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オクラホマ河野+『なかがわスタイル』の小屋が完成

道北の上川地方北部にある中川町(なかがわちょう)といえば、森林のまち。
それを象徴する『なかがわスタイル』の小屋が、昨年末に完成しました。

このたび完成したこの小屋は、北海道のお笑いコンビ「オクラホマ」河野真也さんが中川町のみなさんとつくったもの。「オクラホマ」といえば、河野さんが相方の藤尾さんと北海道大学在学中に出会って結成した関西出身のコンビ。漫才、落語からテレビ、舞台までマルチに活躍している北海道でおなじみのタレントです。

河野さんは大泉洋さんらチームナックスの事務所クリエイティブオフィスキューに所属しているのですが、同じ事務所にいるシンガーソングライターChima(チマ)さんが中川町のイメージソング「きみの記憶」を手がけ、中川町産材でのギターづくりが実現したことから、河野さんにご縁がつながったそうです。

写真右が、小屋の完成記念に駆け付けたchimaさん。彼女も関西出身で、北海道が大好き!透明感のある歌声が素敵です。

もともと木工が好きで、林業に興味を持ち活動していた河野さん。このご縁で「地元の木材の付加価値を高めたい」という中川町との思いが合致して、この小屋づくりがスタートしました。

ご自身は北広島の木工作家 「cava craft」 平子貴俊さんのワークショップで、手彫りで木のお皿を作ったり、札幌の豊平区にある「河野銘木店」で一枚板を買い、自分でテーブルを削って磨いて仕上げたことがあるそうですが、小屋というのは初の試み。

そこで、河野さんがこれまで出会ったプロの職人に協力をお願いしに足を運びました。

(以下、プロジェクトスタート時のお写真を借りています)

長沼町の大工「yomogiya」中村直弘さんは、「もともと中村さんが手がけられた小屋や飲食店のファンで、小屋を作るなら必ずご一緒したいと思っていました」と河野さん。


土壁は浦河町「野田左官店」野田肇介さんで、「野田さんが手掛けた土壁があるお宅を見る機会があり、部屋ごとに北海道のさまざまな町の土を使った、それぞれまったく色の違う土壁を見て『そんなことできるんだ!』と驚いたんです」。今回は中川町の土を使いたかったという河野さん、日高の浦河町までお願いしに行ったそうです。

河野さんの熱意に対し中村さんと野田さんが協力してくれることになり、そのほか中川町役場の方と相談してプロジェクトメンバーを集めました。

設計は札幌「三木佐藤アーキ」佐藤 圭さん。中川町の役場の方から素敵な設計をされると聞いていた河野さんは、「偶然にも、中村さんとも野田さんとも仕事をしたことがあったので、その関係性もとてもありがたかったです」。

木材加工と調達は、木材流通コーディネーターの「Rawwood」福田隼人さん。山口県に生まれ。イギリスに留学後、ドイツに移住。その
後、岐阜県高山市で木工を学び、原料の場となる森林に強い関心を持ち、中川町へ移住して現在の仕事に取り組んでいる木材のエキスパートです。

現場管理は「天塩川工業」今野大樹さん。中川町に生まれ育ち、中川町役場、森林組合を経て、父親が営む天塩川工業に入社。中川町の地元スタッフをまとめる頼もしい存在です。

こうして、小屋づくりのプロジェクトメンバーがそろい、9月に小屋づくりがスタートしました。もちろん、ほかにも多くのプロやスタッフたち、地元の方たちが協力、中川町の技術力が集結し『なかがわスタイル』の小屋を手がけたのです。

当初は11月の完成を予定していましたが、完成したのは真っ白な雪に覆われた12月。

完成しての感想を河野さんにおうかがいすると、こんなコメントをいただきました。

<河野さんのコメント>

正直、ホッとしています。途中、「あ、やばいかも」という時は何度かありました。

プロの方に指導はしてもらえるものの、ずっといてもらえるわけではない。プロの方以外、僕を含めて元々、建築に携わっている人はいないので、それはそうですよね。予定通り、作業が進まない。

用意していた木材が状態が良くなくて、使えるものではなかったとか、中川町では大きな地震があって、その復旧作業などもあり、みんな動けないとか。

正直、遅れはしましたが、完成できたのは町の方の頑張りでしかありません。

とても丁寧で、技術を身に付けるスピードが速くて、なにより一緒にいて楽しい。

中川町の皆さんが大好きになる一年でした。

――これからの活用予定は?

町民の方、町外の方、それぞれのキッカケの場所になったらいいなと思っています。

町の方には、地元の木、土を使ってこんなに素敵で心地良い空間ができるんだと体感してもらって、新しく建てる時、リノベーションする時に、この「なかがわスタイル」のおうちが増えたらいいなと思っています。

「週末喫茶」とか「週末ベーカリー」とか、各地の美味しいコーヒー屋さんやパン屋さんを招いて小屋を使ってもらって、町民の方にはその美味しさを味わってもらう。

そのお店を目掛けて町外からも人が集まる。

他にも町外から人が集まるマルシェだったりツアーだったりをして、中川町の魅力を感じて、小屋に入って「なかがわスタイル」の虜(笑)になってもらって、移住してもらえたら最高です。

大きさは小さいですが、中の空間はモデルハウスを作るつもりで建てているので。

それぞれの、住まいへの考え方だったり、地元の素材への考え方だったり、生き方だったり、誰かの何かのキッカケになったら嬉しいです。

(以上、河野真也さんのコメント)

春が来て、雪が解け、木々が緑で覆われる頃、この小屋が河野さんの語るような素敵な場所になれるといいですね。

そのときはぜひ、中川町へ取材に行きたい!と思います。

(「北海道生活」編集長)

オクラホマ河野 note
※本企画について綴っています

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