ベンチャー企業のバリエーションにおける基礎中の基礎

ベンチャー企業のエクイティに関する相談を受ける上で、よく質問を受けることがあるので、記事にしました。

「資本金500万なのに、1000万の資金調達すると議決権は大丈夫でしょうか?

答えは大丈夫です。
それは、創業時における1株株価と、資金調達をするときの1株の株価は相違してるからです。

キャプチャ

例えば、次のような会社を設立したとします。
・1株1万円
・資本金=500万(発行済株式は500株)
・創業者の株式シェア100%

この会社が事業を進めていき、外部の第3者に株式を発行して、2000万を資金調達した時に、創業者がもっている資本金が500万に対して、新たに発行する外部の株主の資本金が2000万となるが、株式のシェアが大丈夫なのでしょうか?という疑問を良くもらいます。


創業時と資金調達時にでは1株の価格が違う

答えは、問題なしです。
それは。創業当初は「資本金=バリエーション(企業価値)」となりますが、創業後は「資本金=バリエーション」ではないからです。言い換えると、創業時に発行する1株当たりの株価(=1万円)と資金調達する時に発行する1株当たりの株価が変わっているからです。

企業価値は、「1株あたりの株価×発行済株式数」で算出します。
よって、創業時は
・1株あたりの株価=1万円
・発行済株式数=500株、なので、
企業価値は500万になります。
その後、創業時の企業価値は、企業が売上や利益、ブランド等を事業を進めていくことで向上していきます。
そして、事業の進めていった結果、資金調達前の企業価値は2億円になっていたとします。この時に、1株あたりの株価は、創業時の1万円から40万(企業価値2億円÷発行済株式数500株)に上昇しています。

この時に注意すべきは、企業価値が上昇したからと言って、資本金や発行済株式数は増加しないという事です。また、創業時は資本金500万=企業価値500万になりますが、その後は、資本金500万≠企業価値2億円になります。

資金調達時に、この1株当たり40万円で2000万を調達するので、新たに発行する株式数は50株なるので、発行する株式数は50株のみになります。
よって、創業者の株式シェアは91%になります。

キャプチャ1

1回株式による株式による資金調達をされた方は問題ないですが、ベンチャー企業が初めて資金調達をする場合意外と知らないことなので、記事してみました。

次回は、バリエーションの考え方や決まり方等を書いていきたいと思います。

※企業価値(バリエーション)は正確には事業価値等表すこともありますが、今回は株主価値=企業価値としています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?