マガジンのカバー画像

保険のカンタン1分講座

120
保険オタクのCEOが 「業界未経験の社内メンバーに、“とことんラクして・わかりやすく・たのしく”保険について知ってもらおう!」 ってコンセプトで書いていくで~。 とはいえ、みん…
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

【3ー20限目】2019年「かんぽ生命の問題」ってなんやったん?

2019年、郵便局の職員が高齢者に対して、契約者が不利になるような保険へ乗り換え契約させていたことが次々と明らかになった。 この事件は「かんぽ生命(日本郵政)の不適切販売問題・不正契約問題」と言われている。 表面化している事例だけで20万件にも及んでいる(2020年末)。 どんな不正があったかざっくり説明すると・・・ 新しい契約をしても、古い契約を解約してほしくないから解約させず、二重で保険料を支払わせていた 積立型の保険を7カ月ほどで解約させ、新たな積立型の保険に加入

【3ー19限目】2016年「改正保険業法」ってなんやったん?

消費者保護を目的に「こんな営業してはいけないよ」と保険会社に守らせるルール”保険業法”について・・・ 自由化以降、「保険ショップ」「銀行窓販」「保険比較サイト」など、保険の販売手法の多様化・保険代理店の大型化が進んだ。 その結果、保険会社が保険代理店をコントロールできなくなってきた。 ということで、「保険代理店・保険募集人に対しても直接、規制を強化しようぜ」ってことになり、2016年改正保険業法が施行された。 ざっくりと変更点を説明していくで~ 「保険募集」の定義を明

【3ー18限目】2008年「約100年ぶりの保険法改正」ってなんやったん?

”保険法”は「保険会社(共済)と加入者の契約に関するルール」やで。 ちなみに、一文字違いの”保険業法”は、「営業手法に関するルール」やで。 契約に関するルールは、1899(明治33)年に商法の中で制定されてからほとんど改定されなかったけど、2008年に「保険法」として独立し、2010年に施行された。 特徴的な変更点は、「保険契約者の保護」を明確にしたこと。 大きな変化をざっくりと・・・ ●保険法の内容よりも保険契約者に不利な約款は無効 ●告知の方法が、「加入者が自

【3ー17限目】2000年代「保険金不払い問題」ってなんやったん?

保険金の「不払い」は、保険会社が「保険金を支払える」とわかりうる状況なのに支払わないこと。 保険会社の過失やで。 一方、保険金の「請求もれ(未請求)」は、保険加入者やその家族が請求できる保険に気づかず、そもそも保険会社に請求していないこと。 請求もれの原因は本来、保険加入者側の怠慢なんやけど、「保険募集人が契約時に説明をしていない」「そもそも契約内容が複雑すぎる」「加入後のアフターフォローがない」といった売り手側の原因が大きい。 保険金不払い問題は2005年から発覚しはじ

【3ー16限目】みんな保険に入っている。日本人っておかしい?

日本における生命保険の世帯加入率は約8割、火災保険の加入率も約8割。 日本人で「民間保険に全く入っていないよ」という人はほとんどいない。 なんでだろうね? ってことで、考えられることをいくつか・・・ ◆戦後、女性の社会進出がなかなか進まなかったので、世帯の大黒柱(夫)の死亡保障の必要性を訴えやすかった ◆昔は集落生活や大家族生活のなかで、不幸にあった人をお互いに助け合っていた。次第に、夫婦と子どもだけの核家族が増えてきて、自己責任で経済的な備えをする必要性が高まった と

【3ー15限目】「転換」ちょっと待った!(おたからほけんについて)

今回の講座は書くか悩んだけど、、、 保険業界にかかわる人間として、今後似たような過ちが起きないようにと願いを込めて書きます。 人間不信になるかもしれないので、心して読んでください。 そもそも転換とは、現在の契約の積立部分を”下取り”して、新しい契約の保険料支払いの一部に充てる方法。 元の契約は消滅するで。 転換ってしくみは悪くないねん。 ーーーーーーーーー さて・・・ 1990年代後半から、国内生命保険会社は「逆ざや」に苦しんだ。 特に、 バブル期前後の予定利率が高い