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秋の始まり、古めのズームレンズで。Nikon Ai AF Zoom Nikkor 28~105mm F3.5~4.5D(IF)

今年は夏の終わりが急に来た感じ。
寒くなる前に、また唐突にちょっと古いレンズを買ってしまった。

パッと見の映りは悪くない。
むしろいい感じがします。

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Nikon Ai AF Zoom Nikkor 28~105mm F3.5~4.5D(IF)フィルムカメラ全盛の1998年12月にF100のキットレンズとして発売されたものとのことです。


寄れる標準ズーム

何が気に入ったかというと、とにかくそのスペック。
28-105mmという焦点距離で、ハーフマクロがついてる。マクロ機構が使えるのは50-105mmの範囲ですが、最短で0.22mの撮影ができる寄れる標準ズームレンズという珍しいレンズです。

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ほら、苔なんて撮りたい放題。

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高倍率でマクロ付きというのはあるけど、標準ズームでは珍しい機能です。
前にFマウントのAF標準ズームの情報をまとめたのですが、その時に調べ漏れていて後から追記した覚えがあります。

わがまま要求仕様

そもそも標準ズームが欲しいとおもいつつ、なかなか購入に踏み切れなかったので上のような情報収集に明け暮れていたのです。それは、なぜかというと、

「重い」
「大きい」
「高い」
「意外と寄れない」
「テレ側が足りない」

といった理由があったからなのです。

これは裏返せば、

「軽くて、小さくて、手ごろなお値段で、寄れて、テレ側がそれなりに足りる」みたいなかなりわがままな要求仕様になるわけです。

いろいろ妥協したとして、SIGMAの24-105か純正の24-120、あるいはTAMRONの24-70 A007かなぁと。

でも、70mmでは5m離れた位置から撮影すると短辺が1.7m弱。幼児の表情を生き生きと映しこむには足りない。24-105や24-120は最短が0.45mなのでちょっと使いにくそう…
そんなことをグダグダと考えている間に、サンデーフォトグラファーとしての出番が来てしまったので、しょうがないから今回はレンタルで凌ごうと思っていた矢先に、このレンズを見つけてしまったのです。

しかもレンタル代とたいして変わらないではないか!?
ということで、衝動買い。

こんなレンズです

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まぁ、Dタイプのあのデザイン。
なんだかざっくりとアメリカっぽい。文字のウェイトとNikonロゴの関係かしら。
そしてやはり小ぶりなのがうれしい。マウントしたままショルダーバッグにもスポッと入ります。

主なスペックは、Nikonの公式サイトに情報がありました。
https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/ai_af_zoom_nikkor_28-105mm_f35-45d_if/#spec

先ほどの要求仕様に沿ってチェックすると、こんな感じです。

質量(約):455g
最大径×長さ(約)(先端よりバヨネット基準面まで):73x81.5mm
お値段:中古で¥12,000ほど
最短撮影距離:0.5m [0.22m:105mmマクロ時]
テレ側:105mm

F値は大きさ・重さとのトレードオフだし、明るいレンズが必要な場面なら単焦点のほうがどうしても有利なので、F2.8にあまりこだわりはありません。

そして何よりハーフマクロ

よく「なんちゃって」とか「疑似」とか言われるけど、撮影倍率1:2なので「ハーフ」です。等倍のマクロは60mmがあるので、ハーフで十分。
前にジャンクになった35-70mmにもハーフマクロがついてて便利だったのでここが魅力的でした。

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ちょっと見た目がいい感じの料理とか、細かい作業の手元の写真を撮りたいときにとても便利。(このマクロは焦点距離が50mm-105mmの間で使用可能。ズームリングが50mm以上の位置にある時にマクロ切り替えスイッチをマクロ側に切り替えることでフォーカスリングがマクロ域まで回るようになります。逆にフォーカスリングがマクロ域にある時はノーマルモードにスイッチできないため、一度遠くにピントを合わせてからスイッチを切り替える必要があります。このへんが今は生き残れない機能のような気がします)

もうひとつこのレンズの特徴として、侮れないなと思わせてくれるのが円形絞り。20年以上前のレンズにしてなかなか先駆性があるではないですか。

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無理のない光学設計なのかボケの感じもきれいです。

あと、レンズフードが今でも純正品の新品が手に入ったので、これはすかさずAmazonでポチりました。

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装着すると、こんな感じ。

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か、かっこわるい。
ま、目をつぶろう。

IFなのでフォーカシングでは繰り出しもないのですが、ズーミングで前玉が回るのでフードは丸いのです。
ちょっとかさばるので、普段は外してます。

描写性能比較

結論から言うと現役選手として仕事に使うのはどうかと思うレンズ。
解像度とかキレとか求めると、F8-11ぐらいまで絞らないと無理があります。

まず普通に見ていただいてから、クリックして画像を拡大してください。

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これは合焦点付近を拡大したものです。上の写真がF6.3(ISO200)、下の写真がF11(ISO200)です。

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絞り込んだおかげで多少良くなってるけど、解像感は得られていません。

これを例えば単焦点の50mm F1.8のレンズで撮影(ISO200 F6.3)すると、

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こんな感じで、クリックして拡大表示でよく見ていただけるとわかるのですが50mmの単焦点では単語帳の紙の表面の質感までよく見えています。

そしてワイド側では顕著なのが、周辺減光です。

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(マッハバンドが見えるのは圧縮のせいです)

とまあ、欠点に注目したらキリがないのですが、愛用している人は多いようです。PHOTOHITOで見ると、なかなかいい感じの作品が多数あります。
https://photohito.com/lens/brands/nikon/model/ai_af_zoom_nikkor_28-105mm_f3.5-4.5d%28if%29/

価格コムのレビューを巡回してると「隠れ銘レンズ」との評価も。

お散歩レンズ的には満足

ハイスペックでも用途が限定的だったり、重いとか威圧感のある大きさとかではなく、カジュアルでそこそこ頼れる散歩のお供的レンズ。

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全体的には満足度高めです。
もともとはズームレンズ嫌いだったのが、ちょっと好きになってきました。

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ところで、一眼レフカメラの場合オートフォーカスのピントは微調整ができたりします。
フォーカスチャートがご入用の方はこちらからどうぞ。


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