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ICT✖️AL 世界史「第二次世界大戦を多角的にみる」 その5 評価と大学入試改革

「第二次世界大戦を多角的にみる」という内容で、世界史A(本校では大学入試に使わない教科)の授業を行いました。

内容の詳細についてはこちら。

大学入試改革

話は少しそれますが、学校現場では非常に大きなテーマである大学入試改革が行われています。

「大学入試については、・・・2020年度に行われる入試(2021年度入試※)からは、大学入試センター試験(以下、センター試験)を廃止し、思考力・判断力・表現力を一層重視する「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が導入されます。・・・英語において4技能(読む・聞く・書く・話す)を評価しようという動きです。これまでの大学入試では、リーディング(読む)が中心となっており、センター試験でもリーディングとリスニング(聞く)の2技能の評価に留まっています。各大学の個別試験においては、リスニング(聞く)やスピーキング(話す)の試験を行う大学は限られていました。そこで、すでに4技能評価を行っている民間の英語の資格・検定試験を活用する方向性が示されました。これを受けて、近年、出願資格や合否判定に資格・検定試験の結果を用いる大学が増加しています。」(河合塾HPより)

この共通テストで特に話題となっているのは

・英語4技能を図るための外部試験を一部導入
・国語に記述を一部導入
・数学に記述を一部導入

そして皆さんもご存知の通り、英語4技能の外部試験が延期されました。

そして国語と数学の記述も見送られました。

そして現在、大学入試改革は「センター試験に戻したほうがいい」という議論にもなってきています。

2学期期末テスト

第二次世界大戦の内容を含んだテストを11月の下旬に行いました。対象は2年生。11月のテスト後は1週間の台湾修学旅行が待っています。

問題の形式は、通常の入試問題のような、第二次世界大戦の年表の穴埋め問題。

結果は全体的に非常に素晴らしい出来でした。

「第二次世界大戦を多角的に見る」という授業も非常に生徒に好評であり、生徒の世界史へのモチベーションもかなりあがったことを実感しました。

抜き打ちテスト

2学期期末試験から3週間後、世界史Aの授業内で突如抜き打ち再試験を実施。2年生70名程度。

試験内容は全く同じ問題。

生徒の前回のテストを事前に回収し、再試験を自己採点をさせながら前回のテストと点数の比較をさせました。

私の仮説
「授業の中で、あれだけモチベーションの上がった第二次世界大戦の内容だけは定着率が高いのでは?」

さあ、結果は・・・?

上がった生徒も少数いたものの、全体的には下がっていました。

特に第二次世界大戦を暑かった大問とそれ以外の大問を比較しても変化なし。

がっかり。

生徒に分析結果を書いてもらいましたが、

「世界史ののモチベーションがあがったものの、テスト内容の定着に結び付かずに残念!」

という声が多くありました。

まとめ

さて、今回の検証、実は最初から私の中で一つの考えがありました。

それは、従来のセンター入試問題のような「単純に知識を問う問題」では、アクティブラーニングや探究活動で身に付けた学びは評価しづらい、というもの。

今回のテストの「感想の部分」では非常に深い生徒の学びが多く書かれていました。

ですからおそらく、「第二次世界大戦を多角的に分析する」という論述問題にすれば、生徒が授業中に学んだ様々な知恵や意見・感想が溢れ出したのではないかと思います。

・・・さて

そう考えると、今回の大学入試改革の様々な失敗。

この解決方法として、「従来のセンター試験にもどす」というのは明らかにナンセンスだと思います。

大学入試改革が始まった理念にもう一度立ち返り、よりよい大学入試にしていけるように声を上げていきたいと思います。






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