うみべの女の子

8月20日公開、うみべの女の子を観ました。
小梅と磯辺はたしかにそこにいました。漫画の中からそのまま出てきたような。瑠華さんと柚くんは小梅と磯辺そのもので、予告を見たときから感じていました。
「ああ、なんてぴったりな2人なんだろう」
観ていたときは本当に一瞬で、息をしていたのかすらわからないくらい。瞬きも、していたかどうかわかりません。それくらい心が入り込んでいました。
原作と映画、違うところはあったし、カットされてる部分もありました。そして、付け加えられてる部分も。漫画に動きがついたことで、その情景に込められた想いをリアルに感じられました。
鑑賞中は終始どきどきしていて、目が離せなくて。内容が内容だから見せるところ見せないところ、その境ぎりぎりが映し出されていました。映像だけじゃない、その音まで表現されていて。さらに入り込んでいきました。
私が中学生だった頃は、無垢だったと思います。色々なことを知った今、この映画を観た私。とてもたくさんのことを考えさせられました。小梅の気持ち。磯辺の気持ち。桂子や鹿島の気持ち。あらゆるものが交錯したそれぞれの青春、性春。美しくも儚い物語でした。

実はこの映画を観る前、外は大雨でした。風も強く吹いて、傘が飛ばされそうなほど。まるで台風のようでした。でも、映画を観終わって電車に乗ると、雨は上がり、綺麗な夕陽が見えました。小梅や磯辺が見ていたあの夕陽と同じ、全てを払拭してくれるような夕陽でした。頭の中でははっぴいえんどの“風をあつめて”が流れ、涙を誘いました。

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