースの方は現在はExcuse to Travelで活動。


特にUKメロディックやその影響下にあるバンドについて詳しい人が多くて、
当時は入手困難だったBroccoliやEversorの音源を貸してもらったりしてました。
エモはともかく、メロディックパンクはそうした環境が無ければ聴いていなかっただろうと思ってます。



ーーロックコミューンに限らずだと思うのですが、大学のサークル所属のバンドは先輩から音楽性が引き継がれているところがすごく面白いし、それが理由ですごくレベルが高くて興味深いバンドが多いですね。
ちなみにThe LionsやThe Tigers、Kirieのそれ以前、もしくは、はるか前にもコミューンにはメロディックパンクのバンドは居たのでしょうか?

多分目立ったバンドは居なかったんじゃないかなと思いますが、正直良くわかりません笑
とにかくサークルのまとまったアーカイブが残っていないので、OBOGから話を聞く以外に当時を知る方法が無いんですよね。
おやまぐちがよく過去の部誌やコンピを掘り起こして色々と探ろうとしていたんですが、そうした史料?も部室の床に散らばってたり段ボールに無造作に押し込まれて放置されてたりで、決して保存されているとは言えない状況で笑
記録が無いのは勿体ない気がしますが、そういう刹那的な部分がサークルっぽいというか、適当さがまた大学生らしくて悪くないなとも思います笑

ーー在籍当時にインディー系のバンドが盛んだった理由などはあるのでしょうか?

どうなんでしょう……。世間的なものに加えて、ちょうどその辺りに在籍していた部員の嗜好がそういう感じだったのかもしれません。
それから同時期くらいに生き埋めレコーズやHomecomingsが活動を始めたりと、京都でインディーが盛り上がり始めていた覚えがあります。
多分、その辺りは僕なんかよりも詳しい人がいると思います笑

※生き埋めレコーズはTHE FULL TEENZのメンバーが運営するレーベル

※ちなみにby the end of summer が最初のデモを出したのは2015年。
2015年はCAR10が「RUSH TO THE FUNSPOT」
NOT WONKが「Laughing Nerds And A Wallflower」を出している。
Homecomingsは前年の2014年に「Somehow, Somewhere」をリリース。


ーーロックコミューンの他に影響を受けたバンドはいますか?

あとは高校生の頃に聴いていたバンドでしょうか。
当時はthe band apartが好きで、その繋がりでMock Orangeやら、heやSusquatch辺りのK-Plan系のバンドをよく聴いていました。
今思うと、当時はエモというジャンルそのものは知りませんでしたが、人生で初めて触れたエモバンドはMock Orangeだったかもしれません。
他にもTera MelosやHella、Giraffes? Giraffes!辺りのマスロックも好きでした。




あまり上手く言えないのですが、そういったバンドとエモやエモリバイバルのバンドってルーツ的な繋がりは無いんですが、なんとなくグッとくるポイントに共通するものがあるというか……笑
大学生になってからエモやエモリバイバルに傾倒していった理由としてこうしたバックグラウンドがあるんだろうなと考えています。


ーーthe band apartはMock Orangeとスプリットを出していますね。

そうですね。Mock Orangeはthe band apartとのスプリットで知りました。両バンドとも今でも大好きなバンドです。

ーーバイサマは曲調に幅があって、エモとメロディックの折衷のような雰囲気を持っていると思うのですが、宮崎君の音楽遍歴をそのまま反映しているようで面白いですね。

自分自身がかなりミーハーな性格をしているので色々と混ざってしまってますが、基本的にはそこをイメージしてやってるつもりです。

インタビュー vol.3 に続きます。

by the end of summer インタビュー
vol.1
https://note.com/holiday_records/n/n9630bb285eda
vol.2
https://note.com/holiday_records/n/nec8cee3bd97a
vol.3
https://note.com/holiday_records/n/n3918d370e4d6

彼らのCDの購入はここから出来ます。
by the end of summer / Laughing e.p.(CD)
https://holiday2014.thebase.in/items/5516805

HOLIDAY! RECORDS
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【note】https://note.com/holiday_records
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