保育士たちの笑顔が宝物
世間は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で、今までにない状況に置かれています。
とりわけ保育園も例外ではなく、子ども達と密接にかかわる場であるながらも、医療従事者をはじめとした保育が必要な方の為に開所しています。
(一部自治体を除く)
私が所属する園の自治体は規模を縮小した保育を行っており、原則開園の方向です。
ただ、ありがたい事にほとんどの保護者から自粛の協力を得られ、登園する子どもも週に1回程度となったことから、子ども達がいない日は休園扱いにしています。
私は事務作業などもあるので、週に3回程度は出勤し、一人で黙々と仕事をしていたわけですが、やはりみんながいない園は寂しい。
子どもの声や職員とのやり取りが一切ない状況は、少なからず心に来るものがあります。
しかし、いつまでも自粛や休園というわけにはいかないので、ゴールデンウィーク明けに通常通りの保育ができる様に準備する出勤日を設けました(法人からの指示ではありますが)
そこで久しぶりに集まった保育士たちはいつもより輝いて見えた、というのが園長である私の目に率直に映った姿でした。
話し相手を求めていた保育士たち
国が行っている宿舎借り上げ事業により、地方の学生が都市部に就職しやすくなった事もあり、うちの園にも地方出身者が多くいます。
という事は一人暮らしというわけですよね。
週に1回程度の開園となると、全職員が出なくても園は運営できる状態でしたので、長い人で3週間近く自宅で仕事していた事になります。
当然、世間はコロナウイルスが流行している状態ですから、外に遊びに出る事はNGです。
近くをジョギングしたり、生活必需品を買いに出る事はあっても、基本は自宅にいる事になります。
という事は、ずっと一人の時間に耐えなくてはならないんですよね。
これで何が辛いかというと、「話し相手がいない事」
家族持ちだったら話し相手がいますし、私は子どももいるので子どもと外で遊んだりする事も可能ですが、そうではない職員が大半なわけです。
だから、すごく楽しそうにしていました。
久々に集まったわけですが、3密は避けなくてはなりません。
ですので全員マスク着用、出来る限りクラスで分かれる、窓を開け換気する、短時間で済ませる様にする、手洗いうがいの励行、発熱チェックなどできることは全てやっています。
それでもキャッキャしている保育士たちをみて、私としても嬉しく思ったわけです。
保育士達の笑顔を守っていけるか
園長としてこの光景を見ていて思った事が
「この笑顔を守っていけるか。」
という事でした。
保育園は紛れもなく子ども達の為にある施設です。
また、保護者にとっても重要な施設でもあります。
しかし、保育園を運営していくには保育士、栄養士、看護師などの職員がいて成り立っていきます。
保育士のいない保育園はあり得ませんからね。
だからどうこの子たち(言い方はアレですが)を守っていくのか、園長としてはすごく身の引き締まる思いをしたのです。
保育士達はプロとして子ども達に接します。
しかし、保育士である前に一人の人間。
そこに思いやりや配慮などがないと、すぐに離れてしまいます。
昨今、保育園にまつわる労働環境、人間関係、賃金の低さ、業務量など、悪い部分ばかりがクローズアップされています。
それゆえ、保育士不足に陥っていたり、職員の一斉退職といった事態も毎年の様に起こっています。
今はコロナウイルスへの対応で法人に不信感を覚えている保育士もSNS上では多く見受けられます。
でも、いつもみんなが笑顔で働いていたらそんな事は起きにくいのではないでしょうか。
保育士としてのやりがいは大いにあります。
それを保育士が感じないというのは正直言えば上の人間の責任です。
私は今法人の中の一つの園の園長として勤務しています。
法人内の園も様々です。
良い園もあれば良くない噂を聞く園もあります。
でも…私のいる園では絶対にそういう事を起こさせない。
みんなが働いていて良かった!と思ってもらえるように。
まだまだコロナとの戦いは終わらないでしょうし、日常に戻るのも先の話しになりそうです。
それでも、保育士達の笑顔を守っていく為に、連休明けからまた頑張っていこうと思います。
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