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北海道

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#北海道

ゆり根を食べる。

ゆり根を食べる。

お正月の食材といえば。
昆布、黒豆、数の子・・・・・・・
そして、ゆり根。

小さな小さなりん片から、5年もの月日を経て、食卓にやってくるゆり根。
甘くて、ほのかな苦味があって。
おしゃれ感のある味です。なんとなく。

ゆり根のポタージュです。
ゆり根はりんぺんという厚くて白い、花びらのようなモノの集合体です。
それはそれはデリケートで、ぶつかると茶色くなってしまいます。
だから、おがくずのお布団

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北海道神宮祭には鮭の焼き漬け

北海道神宮祭には鮭の焼き漬け

6月16日は北海道神宮祭。さっぽろ祭りです。

さっぽろではその昔から、この日には鮭の焼き漬けと、お煮しめと、
ラディッシュ(赤かぶ)を食べます。
ラディッシュはどうしてか、きのう知ったのですが、
赤い色でお祝いの意味ですって。
昔、野菜が今のようにとれなかった今頃に、やっととれた初夏の野菜という話もあるそうです。

ふむふむ。
お煮しめや焼き漬けだったり、ラディッシュは酢の物にしたり、食中毒が出

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トンネルを抜けるとそこはニシンで栄えた町。

トンネルを抜けるとそこはニシンで栄えた町。

小樽の毛無山(けなしやま)の展望台から、石狩湾の向こうにうっすら見える町が目的地だ。海岸線に沿って国道を、いくつものトンネルをくぐりぬける。トンネルの合間には、小さな漁港、切り立った崖が続く。
着いた町は増毛(ましけ)町だ。
 明治から昭和の初めに作られた大きな美しい木造建築がいくつも残っている。大きなお寺の近くには、「中村屋製菓」がある。柔和な笑顔の白髪頭の店主が作りだす和洋様々なお菓子に目移り

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写真の中の人に、会いに行きました。

写真の中の人に、会いに行きました。

それは、波打ち際に腰を落とし片膝をついて、モリのような道具を今にも放り投げて何かをとろうとしている人の写真。うひゃあ。かっこいい、

いったい何をしているのでしょう?

なんと、昆布漁なんです。
拾い昆布といって、海の中の岩盤から強い波のチカラでひっぱがされ、岸に打ちあがった昆布を拾う漁です。
この写真は拾う、って感じじゃないですよね。獲る。
えりも岬の東、十勝の広尾町にお住まいの漁師、☆君@昆布

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なんですって?8月初めの「雪景色」。それは北海道の新タマネギの名前です。

なんですって?8月初めの「雪景色」。それは北海道の新タマネギの名前です。

タマネギ生産が盛んな町、栗山町の西田農場さんから、わたくしの大好物が届きました。

まるで真珠のような美しさのタマネギです。

北海道のタマネギの収穫は秋です。
なので、本州の新タマネギの季節には、我らどーみんは、基本的には前年の秋に採れた保存してあるタマネギを食べます。
まぁ、今は本州から新タマネギが運ばれてきますから、楽しむんですけどね。
あの新タマネギのおいしさを道産で、と開発されたのが、雪

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大型の殻付き貝は水から茹でるのが楽でおいしい。

大型の殻付き貝は水から茹でるのが楽でおいしい。

そんなバナナ〜!(昭和ですみません)と思うかもですが、本当です。
殻付きのホタテ、牡蠣、ホッキが思いがけず手にはいるのはどーみんだからかもですが。それでもその「万が一」がある時のためにシェアします。

殻開け用ナイフは持っている人は多くはなく、テーブルナイフ(ステーキナイフ)で代用するのではないでしょうか。

↓こんな風に。貝柱切り離しを狙ってナイフを入れます。

わたしはこの仕事、結構好きです。

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ほかいどーのお米がおいしいワケ。

ほかいどーのお米がおいしいワケ。

ほかいどーのお米がおいしいのにはワケがあります。

どうして??
例えば、

「気温が高くなったから、北海道のお米がおいしくなったのです。」

という話は本当なのかな?

じゃあ、どうしてイタリア北部、ピエモンテ州に米の大生産地があるんだろう?アルプスからの風は寒かろうに。
それに、北海道の米がおいしくなったのは、
こんな風に温度が高くなる前からのことじゃない?

と、思いませんか??
そもそも、

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ナポリのマンマの「イカのシーフード詰め」の作り方を思いっきり日本バージョンにしてみた話

ナポリのマンマの「イカのシーフード詰め」の作り方を思いっきり日本バージョンにしてみた話

そのひとは青い縁のメガネをかけていて、赤い口紅が似合ってよく笑う、チャーミングなマンマでした。
得意料理だと言って、トマトソースで煮るイカの詰め物を教えてくれたの。
赤いソースの中で細い円錐形に伸びたイカの姿はなんとなくユーモラスで、食べたら美味しくて笑顔になる料理で、その人の歌うような声を思い出すのでした。
中に詰めるアサリやエビは、えいやっ!と生で用意して、殻を外して作るごちそう。以前はよく作

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じゃがいもローストと鯖と180度の魔法

じゃがいもローストと鯖と180度の魔法

「オーブンの温度は180度で」
「オーブンの温度は180度で」
「オーブンは180度に設定して・・・」

そのトスカーナ州の郊外の学校で、授業を受け持つ先生たちは、申し合わせたようにオーブンの温度は180度、とわたしたちに指示するのでした。
その言葉に、同じクラスにいた日本人のお姉さまが「イタリアのオーブンって180度しかないのかしら」と口をちょっと斜めにして、いたずらっぽい目でコメントするのもお

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シーフードで春のイタリア〜ン

シーフードで春のイタリア〜ン

こんにちはー!

きょうはすっかり春の暖かさでした。
脇道が歩きにくいのはお約束ですが、どんどん雪は溶けています。

開催を我慢していたイタリア料理教室クチナイトを再開できました。

3月のテーマは鱈(その2)。
バカラから考えると、たくさんの鱈料理があります。
シチリアの学校で学んだ時に、北海道には塩鱈があるので、バカラの料理を教えてください、と先生にお願いしたのでした。

さて、今月のメニュー

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かじか汁であったまるしかない日。

かじか汁であったまるしかない日。

こんばんは。

そうなんです。あったかい汁物であったまるしか道はありません。
時折、外で突風が吹き、どーんどどーーーーんと音がします。
今のわたしには、この音が響いてキツイ。やれやれ。

そんな夜にはかじか汁。
ほかいどーでは、寒い日に「かじか汁」を食べると
風邪をひかないという伝説があります。
いえ、あったまるっていう話です。

きょうのわたしのかじか汁に入っているのは、大根、ねぎ、じゃがいも。

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干し貝柱と白菜のスープ

干し貝柱と白菜のスープ

こんばんは。

今夜は、オホーツクの干し貝柱と白菜でスープを作りました。
中国料理の高級食材でもある干し貝柱。
ほたての貝柱の乾燥したものです。

そのまま齧ると、じわじわと凝縮されたホタテの味が、口の中に広がります。
オホーツク海には流氷がやってきます。まさに今、続々接岸中。
ハイシーズンには、紋別・網走では観光の砕氷船で間近に流氷を見ることができます。

遠くロシアから海を越えてやってくる流氷

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お肉たっぷり、食物繊維もたっぷり。それはクーブイリチー風の煮物

お肉たっぷり、食物繊維もたっぷり。それはクーブイリチー風の煮物

那覇で食べたクーブイリチー(昆布の炒め煮)はおいしかったなぁ。
2件の店で食べたのだけど、どちらもお出汁が効いたしみじみとしたおいしさで。北海道だと昆布の煮物はずっと甘辛いのだけど、優しい味の野菜の煮物のようでした。
そして、豚肉は醤油色じゃなくて白っぽい。お肉たっぷりじゃない。
昆布の使い方がこんなに違うんだーと思ったわたしでした。

さて、那覇でいただいたクーブイリチーとは違うけれど、
わたし

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北海道で、お正月に食べるもの

北海道で、お正月に食べるもの

それは遠い昭和の頃。
道東の小さな港町の大きな木造の家で育ったわたしですが、
お正月のごちそうといえば、母が漬ける飯寿司でした。
11月中旬過ぎのわたしの誕生日に仕込んで、大晦日に食べ始めるのが
毎年のスケジュールでした。

鮭とごはんと麹と野菜を木の樽に重ねて漬けて、じっくりゆっくり低温発酵させます。
水が上がってきたら、その水は捨てます。

その家の環境、きっと常在菌も発酵に作用する、なんだか

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