「これ着てカッコよくなってください!」ということです。自社のTシャツを説明してみる。 -4- デザイン編
素材編、撚糸編、生地パーツ編と3回にわたって極めてマニアックな内容でお届けしてきた「自社のTシャツを説明してみる」シリーズ。
当社がこの夏に発表した新作「HOFI-008 インド超長綿天竺 タック襟丸首Tシャツ」についてひたすら深く掘り下げてご説明してまいりましたが、そろそろ皆さまおなかいっぱいの感じですか?大丈夫?やりすぎた?
ということで、
今回のデザイン編で一先ず完結です。
たかがTシャツにどこまでウンチク並べても結局ただのTシャツじゃないか、と思う人もいるかもしれません。
もしくは洋服なんてオシャレであれば何でも良くて、素材や作り方なんて気にしたことないですよという人も多いかと思います。
けれども、中には私たちが商品に叩き込んだ思いや心意気ごとまとめてこのTシャツを着てやろうじゃないかという人もいると信じているので、とにかくありったけの情熱をこめて色んな角度から当社のTシャツを説明してきました。
そんなウンチク満載の説明を3回繰り返した後に言うのもなんですが、ここで大事なことを一つだけお伝えしたい。
このTシャツはそもそも
理屈ぬきに、ただカッコいいんですよ!
今までの小うるさい説明はなんだったのだ!とお叱りを受けるかもしれません。
しかし、今まではパッと見ただけでは分からないところの魅力をご説明していたんです。
けれども今回はファッションアイテムとしてこのTシャツの良さを表現したい。
そうなると説明はシンプルに「カッコいいでしょ?これ!」となってしまうんです。
なにせデザインがシンプルで、関西弁でいうところの「シュッとしてる」んです。
ほんと、説明はそれだけでいいかもしれません。
とはいえ、作るにあたってもちろんデザインにも頑張ったポイントがあるのでそこはちゃんとご紹介したいと思います。
昨今は機能性や社会貢献、問題解決などを盛り込んだ重厚なイメージで「デザイン」という言葉を使う人も増えていますが、狭義のデザインといえばやはり色と形です。
さて、色。
このコットンはとにかく発色がよいです。
特に白。
当社ではこれまでほとんど白のTシャツを作ってこなかったんですが、この素材は白が映えます。
インド綿は全般的に繊維そのものが白いので、その点を生かして白を綺麗に出すことが出来ます。
もちろん繊維が白いと染めても綺麗な色が出ます。
今回の展開色は4色。
白、シルバー、ネイビー、黒。
どうですか?色については実物とインターネット上の画像で多少の差異があるのは承知しておりますが、それでもこの素材の発色の良さは伝わるんじゃないかと思ってます。
そして、形。
襟パーツにはタック編みでラインを入れてあります。
これはヴィンテージの特に軍モノといわれるTシャツに良く見られる意匠です。
当社のTシャツは襟の詰まったデザインが多く、これは首元に引き締まった美しいラインを作ることで上品な印象を与えるようにするためにあえてそうしています。
ヴィンテージ風のタックラインが入っているこの襟についても、全体のシルエットで見るときっちり綺麗目に見えるように仕立ててあります。
着用したときに出来るだけ襟が立たないように襟パーツを倒しながら縫い付けてあって、コレも同じく襟元を引き締まった印象にする一工夫です。
肩幅や袖丈は王道のサイズ感にしてあります。
昨今流行のビッグシルエットやボックスシルエットなんかは全く意識せず、とにかくニュートラルに見えるようにしようと考えてこの形にしました。
脇の部分から裾にかけては少し絞り気味のラインになっています。
これは着た時にダボっとした印象にならないようにするためです。
腰の辺りでTシャツのボトムラインが安定すると足が長く見えてスタイルが良く見えるという効果もあります。
反対に脇の辺りはやや幅広にしてあるので、胸の周りの圧迫感が少なく可動域も広いのでリラックスして着られます。
今回このTシャツを作成するに当たって、友人の服飾デザイナーに協力を依頼しデザイン監修をしてもらいました。
洋服には大別すると横編みニット、カットソー、布帛縫製の3つの作り方があって、それぞれに全く異なるノウハウがあります。
そのため大手アパレルメーカーではそれぞれのジャンルに個別のデザイナーがいることがほとんどです。
今回私が協力を依頼した友人はこの3ジャンル全てに経験があるデザイナーなので、今まで私たちが詳しく知らなかったことを色々とアドバイスしてもらってとても勉強になりましたし、それを商品作りに生かすことも出来ました。
その友人がデザイン監修をするにあたってこの企画に「TOWN」というキーワードを与えてくれました。
これは「街へ出かけたくなるようなTシャツ」にしようという意味合いでつけられたものです。
不思議なもので、こういうキーワードが一つあるとデザイン修正を行う際も「ちょっとしゃれたお店に入るならこのくらいの着丈がいいかな」とか「家族で遊園地に行くならこの部分が丈夫じゃないと」という感じで場面を想像しながら服を作っていくようになり、細かな仕様について意思決定のスピードも上がりました。
服のテーマをシンプルなひとことで表現するなんてことは今までやったことがなかったですが、これは良い手法だなと思いましたし、プロの人に教わりながら仕事をするというのはやっぱり良い経験になるなと実感しました。
ともかく、
そんな色々が詰まりに詰まった傑作Tシャツです。
皆さまぜひ着てやってください!!
東大阪繊維研究所 オンラインストア
https://hofi.shop/
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