北海道のむかし話41 屈斜路の伝説
むかし、屈斜路には四つの部落があった。
屈斜路湖の奥の藻琴山(もことやま)にニセイカウンクル(渓谷の上の者)という部落と東にはメナシトーチャコタン(東の湖畔の部落)、西の方にはシュムマトーチャコタン(西の湖畔の部落)とあり、それに湖の川口の部落があったが、藻琴山のニセイカウンクルの村人は闘争を好む人たちであった。
ある日、北見の浦士別(うらしべつ)の部落を夜討したが、逆に浦士別の者に負け、追手おってに攻められて全滅してしまった。
このとき、湖の東と西の部落は良い人たちだったので、半分より滅ぼされずに済んだ。川口の部落だけは無事に残ったといわれている。