19 神アプリ

「リーダーどこ行ったんだよ」

「神様に呼ばれて出かけたよ」

「それは知ってるけど…,にしたって遅いだろ。何やってんだ?」

「『何』って…,みんなは『新しいアプリをもらってくるんじゃないか』って言ってるけどなぁ」

「アプリなら別にリーダーを呼びつけなくたって,ストアにリリースすればいい話だろ」

「知らないよ,俺は神様じゃないんだ。何か考えがあるんだろ」

「もう1ヶ月以上もたつんだぞ。リーダー遭難とかしてなきゃいいけどな」

「遭難?それはないだろ。神様直々の用事を足してるんだから」

「『新しいアプリ』ってさぁ,どんなアプリだと思う?そろそろ『スカッとするアプリ』とか欲しくないか?」

「『スカッとするアプリ』ってなんだよ」

「分かんないけど…,『神アプリ』的な?」

「もしリーダーが『新しいアプリ』を持って帰って来たとしたら,それこそ本当の『神アプリ』だけどな」

「何うまいこと言ってんだよ。でもリーダーいつ帰って来るのか分からないんだぜ。いっそのこと,自分たちで作ればいいんじゃないのか?」

「『作る』って…,何を?」

「『神アプリ』をだよ」

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不安になると,人は「神」を作りたくなる。それも,「目に見える神」を。

毎日毎日,生きるために必要なものはみな「目に見えない神」から与えられているにもかかわらず,毎日毎日,「目に見えない神」による小さな奇蹟を目撃しているにもかかわらず,それらに感謝せず,信仰を育てない者は,「目に見える神」を求める。

結局のところそれは,「自分の欲望を神とする」ということだ。それが悪魔の狙いだ。

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