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【今日の相場材料5/26】中国ゼロコロナ対策の不透明感

<ポイント>
・中国では現在コロナ初期のロックダウンよりも厳しい規制
・経済的打撃も大きく、4月の小売売上高は前年同月を10%以上下回った
・中国経済の減速とサプライチェーンの混乱によりアップル、エヌビディアなどの企業業績が悪化

<解説>
中国では現在、都市封鎖に踏み切った上海市だけでなく、北京市でも2年前を上回る徹底した行動制限を住民に強いる状況が続いている。

4月の小売売上高は前年同月を10%以上も下回り、上海では車が一台も売れなかったという。サプライチェーン(供給網)の寸断で中国経済にブレーキがかかり、その影響が全世界に波及しようとしている。

実際、今朝発表された米Nvidiaの決算ではロシアの直接出荷の停止に加え、中国の需要と供給の減速が見込まれたことにより次期四半期決算のガイダンスは売上高ベースで5億ドルのマイナス影響を織り込んだ。

また、米Appleも中国の都市封鎖によるサプライチェーンの影響を受けており、4~6月期に最大80億ドル(約1兆円)の収益減になる可能性があるとの見方を示している。アップルのサプライヤーの幹部は開発再開のペースは「かなり遅い」と話す。

こうした環境の中でも習指導部がゼロコロナをあきらめる兆しはない。企業は中国の景気減速による業績悪化を甘受しつつ、中国への過度な依存を減らすためにサプライチェーンの分散などが課題になりそうだ。

<現在の市況環境>

・米小売企業ウォルマート・ターゲットの企業業績が悪化。広告ビジネスを行うスナップチャットも業績見通しに利益警告を行っており、市場は景気後退懸念をいっそう強める。
・FRBは今後2回の会合でも0.5%の利上げと金融引き締めを行う予定。5月の議事要旨の内容は特にサプライズなく、株価は上昇した。今後は9月会合での利上げ幅が焦点に。
・米10年利回りはやや頭打ちに、悪材料は出尽くしか。


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