たとえ好きなものが見つからなくても

1週間ほどかけて一冊の本を読んだ。自分というものが分からなくなった25歳の女性が、ある日突然、10年前にタイムリープして自分を見つける話。ネタバレは好きじゃないけれど、感想だけでも伝えたい。
感想をひとことで言うと、人生観が変わった。親の言うことを聞いて、親の機嫌を損ねないように生きる。それはとても窮屈で、退屈な人生。「私の人生の主人公は私。親でも友達でもない、私自身」人生の主人公が誰だなんて考えたこともなかった。とても新鮮で、はっとさせられた。私は私が嫌いだった。何の取り柄もなくて、危ない橋は渡らない。周りに合わせて、周りに流されて、自分のために行動するなんて滅多にない。だけど、私の人生は私だけのもので、タイムリープなんて現実ではありえないから、一度きりの人生をもっと自分のために生きたいと思った。そこには親や友達がきっといる。だけどその人たちの言葉はあくまで助言で、決断するのは自分自身。一つの後悔もないような人生を、とまではいかなくても、ここは好きだったと思えるような人生にしたい。誰かの言葉が私の人生の一部になり得るのなら、その言葉ひとつひとつを考えたい。キリがないかもしれないけれど、それでもいいと思える。そして逆もまた然り、私の言葉が誰かの人生の一部になり得るのだろうことを忘れないでいたい。

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