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新しい世界が開ける本

私は、サブカル女子に見えるらしい。

数年前、勤務先の年下の男の子に「サブカル女子ですか?」と聞かれ、何のことか分からなかった。その子は、サブカル女子が好きなようで、たまたま私の容姿と性格がその子のイメージするサブカル女子にドンピシャだったのだろう。私のことを、たいそう気に入ってくれた。その子とは妙に気が合い、私が転勤になるまで、仲良く友達付き合いしていた。しかし、私はサブカル女子ではないと思う。

そもそも、サブカル女子とは何だろうか?

ネットで調べたけれど良く分からない。大型書店に行くと、サブカルチャーというコーナーがあって、小さいけれどこだわりの書籍を出版されている出版社のものが多く並んでいる。それらの本、私は好きだ。でも、サブカル女子と定義されているものが、未だにいまいちピンと来ない。

これがサブカルチャーなのか!と、分からないなりに興奮してしまったのが、福岡天狼院だった。

福岡天狼院とは、天神にある。たまたま近くをとおりかかったら、の文字につられ、中に入ってしまったのが始まりである。私は、本がハンパなく好きである。その扉の先には、人生を狂わせる出会いがある。

そこは、書店というよりも、カフェという名の勉強部屋である。何か注文しさえすれば、閉店までいくらでも滞在させてもらえるし、何でも揃っている。私にとっての夢の国だ。

そこで、坂口恭平さんの本に出会った。坂口さんは、端的に言うと、社会がダメと思うんだったら、社会を作っちゃえばいいじゃん!社会に出来ること、何でもやっちゃえ!という新しい思想の持ち主である。大学では建築を専攻されていたが、とにかく何でも自分で作っちゃう方である。ここで坂口さんの本と出会ったために、私の人生は狂ってしまった

この書店が危険なのは、テーマ別に色々な文化が詰まっていて、なんだかモヤモヤや突破口を開きたい人がここに来るときっかけが与えられるところにある。

知らなくてもいいが、知ってしまったら後戻りできなくなってしまう書籍がここに集っている。サブカルチャーとは、新たな視点から世の中を見て作られる文化のことをいうのだろう、と私は勝手に理解した。

福岡天狼院に初めて行った際、出会った本がかつて天狼院の店長さんをされていた三宅香帆さんの「人生狂わせる名著50」である。

本書は、三宅さんが人生を狂わせられたと感じられた表現が詰まっている書籍のガイド本である。

ある作家さんの本が一冊良かったとしても、必ずしも他の本が自分に合うかというと、そうでもなくガッカリする連続だったりする。だから私は、一人の作家さんを深追いしないようにしている。

何を読もうか、と悩んだときに、この本を開くと必ず今の自分にマッチする本に出会えるのが、この本のすごさである。だから、私はこの本は、壁にぶち当たったときに出会いを求めて必ず開くようにしている。

そうすると、思ってみなかった出会いがある。生理的に受け入れられなかったものでも、三宅さんの解説を読むと、食べれそうな気がして、いざ食べてみると、いけた!という感動の連続だったりする。

あと、有名だからと、私がむしゃらになって読んでいたのが村上春樹さんの本だったが、どうもどこがいいのか分からなかった。三宅さんも当初、苦手だったそうだ。だが、好きになったきっかけが書かれてあり、こう読めばいいんだ、と新しい視点を教わったりで目からウロコの連続なのがこの本のすごさである。

受け入れられない、ではなく、少しずつ受け入れてみること、そして、それが上手く行ったらもっと掘り下げて見てみること。

本書は、人生の突破口を開く鍵となる名著である。


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